じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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2011年版・岡山大学構内でお花見(81)西側から眺めるコスモス畑

 昨日に続いて、農学部構内のコスモス畑の写真【左側】。コスモスは花の向きが不定であるため、西側から眺めても十分に鑑賞できる。これがヒマワリとなると話は別で、7月8日の写真(右側に再掲)にあるように、ほとんどすべてが背中を向けてしまう。
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10月14日(金)



【思ったこと】
_b1014(金)映画『アイ・アム・レジェンド』のAlternate Ending

 10月7日に放送され、録画してあった

金曜ロードショーアイ・アム・レジェンド

を観た。2007年制作で日本でも劇場公開された映画であったようだが、そのような映画があったことは全く知らず、たまたま、TVの予告の、
全人類が絶滅した地球に生き残った、たった一人の男。想像を絶する孤独と絶望の淵に立った男が、地球を、人類を、そしてなによりも自分を救うために孤軍奮闘する姿を描いた...
といったキャッチコピーにつられて録画しておいたものであった。

 CGの技術もすぐれていて、全人類が絶滅寸前になったらああいうふうになるのかと思わせるような光景があり(←人類が滅びたはずなのに、どうして電力が供給され続けているのか、という点だけはきわめて不自然に見えたが)、なかなか興味深い内容であったが、エンディングのところは、自己犠牲により人類を救ったありきたりな英雄伝説みたいで、イマイチ物足りないところがあった。

 ところが、ウィキペディアなどで当該映画の情報を調べてみると、この映画のエンディングは
公開1ヶ月前のスクリーンテストの結果、差し替えられたものであり、いくつかの設定や伏線が明らかにされていない。

差換え前のエンディングが特典映像として収録されているのは、
1.セル用DVDの「2枚組」として販売されているもの
2.セル用Blu-ray Disc
3.レンタル用Blu-ray Disc

以上の3種類のみである(なお、セル用DVDで2枚組でないものは「特別版」であっても未収録である)。こちらのバージョンでは、原作にも通ずる“価値観の逆転”が描かれる。
となっていたことが分かった。

 その後、種々手をつくしてそのAlternate Endingを観ることができたが、確かに、こちらのほうがはるかにいい。差し替えは別段、政治的弾圧や検閲によるものではないが、興行成績重視のあまりに原作者の意図を180°変えてしまうというのはいかがなものかと思った。なお、ネットで検索したところ、こちらに詳細な解説があり、そのご指摘には私も同意できた。

 そう言えば、以前に観たタイムマシンという映画でも同じような議論があった。あの映画では、
主人公は未来に着いたとたん、野蛮なモーロックにタイムマシンを奪われて、意思に反して未来にとどまる。映画ではタイムマシンはすぐには奪われず、主人公はタイムマシンを返されたにもかかわらず、自分の意思で未来にとどまる。
となっていて、主人公は、自分とよく似たのエロイ(Eloi)と一緒に「野蛮なモーロック」と戦い勝利し、メデタシメデタシの結末になったと記憶しているが、モーロックの立場からみればエロイは自分たちが生き延びていくために必要な家畜のようなものである。モーロックの「野蛮な」行為というのは、人間が狩猟をしたり家畜を殺したりすることと大して変わらないのである。

 結局のところ、この世界には、絶対的な正義などというのはあり得ない。正義の一貫性が保たれるのは、あくまで特定集団の中であって、かつ、完全に無矛盾ではない状態で、調整やブレの中で語られているにすぎない。とはいえ、少なくとも人類という集団の中では、過去のさまざまな対立を克服し、できうる限りの正義が保てるように進歩してきているとは思われるが。