じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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2011年版・岡山大学構内でお花見(79)満月の夜

10月12日夜の満月と植物。撮影時の月齢は15.0、満月は同日午前11時06分であった。この日はまた、20時43分に月最遠(29′24″)であった。写真は、
  • 左上:千日紅と満月
  • 右上:ハナミズキの朱い実と満月
  • 左下:金木犀と満月
  • 右下:金木犀と満月(ストロボ不使用)。少しぶれているが、木星も写っており、金モクセイと木星のコラボとなっている。



10月12日(水)

【思ったこと】
_b1012(水)人間・植物関係学会2011年臨時大会(4)二次元気分尺度による農業体験前後の気分変化(2)

 昨日の続き。

 3番目の発表で用いられていた「二次元気分尺度」は、項目が8個だけという少なさに加えて、集計もきわめてシンプルであった。当日の発表抄録によれば、
  • 1.落ち着いた
  • 2.イライラした
  • 3.無気力な
  • 4.活気にあふれた
  • 5.リラックスした
  • 6.ピリピリした
  • 7.だらけた
  • 8.イキイキした
という8個を6件法(全くそうでない 0、非常にそう 5)で評定してもらい、そのスコアから
  • ポジティブ覚醒:P=項目4+項目8−項目3−項目7
  • ネガティブ覚醒:N=項目2+項目6−項目6−項目5
  • 快適度:H=(P−N)÷2
として算出されるという。もっとも、上掲の式では、「ネガティブ覚醒」のところで項目6が足し算と引き算の両方に含まれていて意味をなさない。会場でも私のほうから指摘させていただいたが、質問項目の意味から言ってもおそらく、

ネガティブ覚醒:N=項目2+項目6−項目1−項目5

の誤植ではないかと思われた。

 なお、昨日も引用した坂入ほか(2003)の論文では、「ポジティブ覚醒」は「高覚醒」、「ネガティブ覚醒」は「低覚醒」、「快適度」は「快気分」と表現されていた。

 また、同じく昨日引用したこちらのスライドでは、「ポジティブ覚醒」、「ネガティブ覚醒」、「快適度」という表現になっており、かつ、ネガティブ覚醒の算出式は「N=項目2+項目6−項目6−項目5」となっていて項目6が足し算と引き算に両方出ており、項目1は式のどこにも現れていない。

 CiNiiで検索してみると、今回の口頭発表で引用されている論文は、

坂入洋右・征矢 英昭(2003).新しい感性指標--運動時の気分測定 (特集 脳の健康と運動) 体育の科学,53(11), 845-850.

となっており、上掲のスライドも、「感性指標」が「感覚指標」となっている(誤植?)ものの、同じ論文を引用しているようである。いっぽう、論文全文が無料で閲覧できるのは、

坂入洋右・徳田英次・川原 正人(2003).心理的覚醒度・快適度を測定する二次元気分尺度の開発. 筑波大学体育科学系紀要,26,27-36.

となっていて同じ年の刊行ながら、異なる論文となっている。念のため、『体育の科学』の論文のほうを複写請求し、算出式「N=項目2+項目6−項目6−項目5」が出典元の誤植なのか、引用者の勘違いなのか、確認しておこうと思う。

 次回に続く。