じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 昨日の日記にも記したように、岡山県岡山ではこのところ晴れの日が多い。写真上は、8月4日夕刻に撮影した、旧事務局棟の夕暮れ風景。月齢は4.6。写真下は、青空を映し出す本部棟(8月3日撮影)。

8月4日(木)

【思ったこと】
_b0804(木)2011年版・高齢者の心と行動(43) ダイバージョナルセラピーワーカー・フォーラム2011(6)理事長による基調講演(6)「A、P、I、E」の実践プロセス

 8月1日の日記の続き。

 ダイバージョナルセラピーの特徴は、単なる思想にとどまるレベルではないということにある。主観、共感、思い込み、思い入れではなく、
  • Assessment(事前の調査、ライフビュー)
  • Planning(計画・設計、ゴールの設定)
  • Implementation(実施、目的意識と観察)
  • Evaluation(事後の評価、改善し続ける)
という4つの実践プロセスを通じて、種々のプログラムや介入を計画的に実施し、有効性を検証し、それに基づいて次の段階での改善をはかっていくことが根幹となっている。であるからして、例えば園芸療法は健康にいいからみんなでやりましょう、というだけの実践であれば、DTに組み込まれた園芸活動ということにはならない。まずは、個々人のレベルで、その人が、植物とどう関わってきたのかを事前に調査し、その人にあった植物とのふれあいのプランを作成する、その上で実際に実践し、その効果を評価した上で、よりよい形に改善を図っていくというプロセスを組み込むことが必要である。

 これは音楽療法でも同様である。みんなで賑やかに合唱すればよいということにはならない。高齢者にもいろいろな世代があり、人によっては軍歌が好きなお年寄りもいるだろう。そのいっぽう、戦後世代には、うたごえ喫茶の影響を受けて、こういう歌や、こういう歌が好きな人もいるだろう。しかし、軍歌が好きなお年寄りは戦後の旧ソ連系の歌や反戦フォークソングは好まないであろうし、逆に軍歌は絶対に嫌だというお年寄りもいる。では無難なところで、幼稚園の童謡なら楽しめるかというと、そういう歌ばかり歌わされることが幼稚園児扱いされていると受け止められ、プライドをひどく傷つけられるお年寄りもいる。

 音楽の場合は、個人個人で好みにかなりの多様性があるはずで、画一的な合唱イベントを行う場合には留意が必要ではないかと思っている。

 なお、「A、P、I、E」の実践プロセスは、客観な効果検証を重視するという点ではPDCAサイクルの4段階の発想と基本的には変わらない。但し、PDCAでは2段階目でいきなり「2.Do(実施・実行)が入るのに対して、「A、P、I、E」では、実践は3段階目にずれていて、まずは事前の調査を綿密に行うことが重視されているように思う。

次回に続く。