じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 7月11日7月13日の日記に農学部農場のスイカ畑の写真を掲載したが(左の写真のいちばん上)、スイカのあった場所は8月1日に一斉に耕され(写真中段)、すべてのスイカが収穫された模様である。8月1日はたまたま恒例の胃・バリウム検診があり、水分補給をかねて、農場直販所で大きめのスイカ(半切れで870円)を購入した(写真下段)。採れたてということもあって中身がしまっていて水分豊富であった。


8月1日(月)

【思ったこと】
_b0801(月)2011年版・高齢者の心と行動(42) ダイバージョナルセラピーワーカー・フォーラム2011(5)理事長による基調講演(5)朝、ベッドから起き上がる理由をもてるように

 7月28日の日記の続き。

 講演の中ほどでは、ダイバージョナルセラピーやセラピストの役割についての復習があった。

 まず、ダイバージョナルセラピーについて、こちらに記されている以下の定義が引用された。
[ダイバージョナルセラピーとは]
日本ダイバージョナルセラピー協会はこのように定義します(2008年9月)。
ダイバージョナルセラピーとは、各個人が、いかなる状態にあっても自分らしくよりよく生きたいという願望を実現する機会を持てるよう、その独自性と個性を尊重し、援助するために、「事前調査→計画→実施→事後評価」のプロセスに基づいて、各個人の“楽しみ”と“ライフスタイル”に焦点をあてる全人的アプローチの思想と実践である。

オーストラリア・ダイバージョナルセラピー協会のPeggy Skehan氏は「DTをひと言で言うと?」の問いに次のように答えました。
ダイバージョナルセラピーとは、朝、ベッドから起き上がる理由をもてるように手助けすることである。

さらに、オーストラリア・ダイバージョナルセラピー協会はそのVisionで宣言します。 ダイバージョナルセラピーとは、クライエントを中心にした実践であり、各個人が、その人にとって価値のあるレジャーやレクリエーションを経験することは、その人の能力とは関係なく、すべての人に与えられた権利であると認める。
今回、このうちの「朝、ベッドから起き上がる理由をもてるように」という部分について若干の補足説明があった。特別養護老人ホームの入居者の大部分は寝たきりであって、自分でベッドから起き上がることはできないというツッコミがあったためということである。芹澤理事長によれば、寝たきりの人であっても、ベッドの位置を変えて外が見えるようにすることで、朝起きることの理由が見いだせる場合がある。私自身、もし寝たきりになってしまったら、天井のスクリーンで様々な自然風景やバーチャル映像がいつでも鑑賞でき、ダイナミックな音楽を聴けるようなカプセル型ベッドに入ってみたいという希望はある。大部屋の隅っこのじめじめしたベッドの上で、何も楽しみなしに延命させられるだけというのはイヤだ。

 さて、ではダイバージョナルセラピーはどういう形で、ベッドから起き上がる理由をもてるように手助けするのであろうか。これについても、各所に、ダイバージョナルセラピストの役割として紹介されている。その中心は、レジャー(レクリエーション)であるが、それは決して、グループレジャーに限るものではない。
  • 一人一人のQOLを高めるためにレジャーに参加することによって得られる多様な成果を利用する
  • 一人一人への個人的なライフスタイルの計画
というように、「一人一人」という多様性が尊重されなければならない。しかし、現実には、スタッフの確保の問題もあって、大多数が楽しめるようなレジャープログラムが実施されることが多く、不参加者はただ観ているだけということになりがちである。私自身は、そういった、人付き合いを好まないお年寄りに対して、どのようなレジャープログラムが提案できるか、その持続性や、ライフスタイル全体の中での意味づけなどについて可能性を探っていきたいと思っているところだ。

 次回に続く。