じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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2011年版・岡山大学構内でお花見(64)ヒマワリ畑、予定終了

 岡大構内で最大規模のヒマワリ畑(7月5日の日記参照)が、7月21日の夕刻に刈り取られていた。種を収穫する目的なのか、もう一度、新しい苗を植える目的なのかは不明。

7月22日(金)

【思ったこと】
_b0722(金)「行動の予測と制御」(2)

 昨日の日記にも述べたように、スキナーの言う行動の制御というのは、決定論的な制御ではなく、あくまで、「行動を起こりやすくする」、「起こりにくくする」という確率的な制御にとどまっている。特定の場面・文脈に限れば、ほぼ100%の予測ということもあろうが、100%に近づけることは必ずしも努力目標ではない。行動分析学でいう行動随伴性というのは、原理的に言って、決定論的な予測を目ざすものではないからだ。

 このことに関して、久保田(2003):

臨床行動心理学の基礎―医と心を考える 人はなぜ心を求めるか

は、オペラント条件づけは、「機会を与える」という性質のものであること、すなわち、「決して人に押しつけるのでもなく,できれば活かしてほしいけれど,活かさなくても責めはしない,そしてまた,粗略に与えるものではない.」というように述べておられる【375頁】。さらに言えば、教育や人間の社会の組織も、「社会全体が<機会>の創出と配分という機能をもったもの」ということになる。

 いずれにせよ、「行動の予測と制御」というのは、「次に何をするか(させるか)」の予測や制御ではなく、何を起こりやすく(起こりにくく)させるかについての確率的な制御と予測であると言えよう。

 いまやっている大相撲を例に挙げれば、ある力士が、次の取組の立ち会で、突き放しを狙うか、まわしを取りに行くのかということは、決定論的には予測できない。しかし、その力士の過去の取り口、とりわけ、対戦相手との取組における決まり手の種類と確率などを分析すれば、立ち会いにどういう行動をとるのかについての予測精度を高めることができる。
 但し、行動分析学の本領は、その力士の取り口の比率をどう変えるかということに関心が向かうであろう。次に突き放しをするかどうかという予測確率の精度を上げるより、特定の取り口の生起頻度を高めるための強化を行うことに専念するはずだ。