じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



10月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
§§
 昨日の日記で、旧・京山ロープウェー公園に「光の門」が出現したと書いたが、翌日の朝に見たら、もはや「門」はなく、かわりに大型の太陽光発電パネルが設置されていた。前の日の朝に「門」のように見えていたのは、設置前に水平に置かれていたパネルであったようだ。ということは、二度と見られない貴重な記録写真であったかも。

10月16日(土)

【思ったこと】
_a1016(土)日本心理学会第74回大会(24)自然環境と心理学(3)企画趣旨説明

 昨日の日記の続き。

 ワークショップではまず、企画趣旨説明の中で、
  • Ulrich(1984):病院の窓の外の自然風景は手術後の回復に効果あり。自然進化理論。
  • Kaplan & Kaplan(1989):自然環境による、注意回復理論。
 また、著名な環境心理学のFrances E. Kuoは、かつては学会で、自然環境と心理学をテーマにした企画を実施しても、集まる聴衆はごくわずかであったと回顧しておられたという。近年、このテーマへの関心が集まっていることとは対照的と言える。

 そして、近年では、
  1. 自然環境の選好とそのメカニズム
  2. 自然環境が人の心理・行動に与える影響
  3. 自然環境との心理的結びつきとその影響
に関心が向けられているということであった。

 このうち1.では、「なぜ自然環境が好まれるか」といった議論があるという。もっとも、昨日の日記でも指摘したように、ここでいう「自然環境」というのは、安全が確保され、人間が接することを前提とした「管理された自然」でなければならない。純然たる自然は、お茶の間でハイビジョン放送でも視ている分には楽しめるが、生身の人間がその場に出向いて楽しめるような場所であるとは限らない。ちなみに、これまでのところ、私自身が最も大自然を感じた場所は、タスマニア原生林であったが、あそこは、遊歩道がちゃんと整備されていて、そこから外れて原生林の中を探索するということは殆ど不可能であった。また、あの時期には蛭がたくさんいて、のんびり草地に寝転んで昼寝などできる状況ではなかった。

 次に2.は、自然環境がもたらす疲労回復促進効果、ストレス低減効果などのことであり、代表的な説としては、Kaplan夫妻の注意回復理論と、Ulrichの心理進化論が知られているという。

 最後の3.は、well-being向上や「近隣の自然」(neaby nature)に関するものであり、3つほど文献が紹介された。


 次回に続く。