じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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みぞれな一日

 3月9日(火)の岡山は午前3時頃より雨が降り、午後1時頃には逆に気温が1.1℃台まで下がり、みぞれとなった。市内からそれほど離れていない岡山空港周辺では雪が積もり、県北の蒜山や鳥取県の大山では新たに数十cmの積雪となった模様である。


3月9日(火)

【思ったこと】
_a0309(火)[一般]アバターと3D映画

 各種報道によれば3月7日(日本時間8日)発表の第82回米アカデミー賞・作品賞は、有力候補だった「アバター」を抑えて「ハート・ロッカー」が受賞したという。

 ちなみに、8日の19時30分〜のNHKクローズアップ現代は

夢は必ず実現する 〜キャメロン監督が語る〜

というタイトルであった。NHKとしては、「アバター」が作品賞を受賞するものと想定し8日夜にこのタイトルを設定したものと思われるが、少々あてが外れてしまい、番組冒頭で国谷キャスターは、
こんばんはクローズアップ現代です。今年のアカデミー賞で作品賞に輝いた「ハート・ロッカー」、この映画はイラクに置かれているアメリカ兵の状況をリアルに描いた作品で、映画の受賞はアメリカ社会にイラクがいかに重くのしかかっているのかうかがわせるものとなりました。(ここで原稿に目を移し)人々の心をつかむ映画という表現手段、...
というように語り始めて「アバター」につないだ。あらかじめアバター受賞を想定した原稿があって、急遽、冒頭部分だけを「ハート・ロッカー」の紹介の原稿に差し替えたという気がしないでもないような、少々ちぐはぐな出だしであった。

 もっとも、「ハート・ロッカー」がなぜ「アバター」を抑えたのかについては色々な説がある。こちらの記事には、
アカデミー賞は映画関係者約六千人の投票で各賞が決まる。二〇〇六年の時点で、俳優は約千二百人、プロデューサーと映画会社役員は計約千百人。今回の実際の投票行動について映画評論家の矢崎由紀子さんは「俳優の多くの票が『ハート・ロッカー』に流れたのではないか」とみる。

 つまり、プロデューサーと映画会社役員は、興収実績や映像技術の進歩への貢献といった観点から「アバター」に投票したかもしれないが、俳優は、登場人物がCGで描かれる「アバター」に職業的見地から危機感を覚え、それが成否を分けた−との見方だ。
という説もある。このほか、「ハート・ロッカー」は米軍の爆発物処理班がイラクの市民を守るヒーローとして描かれているということで、米国の保守層などから「反米、反軍の映画だ」といった批判が相次いでいると言われる「アバター」より受けが良かったという一面もあるかもしれない。




 さて、私自身であるが、「ハート・ロッカー」については、実はそういう映画があること自体知らなかった。いっぽうの「アバター」のほうは、先日、夫婦で観に行ったばかりであった。

 ちなみに私自身は、高校時代に渋谷の東急名画座に通った時期を除けば、映画館には殆ど足を運ばない部類であったのだが、昨年11月に、たまたま、夫婦で「クリスマスキャロル」を観に行ったのがきっかけで、3D映画で面白そうなものがあれば「夫婦50割引」サービスを利用して映画館まで出かけるようになってきた。

 なお3D映画としては12月に、「カールじいさんの空飛ぶ家」を観ているので、「アバター」が3つ目ということになる。




 「アバター」を観た時の第一印象としては、
  1. 3D映像としては類を見ないすばらしさがある。
  2. ストーリー自体はどこかで聞いたような内容。
  3. 風景自体もなんとなく見たことがあるような...
といった感じであった。

 1.に関しては、まさに美術賞、視覚効果賞、撮影賞の3部門受賞に値するとは思う。もっとも、かつて、「トーキー」、「総天然色」、「シネラマ」、あるいは、テレビの世界で「カラーTV」、「ハイビジョン画質」に進化したときなどもすべてそうだと思うが、映像技術の目新しさだけでは映画はなりたたない。3D映画だけで観客を呼び込もうとすれば、いずれ陳腐化していくに違いない。

 2.のストーリーに関しては、主人公が異星人や異次元世界に入っていって、次第に信頼を勝ち取り、最後は一緒に戦って勝利するというような展開は、結構ありふれていて、特段の意外性や驚きは無かった。「見せる映画」の宿命として、
  • 空を飛ぶシーン
  • 大規模な戦闘シーン
  • 主人公自身の格闘技
  • 何らかの奇跡
という展開は外すことができないのかもしれない。

 パンドラのナヴィ族に関して真っ先に思い浮かべたのは、ヤノマミの人々であった。じっさい、ヤノマミの人たちの生活は、ナヴィに通じるところがあるし、ジャングルを焼き払って耕作地を広げたり、鉱物資源の採掘で鉱毒を垂れ流しているのは、利欲に目のくらんだ「文明」人以外の何者でもない。

 あと、あの映画の風景は、中国・湖南(Hunan)省にある張家界国立森林公園が原図になっていると聞いているが、実際のイメージは「天空の城ラピュタ」や、日本ではあまり知られていないが「レプリコーン〜妖精伝説」によく似ていたように感じた。ついでながら、「レプリコーン〜妖精伝説」などは、3D版にリメイクするにはうってつけだと思う。

 妻が3D映画をすっかり気に入ってしまったこともあり、「夫婦50割引」のおつきあいで今後も数ヶ月に1度くらいは映画館に足を運ぶ予定である。次回の鑑賞は「アリス・イン・ワンダーランド」あたりを予定しているところだ。