じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 幻想庭園と烏城灯源郷(2)天守閣の外と中からの眺め

 後楽園の幻想庭園は7月29日から8月16日までの長期間に及ぶが、「烏城灯源郷」のほうは、今年の場合、8月12日から16日までの短期間。私自身にとっては、「烏城灯源郷」を見物したのは今回が初めてであった。

 山陽新聞の記事にあるように、「烏城灯源郷」は、天守閣前広場などに計約2000個の炎(キャンドル)を並べるイベント。中国デザイン専門学校の学生らによって、コップに浮かべたろうそくや灯籠に1つずつ点火されるので、電飾とは違って、炎の揺らぎを堪能することができる。

 こちらの記事にあるように、図柄は毎日異なっており、私たちが訪れた最終日は「女性」というテーマであった。なお、お城の下からでは何を描いているのかは全く分からない(写真上)。お城の入場料金(後楽園との共通券あり)を払って5階もしくは6階の窓から下をのぞくと、写真下のようにはっきりと図柄を楽しむことができる。



8月17日(月)

【思ったこと】
_90817(月)[政治]マニフェスト論議は長期的視点で(3)「政権選択」か「政策選択」か

 7月29日の日記の続き。

 さて、各種報道にもあるように、第45回衆議院選挙が18日に公示され、8月30日の投票をめざして12日間の選挙戦に入る。

 少し前、この選挙に関しては、「政権選択」か「政策選択」かという議論があり、自民党のテレビCMでは、「政権選択ではなくて政策選択選挙だ」とアピールする向きもあったようだが、大手メディアの記事をざっと閲覧してみても
  • NHKオンライン:...自民・公明両党が政権を継続するのか、民主党を中心とする野党勢力が政権交代を実現するのかの「政権選択」を最大の焦点に、...
  • 毎日新聞:戦後、一時期を除き政権を担ってきた自民党が引き続き公明党との連立政権を維持するか、民主党を中心とする政権に交代するか、有権者による「政権選択」が最大の焦点となる。
  • 読売新聞:30日の投開票に向けて、政権選択を最大の焦点にした政治決戦が火ぶたを切る。
とあるように、世の中の大勢はすでに「政権選択選挙」と位置づける方向にあるようだ。

 さて、この連載のタイトルにもあるように、「マニフェスト論議は長期的視点で」というのが私の持論ではあるが、現実の選挙自体については、「政権選択」という形で展開されていくことのほうが望ましいという考えもないわけではない。仮に、世の中がきわめて平和で繁栄しており、それぞれの政党の政策が大差無かったとしても、長期政権よりは、政権選択の機会のあったほうが、政界を常に浄化し、既得権益の排除し、人脈の固定化を防ぐという点で、政治の活性化につながると考えるからである。

 民主党と共和党というアメリカの二大政党を見ても分かるように、それぞれの政党の中にはタカ派もいればハト派もいる。世界全体の流れの中で、各政党が主張する政策もすこしずつ変化しており、それは必ずしも「ブレ」とは言えない面もある。

 であるからして、(日本の)民主党も、この場に及んでは、大胆は政策はあまり強調しないほうがよい。「政策は自民党と似たり寄ったりだが、政権政党交代はぜひとも必要である」とアピールするだけでも十分に勝算があると思う。あるいは、参院で民主党が多数を占めていることをふまえて、民主党政権のほうが自民党政権よりも安定すると訴えるだけでも十分に説得効果があると思う。じっさいのところ、今度の選挙で自民党が2/3を上回ることはまずあり得ない。政権の安定を志向する有権者は、現時点ではもはや自民党ではなく民主党政権のほうを望んでいるのではないだろうか。

 もう1つ、世論調査では、自民・民主の大連立を望んでいる人も少なくないという結果が出ているようだが、私には、政権党としてしか存立しえない自民党の支持者たちが何とかして既得権益や政権党への人脈を守ろうとする悪あがきのようなものに思えてならない。今回の選挙で自民党が負けた場合は、少なくとも、小泉構造改革路線を推進しようとする勢力と、旧来の「保守本流」の勢力は袂を分かち、別々の政党として再出発をはかるべきであろう。




 ところで、今度の選挙は、天下分け目の関ヶ原の合戦に喩えられることがあるようだが、確かによく似ている面がある。但しそれは「政権選択」ではなく、選挙を前にして、複数の政治家が、「旗色を鮮明」にしたり、「寝返ったり」する動きを見せていることである。今後の動きに注目していきたいと思う。

 不定期ながら次回に続く。