じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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§§  こちらのの日記に記したように、岡山市・津島福居のごみステーションでは6月4日の収集日朝にカラス約80羽が来襲し、ゴミ袋が食い破られるなどの被害をもたらした。これらのカラスたちはその後、近隣の別のゴミ置き場にも移動して同じような被害があった。

 その後、一部の地域では、町内会から配布されたネットをかぶせるなどの対策をとった(写真上)。しかし、その次の収集日であった6月8日には、カラスたちはなぜか福居には集まってこなかった(写真中)。反面、収集日翌日の朝までには、またまた、収集日を無視した不法投棄が発生した(写真下)。



6月8日(月)

【思ったこと】
_80608(月)[心理]ゴミの不法投棄はなぜ起こるか(1)

 上の写真にも示されているように、岡山市・津島福居のゴミステーションでは、収集日を守らない、指定ごみ袋を使わない、分別ができていない、といった不法行為が後を絶たない。このほか、この近辺では、たばこ吸い殻のポイ捨て、ファーストフードの包装紙、空き缶などの投げ捨ても頻繁に起こっている。但し、早朝の散歩時などにごみ袋を携行して投げ捨てられたゴミを拾い集めているお年寄りもおられるので、道路上の投げ捨て行為はそれほど目立っていない。

 こうした不法投棄がなぜ起こるのかについては、少なくとも3つの視点からの分析が必要である。
  1. 不法投棄という行動は何によって強化されているのか
  2. 不法投棄をする人と、しない人がいるのはなぜか
  3. 不法投棄を無くすためにはどのような対策が有効か
 これら3者は密接に関連しているが、どれか1つに絞って検討を加えることもできる。例えば、街角のあちこちに監視員を配置して違反者から直ちに罰金を取り立てたり、ポイ捨ての瞬間をビデオに撮って告発した一般市民には報奨金が支払われるというような制度を作れば(←実際にそういう制度を実施している国・地域もあるらしい)、ポイ捨ては撲滅できるであろうが、その場合、1.や2.の分析は必ずしも必要ではない。もっとも、今述べた「対策」はコストがかかりすぎるし、何らかの事情で監視が行われなくなった瞬間に各地でポイ捨てが横行するという恐れがある。1.の分析をしっかり行えば、不法投棄という行動は、弱化という罰的手段以外の方法でも撲滅できるし、そのほうがコストがかからず、かつ、持続できるというメリットもある。また、2.は個体差の問題であるが、単に個体差の分類や類型化を目的とするのではなく、個体差をもたらしている強化因の違いに焦点を当てれば、より生産的な結論が導き出せる可能性がある。

 次回に続く。