じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



05月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
§§
 2009年版・岡山大学構内でお花見(42)クスノキの落花

 5月11日の日記にクスノキの花の写真を掲載したが、17日の雨で大部分が落花した。


5月17日(日)

【思ったこと】
_80517(日)[一般]新型インフルエンザは「うつらない、うつさない、なおる」の3点セットが大切

 各種報道によれば、国内で新型インフルエンザへの感染が確認された人は、5月18日午前01時16分現在で96人となった。感染者の数は加速度的に増えており、18日(月)のうちには3桁、いずれは数千人、数万人の規模に拡大することが危惧される。

 この問題についてはいくつか疑問に思うところがある。

 まず、あれほど検疫態勢に力を入れていたにもかかわらず、なぜ感染者が広がってしまったのかということ。その原因はおそらく、周りに海外渡航経験者が居ない限りは感染するはずがない、という楽観論があったためではないかと思われる。今回、神戸で国内感染が確認された経緯をみても、インフルエンザ様の高校生を診察をした神戸の医師が念のため新型かどうかの検査を依頼したことがきっかけとなった。もしそのような機転が無ければ、何千人、何万人もが知らないうちに感染していたということもあり得た。

 このWeb日記に何度か書いているように、しょせん、空港での水際作戦には限界がある。本人自身が自覚症状の無い発熱前の感染者や、例えばソウル経由というように直行便以外でノーチェックで入国してくる人も居る。かといって、すべての外国からの入国者に2週間停留してもらうというような措置は現実的ではない。




 第二の疑問は、なぜ、高校生の感染者数が多いのかという点である。

 5月18日の朝日新聞記事をもとに、0歳〜9歳、10歳〜18歳、19歳〜50歳、51歳以上のインフルエンザ患者数の比率を比較すると
  • 0歳〜9歳:季節型(A型) 24%、新型20%
  • 10歳〜18歳:季節型(A型) 21%、新型 40%
  • 19歳〜50歳:季節型(A型) 38%、新型 35%
  • 51歳以上:季節型(A型) 17%、新型 5%
となっていて、新型では10歳〜18歳の比率が相対的に多い。新型は米国疫病対策センター、季節性は日本臨床内科医会の資料を基にしているので、人種や文化的な差違が影響している可能性はあるが、現実に、日本でも10歳〜18歳の年齢層に含まれる高校生の感染が圧倒的に多い。

 この原因として考えられるのは、まず、51歳以上の人たちでは、過去に何らかのタイプのインフルエンザに罹ったことが免疫になっているのではないかということだ。実際、私が子どもの頃にも当時は「流感」と呼ばれたインフルエンザが流行し、当時はワクチンの接種など行われず、もっぱら自宅療養で回復を待っていた。この頃に形成された免疫力は相当に強固のものではないかと推測される。

 このほか、「高校生はスポーツなどで体をぶつけたり、同じボトルやコップで回しのみをする機会が多い」という説もあるというが、これはどうだろうか。むしろ、西洋にありがちな体を抱擁するような挨拶、あるいは、日本国内で日々繰り返される満員電車内での接触というように、文化や、通勤・通学の特殊事情のほうが反映しやすいように思える。

 もう1つ、10歳〜18歳の年齢層は健康管理や検査がきっちり行われているため、統計上、比率が高くなりやすいということも考えられる。高齢者や自営業者、主婦などは、自宅療養を続けている限りは患者数にはカウントされないからである。

 今回の兵庫・大阪の感染により日本国内の感染者数は、メキシコ、アメリカ、カナダ、スペインに次いで第四位となる見込みであるが、だからといって、日本が感染の起こりやすい危険な国というわけではない。高い水準にある日本であればこそ感染者数が正確に把握できているのであって、発展途上国では、ちょっと熱を出したくらいではカウントされれていない可能性がある。公表された数の10倍、100倍もの感染者が出ている国もあるのではないだろうか。




 さて、とにかく、新型インフルエンザの国内感染は、もはや防ぎきれない段階に至ってしまった。この場合、もちろん、「うつらない」、「うつさない」ための対策と、自己管理が大切であることは言うまでもないが、万が一「うつってしまった」場合に、ちゃんと「なおる」ことができるよう、日頃から健康管理・増進に努めることも同じくらいに重要である。

 政府、自治体は感染拡大防止のためには最大限の努力をするけれども、いったんインフルエンザにかかってしまった場合、最後に頼れるのは自分自身の治癒力、回復力なのであって、仮に重症化したからといって責任をとってくれるわけではない。5月3日の日記にも
一般論として、敵なるものを、排除や消滅という手段で防ぐことには限界がある。最も有効な方法は、敵なるものをいったん自陣に引き込んで弱体化させ、敵対が起こらない形で共存をはかっていくことが肝要である。
と書いたところであるが、とにかく、マスク、手洗い、防護服という形でウイルスの侵入を防ぐことには限界がある。自宅に引きこもって不摂生をするよりは、毎日、外に出て散歩をしたり、規則正し日課を守ったり、栄養のバランスに気を配るといった、ごくごく基本的な健康管理に力を入れることのほうが遙かに大切である。