じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 2009年版・岡山大学構内でお花見(35)ニワゼキショウ

 5月中旬から咲き始めると思っていたが、今年は例年より開花が早い。写真左は農学部の楷の木の根元に咲くピンク系のニワゼキショウ。写真左は本部棟近くの白花系。2色が混じって咲いている写真が2006年6月5日の日記にあり。このほか、殆ど白一色という第三のタイプの花が、2007年5月16日の日記にあり。



5月1日(金)

【ちょっと思ったこと】

豚インフルエンザから新型インフルエンザへ

 各種報道によれば、世界保健機関(WHO)は4月30日、新型インフルエンザの呼称について、食肉産業に及ぼす影響などに配慮し「豚インフルエンザ」から「インフルエンザA型(H1N1)」に変更することを明らかにしたという。

 私自身はこれまで、「豚から感染するのが豚インフルエンザ」、「人から人に感染するようになった時点で新型インフルエンザ」と呼ぶのではないかと思い込んでいたが、必ずしもそのような基準で区別されているものではなく、むしろ、情報を発信する機関の違いに依存しているということが分かった。

 5月1日の朝日新聞によれば、呼称は
  • 日本の厚生労働省:「新型インフルエンザ」
  • WHO【4月29日まで】:「豚インフルエンザ」
  • 国際獣疫事務局(OIE):「北米インフルエンザ」
というように異なっていた。WHOの方針変更により、少なくとも人レベルのインフルエンザに限っては「新型」という呼称が定着していくように思われる。もっとも、これから先、さらに別のタイプの「新型」が次々と発生すると、それ以前のタイプとの区別で混乱を生じる恐れがある。それほど遅くないうちに「インフルエンザAメキシコ型」というような呼び方に変えたほうがよいのではないかと思う。

 なお、英語では、元の「豚インフルエンザ」の「豚」は「pig」ではなく「swine」を使う。ランダムハウス英語辞典によれば「豚に真珠」は「Cast not pearls before swine.」というらしい。そう言えば、いつぞや「swine」を「swan」と聞き間違えたことがあった。

 インフルエンザのほうは英語では「flu」と呼ばれることが多いようだが、日本ではなぜか「フルー」とは言わず、むしろ「インフル」というように語頭の4文字で省略してしまう。ウィキペディアの当該項目によれば、「略称・流感(りゅうかん)ともいう。2008年頃からインフルという略称が主にテレビ・新聞などのメディアによって使用され始めた。」とある。確かに、私が子どもの頃は、もっぱら「流感」が使われていたように記憶している。




 今回の一連の騒動を機会に、ウィキペディアの当該項目やネット上の諸サイトから得た豆知識をメモしておくと、まず、「H1N1」とかいう時の「H」や「N」というのは、ウイルス粒子表面にあるヘマグルチニン(赤血球凝集素、HA:haemagglutinin)とノイラミニダーゼ(NA:neuraminidase)という糖蛋白の変異の型であるらしく、HAに16種類、NAに9種類の大きな変異が見つかっているとのことである。このほかに、遺伝子が比較的安定したB型、C型がある。

 インフルエンザと言えば発熱がすぐに頭に浮かぶが、他の、頭痛や筋肉痛や関節痛などを含め、これらの症状はウイルスの侵入に対抗するために体が反応した結果、自分自身で作った免疫物質のために起こるとのことだ。インフルエンザウイルスは他のウイルスや細菌と違って血液の中に入り込んで体の中で炎症を起こすことはない。免疫反応は体内に様々な物質を作るが、これらが加重すると脳に傷害を起こすことがある。脳の障害は発熱そのものによるものではないため、解熱剤を使用しても防ぐことはできず、むしろ免疫のバランスを崩して悪影響をもたらすこともあるらしい。

 巷ではマスクなどが大量に売られているようだが、あの程度で防げるものかどうかはよく分からない。

 テレビのワードショー番組で、専門家の先生が、A型インフルエンザでは「政権移譲」が起こるというような話をされていた。今回の新型に「政権移譲」が起こると、従来型のソ連型や香港型は流行しにくくなるというような話だったと思うが、どうしてそうなるのかは素人の私には理解できなかった。




 現在、空港などでは日本への侵入を防ぐための水際作戦が繰り広げられている。国境の往来が盛んなヨーロッパ各地に比べれば、日本国内はいくらか安全と言えるかもしれないが、いずれ防ぎ切れ無くなることは目に見えている。その時期を少しでも遅らせ、十分なワクチンの製造を何とかして間に合わせるという対処しかできないように思われる。