じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



12月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
§§ §§ 2008年版「さよならサンタ、さよなら雪だるま」

 25日のクリスマス当日の生協食堂前。この日は冬型が強まり、昼の12時台から15時台にかけて風速10m以上の強風が吹き荒れ、せっかくのイルミネーショングッズもみな横倒しになってしまった。なお右の写真は2006年12月28日の様子。この時も強風が吹き荒れていた。


12月25日(木)

【ちょっと思ったこと】

日本心理学会第72回大会の感想、今年も400字詰め原稿用紙で200枚に

 9月19日〜21日に開催された表記の学会の参加感想文を9月19日から12月12日まで、このWeb日記に連載していたが、その後、誤字訂正などをほどこし、このほどやっと、こちらのほうに、1つのファイルにまとめることができた。今回の連載回数は64回、本文の文字数は一太郎の文字数チェックでざっと数えたところでは、スペースを含まないで80395文字となっていた。400字詰め原稿用紙でおおむね200枚である。

 ちなみに、2007年11月29日の日記によれば、71回大会の時のスペースを含めない文字数は8万6773字であったということなので、昨年より若干少ない。連載回数のほうは昨年の60回よりも4回分多かった。

 この種の感想を書くことについてはいろいろご批判もあろうかと思うが、とにかく私個人にとっては、学会や各種セミナーに参加した以上は、その時の御講演・話題提供などから新しく得られた情報をきっちりメモし、またその時に浮かんだ考えを記録にとどめておくことがゼッタイに必要。これをしておかないと、数ヶ月も経つと、何を拝聴したのかをすっかり忘れてしまって、情報として活用することができない。そうなってしまったら、旅費をいただいた上に、貴重な時間をさいて学会に参加する意味は全くない。

 なお私はEメイル等による個人的な意見交換はお断りしている(こちらの理由参照)。不躾ながら、「ご意見や反論のある方は御自分のホームページにて公開のうえ、urlのみをお知らせください。こちらから反論の必要を認めた場合は、「日記本文」または「日記読み日記」にて取り上げさせていただきます。」とさせていただいているのでご了解いただきたい。もちろん、無視していただいて全くかまわない。しょせんここは私的なWeb日記であって、おおやけの論争の場ではない。

【思ったこと】
_81225(木)[心理]日本園芸療法学会第1回大会(11)中村桂子氏の基調講演(5)残されたいくつかの疑問

 中村氏の御講演はまことに貴重で興味深い内容であったが、私自身の理解不足のせいか、いくつか疑問が残ってしまった。その主たる内容は以下の通り。これらの疑問については、次の機会、あるいは、私自身の勉学を通じて解決していきたいと思っている。
  1. 「物語る」とか「語り合う」という表現がしばしば使われているが、これらはしょせん人間の言語行動に依拠したものではないだろうか。生物世界はもともと、人間とは独立に存在しており、果たして、言語行動ですべてを語れるのかどうか疑問である。
  2. 上記1.とも関連するが、ナラティブセラピーなどで言われている「物語」は、当事者の都合でいろいろな形に書き換えが可能である。もし、生命誌における「物語る」に、もしそのような書き換えの権利を与えてしまうと、それこそ、進化論否定、さらにはカルト宗教による一面的な「創世記」も否定できなくなってしまうのではないか。
  3. 上記1.とも関連するが、「物語る」は結局、人間本位、それも、ある時代のある文化に都合のよいような形で語られることにはならないだろうか。
  4. 生物は必ずしも手を取り合って進化してきたわけではない。共存や共生もあるが、基本的には生存競争のもとで、強い者、適応できた者、運の良かったものだけが生き残ったのではないか。それゆえ、生命誌という流れの中からは必ずしも「生命を大切にしよう」という帰結は出てこないのではないか。
  5. 上記5.とも関連するが、「地球に暮らす多様な生きものは皆、38億年前の細胞からゲノム(DNA)を受けつぐ仲間です。」であったとしても、だからといって、「生命みな、きょうだい」ということにはならないし、ご先祖さまに感謝しなければならないという結論は導けないのではないか。
  6. 人間あるいは地球上の生物がお互いに「関係」しあいながら生きてきたのは確かであるが、これは、基本的な個体維持のための生活レベル(衣食住の範囲)にとどまるのではないか。「関係しあう」ことが大切であるということは、個人の自由や価値観の多様性を許容することにつながるのだろうか。逆に、個人を協同体の部品のように捉えてしまうことにはならないだろうか。


 次回に続く。