じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 岡山大学構内の紅葉情報の第18回目(2007年11月29日)は、私のお気に入りのケヤキ3樹。上から順に、
  • 農学部農場(11月18日の楽天版日記にも同じ樹の写真あり)。
  • 旧・岡大事務局[旧日本軍第17師団(大正14年廃止)司令部・歩兵第33旅団司令部]前の、茶色のケヤキ(11月21日の日記にも同じ樹の写真あり)。
  • 文法経三学部西側駐車場の南側にあるケヤキ。いちばん下の写真は、その樹の根元から見上げた写真。幹に巻き付いた蔦の葉も黄葉している。



11月29日(木)

【ちょっと思ったこと】

ホームズ彗星、35回目

 11月29日(木)の夕食後、雲の合間から双眼鏡でかろうじてホームズ彗星らしきモヤモヤを眺めることができた。通算35回目。あとから、こちらの予測位置をチェックしてみたが、同じ位置であり、間違い無いことが確認できた。明るさは、アンドロメダ銀河と同じくらい。

 翌日30日(金)の早朝5時40分頃は、もう少しよく晴れていたが、双眼鏡を使っても、それらしきモヤモヤを探すことができなかった。月齢20の月明かりのせいもあるが、ペルセウス座が地平線に近く、透明度が悪くなっていることも一因であろう。1カ月以上にわたり、希有な耀きをみせてくれたホームズ彗星ではあったが、そろそろ観測の限界に近づいてきたようだ。

【思ったこと】
_71129(木)[心理]日本心理学会第71回大会(番外編)日本心理学会の参加感想文、連載60回、400字詰め215枚をもってやっと終了

 9月18日以来、日本心理学会第71回大会の参加感想文を書き続けてきたが、昨日をもって、やっと、参加したすべてのシンポについての感想・メモを書き終えた。それらを、(「次回に続く」といった一部冗長な記述をカットし)1つのファイルにまとめ、、公式サイトのほうにも掲載したので、必要があれば、今後はそちらのほうにリンクしていただきたい。

 種々の学会年次大会やシンポジウムに参加した時は、その内容のメモ(備忘録)、感想、自分の意見などをこのWeb日記にまとめるように心掛けてきたが、日にちが経てば経つほど記憶はうすれていき、その時に何を考えたのか思い出せなくなる。そんなこともあって、これまで、原則として、1週間以内、遅くても2週間以内には感想を書き終えるようにしてきたのだが、今回は異例中の異例であった。

 なぜ、2カ月以上にもわたり、また60回もの連載を続けたのか。10月29日の日記に記した通り、この理由としては、
  1. この大会には3日間とも、朝から夕刻までフルに参加したため、感想が盛りだくさんとなった。
  2. 同時期に他の学会等が無かった(もしくは、今年は参加しなかった)。
  3. 9月中旬以降非常に忙しく、他の話題について取り上げる時間的余裕が無かった。
  4. 後期は1時限目の授業が週2日あり、当日朝に準備が必要であるため、朝の日記執筆時間が少なくなり、その分、こまぎれの連載となって連載回数が増えた。
といった4点を挙げることができる。




 これだけ長期間執筆していると、塵も積もれば山となるとの格言通り、Web日記1日あたりの文字数はわずかでも、累積すると相当のボリュームになるようである。試しに、こちらの画面(この11月29日付けは除く)の文字を「編集→すべて選択→コピー」という操作で別のワープロソフトの新規画面に貼り付け、上部の目次部分や、途中の「----------」といった区切り文字を除去してから、文字数をカウントしてみたところ、
  • スペースを含めない文字数 8万6773字
  • スペースを含めた文字数 8万7556文字
などとなっていることが分かった。少なめに見積もって8万6000字と考えると400字詰め原稿用紙で215枚の分量になる。1つの心理学会の参加感想文をこんなにたくさん書いたヤツは、他にはおるまいなあ。ポジティブに評価されれば、ギネスブック登録かイグノーベル賞 (Ig Nobel Prize←これがポジティブな評価かどうかはワカランが)、ネガティブに評価されるとしたら、おそらく「長谷川というのは、自分ではちっとも研究発表しないくせに、いろんなシンポに顔を出して必ず質問をし感想文ばかり書いている奇人だ」ということになるかと思う。

 このほか、連載回数が膨大になったせいだろうか、Googleで日本心理学会第71回大会というキーワードで検索すると、なっなんと、3番目に「じぶん更新日記」がランクされているではないか(2007年11月30日現在)。何も知らずに検索した方は、これって何?と驚かれることだろう。

 念のため、再度言い訳をしておくが、この期間、私は学会参加の感想文を書くことに没頭していたわけではない。9月中旬以降11月末までの時点で、少なくとも2編の論文(1つは学会誌、もう1つは紀要)を投稿したし、某申請書提出、学内の個人評価報告書作成、県内の高校への出前授業、その他非公開の重要任務を複数遂行した。上記の「理由」3番目にも記したように、こうした多忙な時期で、他のことを考える余裕が無かったというのが、連載が長期化したことの一番の理由であるとも言える。




 学会年次大会にどのような形で参加するのかについては、研究者それぞれのお考えがあり、ここで何かを押しつけるつもりは毛頭ない。

 私自身もそうだったが、大学院生や若手のうちはとにかく、学会と言えば、自身の研究をアピールする場であり、講演やシンポを拝聴するのは二の次であった。しかし、発表の準備というのはけっこう手間がかかるものである。私が大学院生の頃は、インスタント・レタリングや専用ペンを使ってケント紙に作図、これを接写した上で現像し、ブルーフィルム(青色の地に白抜きの字が並んだ現像したスライド)を作成するという準備に追われた。最近はパワーポイントファイル作成や、ポスター発表用の印刷に手間がかかるようになったが、いずれの場合も、発表日前夜に徹夜したりして、他者の発表や講演を拝聴するヒマなど無いということがしばしばである。

 しかし、参加者がみな自分の発表だけにエネルギーを投入しているだけでは、何のために生身の人間たちが集まる大会なのか分からなくなる。科研費などの支援を受けた研究者にとっては、研究成果公表のアリバイにはなるかもしれないが、単にポスターを貼って会場で知り合い研究者と挨拶程度の情報交換をしただけで、果たして研究成果の公表と言えるのかどうか、はなはだ疑問である。

 このWeb日記に何度か書いたことがあるが、私個人としては、学会年次大会会場でのポスター発表などはすべて廃止し、代わりに学会公式サイト上でPDFファイルファイルを公開、かつ、他の学会員がコメントや質問を書き込めるような専用掲示板(BBS)を発表ごとに個別に設置すればそれでよいと思う。大会会場のほうでは、ネット上では十分に伝わらなかった部分だけを、大会当日の懇親会や情報交換会の席上で交流すれば十分であるはずだ。

 でもって、年次大会の主要なイベントはあくまで、講演やシンポ、パネルディスカッション、ワークショップに限定する。また、その際には、単に会場に足を運びましたというだけではなく、後日、参加者からの疑問、意見、感想を集約、公開し、登壇者がそれに応えられるような場を公式サイト上の設ける。このようにしてこそ、本当の意味での研究成果の公表や、他者との情報交流が確保できるはずである。ま、参加者みんなが原稿用紙215枚もの感想文を書いていたのでは、読み終える前に翌年の大会が始まってしまうかもしれないが...。




 なお、今回の大会会場の出口には、次回大会の案内板が設置されていた。それによれば、この日本心理学会の来年度の年次大会(第72回大会)は、2008年9月19日から21日まで北海道大学で開催されるとのことだ。