じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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[今日の写真] 花桃がやっと開花した。定点観測によれば、2004年には3月8日に開花という記録がある(この年は3月22日にソメイヨシノが開花している)。今年(3月23日開花)はもっとも遅い記録だ。


3月23日(木)

【ちょっと思ったこと】

電子ジャーナルはやっぱり便利

 年度末の各種校務も一段落し、旅行出発までの期間、研究活動に精進する日々が続いている。午前中はもっぱら英文の雑誌論文を読んでいるのだが、図書館経由でオンラインで閲覧できる電子ジャーナルはやっぱり便利だ。2003年9月17日の日記に書いたように、電子ジャーナルは一部私企業によって独占的に提供されており、それを講読するために数億単位の税金・授業料が充てられているという重大な問題があるが、利用する側としてはこれほど便利なことはない。しかし少なくとも私の場合、読みたい学術雑誌はほぼ限定されており、あそこまで金をかけなくてもいいと思っている。もっと自由に閲覧できるシステムがあれば学術交流も促進されるし、私企業に支払っている多大な代金を、教育・研究活動の向上に振り向けることができるはずだ。




公的な心理療法は節度を守るべし

 3/24付け朝日新聞記事によれば、神経症の相談に訪れた女性に心理療法名目でわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪に問われていた某国立大学教育学部教授に対する判決公判が23日に行われ、懲役2年の実刑判決が言い渡されたという。被告側は同日、控訴した。

 記事で伝えられた限りの情報では、この教授は人間行動学(←what?)などが専門で、疑似親子になって食事を与えたり一緒に風呂に入ったりする「育てなおし」療法がテレビなどで話題になったというが、詳しいことは全く分からない。但し、一般論として、大学のような公的な研究教育機関で研究される心理療法は社会通念上許容される範囲の節度を守るべきであり、いくら劇的な効果があったとしても越えてはならない一線というのがあるように私は思う。

 またこれは各種学会発表についても言えることであって、発表が認められる研究というのは当然、倫理的な制約を受けるし、また発表にあたっては個人情報保護につとめる責務がある。

 1999年6月16日の日記に書いたことがあるが、例えば、ホストクラブのような場が若い女性にとっての癒しの場になっている可能性はある(←但しそれが、刹那的な癒しなのか、生きる方向を前向きに転換させる力になっているのかは分からない)。このほか、お酒を飲みながらカウンセリングを行うとか、一夫多妻型のホームで人生の立て直しをはかるということも、頭ごなしに否定することはできない。しかし、いくら有効性を最大限に追究するといっても、公的な研究として許されることと許されないことの分別をわきまえることは必要。またそういう「療法」は、再現性が保証されないから、学術研究の俎上には載らない。けっきょく反社会的にならない範囲で、同好者が体験談を交換するくらいのことしかできないのではないかと思う。

 そういう実践者に聞き取り調査を行いその結果を質的研究としてまとめることは可能だと思うが(例えば、ホストクラブに出入りする女性を対象に面接調査を行う)、そこでいくら有効性が確認されたからといって、研究室をホストクラブにして実験研究を行えばいずれ訴えられるだろう。