じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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[今日の写真] 厳冬の中、今年もまたエリカが花をつけ始めた。2004年1月26日の日記2005年1月11日の日記に関連記事あり。



1月23日(月)

【思ったこと】
_60123(月)[一般]もうひとつの冬のソナタ チュンサンとユジンのそれから

 ネットを検索中、全く偶然にもうひとつの冬のソナタ チュンサンとユジンのそれからという本が出版されていることを知り、殆ど反射的に注文ボタンを押してしまった。




 テレビドラマ「冬のソナタ」はこちらの解説にあるように、日本ではまず2003年にNHKBS2、さらに2004年4月〜8月にはNHK総合でも放送。2004年12月20〜30日までNHKBS2で未公開シーンも含まれた完全版が日本語字幕版として放送され、「ヨン様」ブームや、ロケ地ツアーなど一大社会現象を引き起こした。

 もっとも、もともとドラマを見る習慣を持たず、また、人気があるものをわざと避けるへそ曲がりの私は、ブームの当時は全く関心が無く、昨年2月13日になってやっと第一話を見たほどであった。その後、妻が持っていた録画ビデオをDVDにダビングしようとしたところから、確認のために見始めたところ、すっかりハマってしまい、大げさに言えば、

●どんなにツマラナイ人生を送ったとしても、このドラマを観られただけで生きていてよかった

と感じるほど熱烈なファンになり、今の人生で一番大切なことはこのドラマの続きを観ることだ、という日々が続き、夜遅くまで見つづけたことによる睡眠不足、そして、番組の中で流されたいくつかのメロディが一日中頭の中を駆けめぐるほどの、完全な「冬ソナ病」に罹ってしまったほどであった。それと同時に、結婚観も大きく変わり、自分の妻に対してもいくらか丁寧に接するようになってきた。




 さて、すぐれたドラマ、映画、文学作品というのはどれもみな、ストーリーの途中に伏線が巧みに張られている。観客(読者)は、それを拠り所にして、先の展開を能動的に予想する。その予想が100%当たるような作品では物足りなく、また、全く予想はずれな展開となる作品は観客(読者)をガッカリさせてしまう。ある時には観客(読者)が期待した通りの感動場面を実現させ、時には全く予想もつかないような展開になることで観客(読者)を驚かせるような作品こそ、最高の傑作であると言ってよいだろう。

以下は、作品の内容にふれています。まだドラマをご覧になっていない方は、絶対に読まないでください。














 このドラマを見始めてから、私は、そこで提示された伏線から、このストーリーがどういう結末になるのか、また、いくつかの謎がどのように合理的に説明され、整合の取れた形に収束していくのかについて、毎回予想を立てていた。

 ユジンとチュンサンはじつは異母兄弟であったという展開には、かなり早い回から気づいており、また、それにも関わらず観客に最高の感動を与えるためには、どこかで「異母兄弟ではなかった」というどんでん返し(但し、この可能性は、チュンサンがキム・ジヌ【サンヒョクの父】に最初に出会った時にすでに伏線が張られていたのだが)が絶対に必要だと思っていた。

 そういう意味では、このドラマの結末はほぼ期待通りであったのだが、私にはどうしても、最終回の後半部分の展開が納得できなかった。あれでは、主たる登場人物は誰一人ハッピーになっていない。
  • 単に飛行機の離陸に間に合わなかった程度で諦めたことや
  • 手術の看病のためにチュンサンの後を追ってユジンがニューヨークに渡らなかったこと
  • そしてなぜ3年間の空白を置いたのか
がどうしてもしっくりこない。ああいうラストシーンを迎えても純粋に感動できる人はいるのだろうか。この部分ははなはな不完全燃焼であった。

 そこで私は無理やり、ラストシーン直前までの最後の数十分(第19話途中から)を削除し、自分なりのシナリオを挿入した。原作者の意図に反してストーリーを作り替えることは本意ではないが、そうでもしなければこれから先ずっと、心の平穏が保てなかったのである。




 しかし、最初にリンクした本についていくつかの案内文を読んでみると、どうもあのテレビドラマは、20回ではなく26回完結を想定して作られ、何らかの事情で打ち切られてしまった可能性があるようだ。しかも、私が見たビデオではいくつかのシーンがカットされているらしい。注文した本を読み、また未公開映像の部分を観ることができれば、私が止むにやまれず作り替えたシナリオに頼らなくても、納得できる結末に至ることができるかもしれないと期待している。

1/24追記]
冬ソナの最終回はアレでよかったのか、についてこちらに詳しい考察がありました。