じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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[今日の写真] 北九州から岡山に戻る際、北九州・都市高速の大里(だいり)IC〜春日IC間が雪のため通行止になってしまった。一般道に追い出されてしまったついでに、門司港レトロに立ち寄って昼食。妻の顔は肖像権保護のためモザイク。新年早々、義経になって気分よし。妻は、実生活では弁慶にはならんだろうなあ。
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1月5日(水)

【ちょっと思ったこと】

正月明けの寂しさ

 昨日の日記で、帰省中、夜遅くまでテレビがやかましくて睡眠不足気味になったと書いたが、岡山に戻って静かな夜を過ごしてみると、ああいう賑やかな雰囲気も年に一度くらいはいいかなあ、と一抹の寂しさを感じるようになった。

 どこでも似たり寄ったりだと思うが、帰省先の家ではふだんは両親、あるいは祖父母だけがひっそりと暮らしている。そこに、子供たちや孫たちが大挙しておしかけてくる。そうして正月が終わると、みなそれぞれの家に戻り、嵐が去ったあとような静けさが戻る。孫が置き忘れたオモチャが、その時の賑やかさを思い出させてくれるのみとなる。ふだん独り暮らしをしている若者も、帰省先からアパートに戻った時に、これとは違った寂しさを感じるに違いない。そういう意味では、私たちが戻ったところは、まだまだ賑やかさが残っているほうだと思う。

【思ったこと】
_60105(木)[心理]血液型偏見差別助長の次は県民性ステレオタイプの旗振りか

 夕食後、某家族が、TBS系「決定全国47都道府県超ランキングバトル!!出身県で性格診断!?ニッポン県民性発表SP」という番組を面白そうに視ていた。

 ごく一部しか視ていないし録画もしていないので番組全体を評価することはできないが、紹介サイトには
プロデュ‐サーからのひとこと
「何で私はこんな性格なの?」こんな疑問に「県民性」がお答えします。
「何であの人はこんな行動をとるの?」こんな疑問にも「県民性」がお答えします。
日本全国の誰もが参加できる「県民性」で性格診断、相性診断!家族全員で楽しめます!
と書かれてあり、また、県民性アンケートとはというところには

出身県によって性格が違う!? 
ってことは、カレとの相性だって出身県でわかっちゃうの…!?
日本全国の県民性を探る壮大な企画が、今、TBSテレビで進行しています!
とある。うーむ、どうかなあ。これって、一昨年にさんざん批判を浴びた血液型偏見差別番組と同じ発想じゃないか。要するに、血液型別にランキングをつけて娯楽番組化したことを、県民別に焼き直ししただけじゃないかなあ。




 もちろん、それぞれの県には独自の風土があり、そこで生まれ育つことで何らかの影響を受ける。関東と関西の気質の違いも、全体の平均値で見れば有意差が出るだろう。この季節、雪国に住む人たちはジョギングを楽しむことができないし、雪下ろし、雪かきで多大な時間をとられる。一日の生活スタイルが異なれば当然、行動パターンも変わってくる。食べ物に関しても、雑煮の中味の違いもあれば、うどん、そば、ラーメンの好みの違い、日本酒と焼酎の好みの違いなどもある。それぞれの地域の伝統や文化について語ることは決して、県民性ステレオタイプとは言えない。

 しかし、だからと言って、特定の県で生まれ育ったことで、性格や相性が決まるわけではない。「1万人」アンケートで「A県とB県では、A県のほうが統計的に有意に○○という傾向が高い」という結果が出たからといって、A県で生まれ育った一個人に「○○という傾向がある」という予測の精度が直ちに増すわけではない。

 百歩譲って、ある種の行動傾向の予測ツールとして「県民性」が有用であると証拠づけられたとしても、偏見差別を助長するようなものであれば、純粋に学術レベルの研究にとどめるべきである。

 血液型偏見差別番組批判でもさんざん述べたように、長所となる特徴のみをアピールしたからといって、差別を回避したことにはならない。例えば、「A県出身者は几帳面な人が多い」と主張することは、結果的に「A県出身者以外は几帳面な人が少ない」というネガティブなラベルづけをおこなうことになる。

 いずれにせよ、懲りもせずに、相性診断を宣伝文句に使うところをみると、こういう番組の企画に加わった人たちは、おそらく、一昨年の血液型偏見差別番組が批判されたことについて何も反省していないのだろう。視聴率が上がれば、きっと同じネタを繰り返すだろう。雑学・国語力クイズ番組の乱立にも飽き飽きだが、2006年が県民性ステレオタイプ助長番組オンパレードの年とならないことを祈りたい。