じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] [今日の写真] [今日の写真] チリ・ボリビア国境からウユニ湖に向かう途中、いくつかの場所で、奇岩を見物することができた。いずれも、砂嵐などで火山岩のもろい部分が削られて奇妙な形になったもののようだ。

 写真左の2枚は、国境からコロラダ湖の途中で見た「ダリの岩」と呼ばれている奇岩群。特定の1つの岩ではなく、このあたり一帯の雰囲気から「ダリ」の名が冠せられたようだ。
 写真右は、コロラダ湖からサンファンに向かう途中で見た、Arbol de Piedra (石の木)と呼ばれているもの。ネットで検索すると、同じ場所で撮影した写真が多数ヒットするが、こんなに雪深い風景は他サイトには無さそう。それぞれ(例えばこちらの写真や、こちらの写真)を比較すると、「石の木」の根っこのあたりに転がっている岩の数や配置が微妙に異なっていることに気づく。まさか風で吹き飛ぶことはあるまい。誰かが持ち帰ることで数が減ったり、石の木の一部が崩れ落ちて数が増えたりしているのだろうか。謎である。
なお、大サイズの写真は、サーバー容量の関係で1日限りの公開とさせていただきます。


9月9日(木)

【思ったこと】
_40909(木)[教育](小説)国立大学法人化「こんなはずでは!!」

 国立大学法人化移行からまもなく半年が経過する。私個人は法人化には原則賛成の立場を貫いてきた。実際、法人化で改善された点は多い。しかしその反面、形式だけを変えようとしたための矛盾や、本来の趣旨にそぐわない事勿れ主義的対応など、スタート時にあたって混乱が生じていることも事実である。

 なお、以下に述べることは、ウワサや想像に基づいて創作した小説であって、事実かどうかは保証できない。問題点を未然に防止しようという意図で、「こういうことも起こりうる」という可能性点を思いつくままに挙げているにすぎないことにご留意いただきた。また、その一部が事実であったとしても、当方ではいかなる責任もとれない。
  • 学生・院生は図書館の書庫には入れない?

     労働安全衛生法の適用により教員研究室内の安全管理(本棚や収納庫の上に物を積まないなど)が求められていることについては以前にも述べたことがあるが、図書館の書庫も例外ではなくなった。

     確かに、書庫などというのは、足元から天井まで本がいっぱい詰まっていて、地震や火事に対してはきわめて脆弱であることは明らかである。そんな場所に、学生や院生を出入りさせるわけにはいかないので今後は一切締め出し。必要な書籍は、窓口で申請の上、翌日以降に貸し出しというのが無難な措置となる。

     とはいえ、文献主体の分野では、このことによるダメージはきわめて大きい。過去何十年、何の問題もなく便宜をはかってきたのに、突然締め出しとは....。

  • 休学者も授業料半額徴収?

     一部の私立大ではすでに、休学期間にも半額程度の授業料を徴収しているとか。確かに、休学期間中であっても学務管理上の経費がかかることは確かだが、半額はちょっと高すぎるかも。病気や事故といった真にやむを得ない事情で休学する人にとっては、治療費・入院費も相当の負担になるだろう。ま、こういう脅かしがあれば、モラトリアム的な休学は困難になり4年間できっちり卒業する学生が増える、というメリットもあるかもしれないが。

  • 助教授は当分の間、昇任できない?

     経営安定のために、人件費抑制は避けがたい現実となっている。文科省によるポスト管理の縛りが無くなったとはいえ、助教授を教授に昇任させれば支給額はその分増えることになる。

     昇任の可能性を絶たれた助教授層が、研究業績を重ねて他大学へ転出ということになれば、経営的には安定する。反面、若手の優秀な頭脳の流出は避けがたく、研究の質の低下を招く恐れもある。

  • 電子ジャーナルに3億円?

     7月21日の日記で、「大学法人の財政を硬直化させ、教育環境を悪化させるかもしれない電子ジャーナル契約」という深刻な話題をとりあげたが、ウワサによれば、その金銭的負担は、一大学で3億円以上にのぼるという。これは、文科省からの別枠交付(つまり、国民の血税)と、学生の授業料収入によってまかなわれることになるわけだが、こんなに多額の負担を半永久的に背負い続けてよいのだろうか。

     岡山大学には現在1万人余りの学生が居るが、もし3億円を、これら学生の教育改善のために使ったとすると一人当たり3万円の恩恵を受けることができる。負担者である学生やその父兄が、電子ジャーナル契約中止を求めてきた時、それに応えるだけの合理的根拠があるのかどうかは疑問だ。

     くれぐれも念を押しておくが、私は、電子ジャーナルという媒体そのものには大いに賛成である。問題にしなければならないのは、契約の在り方だ。競争原理も何も無い現状で、外国企業の言いなりになって膨大な金銭的負担を強いられるのは、もはや、亡国主義と言わざるを得ない。
 というように、法人化後には、「こんなはずでは!!」という現象が起こっているかもしれない(←あくまで、小説であることをお忘れなく!)。

 なお、学生・院生にとって、少なくとも1つ、法人化で恩恵を受けた点がある。それは、卒論と修論の提出締切が15分間延長されたことだ。従来、どちらの締切も17時までとなっており1秒たりとも遅刻は認められなかったのだが、今年度から、それが17時15分締切となった。理由は、どうやら、事務職員の勤務時間帯変更に伴うものらしい。ということで、これまで、交通渋滞による遅刻や、プリンタのトラブルで提出できずに卒業・修了を断念せざるをえなかった学生・院生は、今後は15分だけ得をすることになる。ま、大多数にとっては、殆ど無意味な延長にすぎないとは思うけれど。