じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 岡大・農場のヒマワリ。写真上は6月19日に一番花が咲いた時の様子。写真下は7月7日朝撮影。「春が早ければ、秋の訪れも早い」というような名言があったように記憶しているが、一番先に咲いた花は、ただ一本、早くも種をつけて茶色くなっているようすが分かる。



7月6日(火)

【ちょっと思ったこと】

「カスペ!」の良かったところ

 夕食時、カスペ!・いざ出発!!めざましテレビ大冒険まだまだ世界には夢と不思議があふれてる!」という番組をやっていた。“「めざましテレビ」という朝番組からの新企画として世界に転がっている素朴な疑問を調査する”という2時間番組。

 私が視たのは一部にすぎないが、その中では
  • 韓国でいちばんよく使われる日本語は何か。
  • 阿藤快がベトナム、フィリピン、タイを旅行して一番「むせる」料理を探す。
  • 子供と離れて暮らしているインド人の母親たちにカレーを作ってもらい、息子たちが母の味を当てることができるかどうか実験。
  • 友達ネット14人(南アフリカを含む)を辿って笑福亭鶴瓶の親友につなぐ。
というような内容が含まれていた。

 これを視て私が「これは素晴らしい」と感じたのは、「アジア、アフリカばかりを取り上げていた」ということである。取材コスト削減のため近隣地域に限定したのか、たまたまアジア地域に不思議が多かったのかはわからないが、とにかく、欧米偏重の海外情報が氾濫するなかで、韓国、東南アジア、インドの人々とのふれあいを重視した情報を取り上げることは大いに評価できる。今後もこういう地域の生活を取り上げて欲しいと思う。

【思ったこと】
_40706(火)[心理]「活きる」ための心理学(5)投影法性格検査の問題点

 自治体主催の生涯学習講座(4回シリーズ)の出講2回目(7月3日実施)のメモの続き。

 質問紙法性格検査のしくみと、「当たっている」とおもわれるわけについて説明したあと、投影法検査として、ロールシャッハ、PFスタディ、TAT、バウムテストなどの概要を紹介した。投影法検査は、回答の際に自分を飾るとかウソをつくことが起こりにくく「個人の潜在的なパーソナリティを引き出すことができる」などの長所があると言われている。

 しかし、その一方で、あてにならないとの批判もある。今回の講座では、

●『あてにならないロールシャッハテスト』(日経サイエンス 2001年8月号、原著者 Scott O .Lilienfeld/James M. Wood / Howard N. Garb。原題 What‘s Wrong with This Picture? 、SCIENTIFIC AMERICAN May 2001)

を引用しながら、投影法検査には
  • 「6人に1人が精神分裂病(←2001年当時の呼称)」:1999年、カリフォルニアで献血に協力した123名の成人を対象にロールシャッハテストを実施し、その結果をある種の方法で得点化したところ、1/6の人の反応が精神分裂病(←当時の呼称)と評価される数値を示した。
  • TAT(主題統覚検査)を直観的に解釈する臨床家は、心理的な異常を過大に診断する傾向があるというエビデンスも出ている
  • バウムテストなどの描画テストの主観的解釈
といった問題点があることを紹介した。なお、これに関連する内容は6月15日の日記に記されている。

 6月15日の日記でも述べたように、投影法テストは、何かを客観的に測るツールというより、クライエントとのコミュニケーションツールとして有用であろう、というのが私の考えだ。もちろん、明らかに異常がある場合は、これらのテストで特徴的な結果が出るに違いない。しかしたいがいの場合は、むしろ、面談時のコミュニケーション手段として有用であるにすぎない。

 占いでは、水晶玉、虫眼鏡、カードなどを使って来談者とコミュニケーションをはかられる。しかし熟練した占い師は、占いの「客観的結果」ではなく、来談者の態度や発話の内容を長年の経験に基づいて的確に読み取り、よりよきアドバイスをするのである。心理カウンセラーが種々の投影法検査を使う場合も、基本的にはそれと大差ない。結局はカウンセラー自身の熟練度、経験度に委ねられる部分が多いのではないかと思っている。

 次回に続く。