じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 19日の日記で、庭先でジーッと鳴く虫のことを書いたが、その正体を撮影することに成功した。やはりクビキリギス(褐色型)だったようだ。


4月22日(木)


【ちょっと思ったこと】

各地で真夏日

 23日は、舞鶴市で32.6度、豊岡市で32.2度、岡山県久世町で32.4度など、各地で30度を超える真夏日となった。4月として観測史上最高記録を更新した所もあったという。岡山市内は真夏日には達しなかったものの29.6度まで上がり、窓を開けても室内の熱気を冷ますことができなかった。

 大学周辺の花壇や空き地では、早くも矢車草やムシトリナデシコ(コマチソウ)の花が咲き始めた。例年よりかなり早いように思う。

【思ったこと】
_40422(木)[一般]ソメイヨシノの高齢化と日本文化

 4/22のNHKクローズアップ現代は「ソメイヨシノを救え」というショッキングな話題だった。ソメイヨシノはオオシマザクラとエドヒガンザクラとの交配種であると言われる、「クローン」植物であるがゆえに病気に弱く、また種から増やされたものでないために全国的に高齢化が進み、桜の名所の1つである千光寺公園(尾道市)では老木が撤去されているという。その一方、遺伝子的にはまだまだ老衰レベルには達しておらず、ちゃんと剪定すれば十分に花を咲かせる力があることも分かった。そしてその世話には、青森県のリンゴ栽培の剪定技術が活かされているという。

 桜の花というと日本では古来から親しまれ、お花見の習慣が続いていたように思われるが、ソメイヨシノ自体が普及したのは江戸末期から明治期以降、また多くは昭和天皇即位の時や、戦後すぐ復興のシンボルとして植樹されたものであるという。とすると、ソメイヨシノの下でお花見を楽しむという習慣は、クリスマスパーティやサンタクロースと同様、それほど古くからのものでないことが分かる。

 私個人は、ソメイヨシノはそれほど美しい花だとは思わない。花桃の派手さにはかなわないし、八重桜のような豪華絢爛さもない。にも関わらず、大勢の人たちが花見に出かけるのは、開花時期が年度の変わり目にマッチしているためではないかと思う。地域差はあるが、大都市周辺ではおおむね3月下旬から4月上旬に満開となるため、卒業や入学のイメージと重なりやすい。八重桜が咲く頃はすでに授業が始まっており、遅すぎるのである。短期間で一斉に散ってしまうのも、けじめがあってよい。とはいえ、いくら手入れをしても、50年後には殆どが姿を消すだろう。バイオ技術で似たような品種を作ることはできるだろうけれど。

 余談だが、ネットで検索したところ「ソメイヨシノの原産地は韓国」 という妙な記事がヒットした。「日本にはソメイヨシノの自生地がない一方、漢拏山には自生地があるため、ソメイヨシノの原産地は漢拏山」というような説が紹介されているが、上記のような交配種である以上、自生はありえない。また自生であるならば、実生でも増やせるはずだ。もっとも、この記事の上部には訳注として
日韓併合時、日本人が韓国に桜の木(ソメイヨシノ)を植え、韓国に花見の習慣が伝わりました。しかし、日本からの独立後、桜は日本を象徴する「悪い花」だということで伐採されました。そこで花見をしたい人々が伐採を阻止するために持ち出したのが「桜の起源は済州島」という説です
と記されていた。そうか、花見を楽しむにもこんな配慮をしなければならないのかと、考えさせられてしまった。