じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] オシロイバナ。夕方から咲き始め、日が昇る前に萎んでしまうため、自然光ではなかなか撮影できない。同じ株から異なる色の花が咲くところに趣がある。


7月19日(土)

【ちょっと思ったこと】


増えた、減った、の見極め

 7月20日朝5時台のNHKニュースで、内閣府が行った飲酒運転についての意識調査の結果が紹介されていた。それによれば、「飲酒運転は絶対にいけない」と思っている人は99%、「飲んでもかまわない」という人は1%であった[長谷川の記憶によるため、回答選択肢の正確な表現は不確か]。ニュースでは、「飲んでも構わない」と思う人が昨年の2%から1%に減少したことを強調していたが、これって意味のある変化なのだろうか。どっちにしても、「飲酒運転は絶対にいけない」という言語的な回答と、飲酒運転は絶対にしないという行動レベルでの保証は必ずしも一致しない。これは「ボランティア活動はよいことだ」と答えた人すべてがボランティア活動に参加しているわけでないことと同様。

 もう1つ、7月20日の朝日新聞岡山版に、2002年県内の観光客が5年ぶりに増加したという記事があった。しかし、前年(2001年)に比べた増加数は13万人、0.5%にすぎない[観光客総数は2560万人]。

 観光客数の調査のほうは標本調査ではなく全数調査なので1人でも増えれば「増加」であると言っても間違いにはならない。もっとも、1人1人の観光客を数え上げることは現実には不可能だ。推定の誤差の幅を考えれば、0.5%程度では増えたとは言い難いように思う。

 そもそも、観光客数の調査の場合は、県全体で足し合わせてもあまり意味がない。それぞれの観光地の増減はどうであったか、連休や天候の影響はどうであったか、県内と県外の比率はどうであったかなどを細かに分析しなければ改善にはつながらない。そんななか、比較的増加が顕著であったのは、湯原温泉(+7.0%)、玉野・渋川(+4.5%)、倉敷美観地区(+4.2%)。いっぽう、大幅に減少したのは倉敷チボリ公園のマイナス18.3%(マイナス約26万人)であったという。ということは、チボリの特殊要因を除けば、県全体では39万人の増加となる。「全体で0.5%増加」ではなく、「チボリを除けば1.5%の増加」と書いたほうが説得力があったのではないかと思う。

 それにしても、観光客数というのはどうやって数えるのだろう。チボリ公園のように入場者をカウントできる施設ならば問題ないが、美観地区となるとかなり不確か。おそらく、鉄道やバスの利用者、高速インターでの車の台数、駐車場利用台数、土産物店の売り上げ、などから推測しているのであろうが、自分自身が数えられているのかどうか、同じ日に二重にカウントされることはないのか、疑問を持たざるを得ないところがある。





20時台にも面白い番組があった

 昨日の日記で「20時台のテレビがつまらない」と書いたが、19日19時から20時50分頃まで放送されていた西日本テレビ「スーパースペシャル’03 紳助の謎解き新企画2:実在したミステリー・・・貴方はこのトリックを暴けるか?」というのはなかなか面白く、けっきょく最後まで視てしまった。

 怪奇現象や不思議現象を紹介するだけの番組ならいくらでもあるが、このスペシャルでは、まず、ミステリーを紹介したあと、視聴者と出演タレントたちにヒントが与えられる点に大きな特徴があった。これによって、ヒントに矛盾しない形で自分なりの推理を作り上げていくという、推理小説並みの謎解きを楽しむことができる。そうすると正解を視なくては気が済まなくなるので、最後まで視てしまうというわけだ。

 もっとも、「水面を激走する赤ちゃんの正体は?」、「四国八十八カ所巡礼中に道に迷った女性が聞いた亡父の太鼓」「家の壁から飛び出して、寝ていた主人に襲いかかる巨大魚」などは、どう考えても実話とは思えない。以下、ネタバレ注意




ネタバレ注意!




  • 「水面を激走する赤ちゃんの正体は?」
    →正体はトカゲの一種ということで、これは以前にも動物番組で紹介されたことがあった。しかし、宿泊したホテルの池の周りに生息しているとはちょっと考えにくい。駐車場の車の音に驚いて水面歩行をするぐらい臆病だったら、とっくのうちに山奥に移り住んでいるはず。
  • 「四国八十八カ所巡礼中に道に迷った女性が聞いた亡父の太鼓」
    →「太鼓坂」(旧称はドンドン坂)の特殊な地層により、地面が乾いている時に通ると、太鼓が鳴るような足音がするというものだが、自分の足音であるなら、歩くのを止めればすぐに聞こえなくなる。足音であることに気付かないはずがない。
  • 「家の壁から飛び出して、寝ていた主人に襲いかかる巨大魚」
    →乾期に干上がった湖底から採取した泥で日干し煉瓦を作っていた以上、その煉瓦の中に、肺魚が紛れ込むことは十分にありうるだろう。しかし、寝室の壁から肺魚がはい出すほどの大雨が降れば、ゆっくり寝ているはずはない。日干し煉瓦がそんなに濡れてしまったら、いつ家が崩れるか、大騒ぎになっているだろう。
 番組終了間際に断っていたようにこれらはあくまで「実話に基づいて再構成したもの」、もっと正確に言えば、「過去にこういう事実があった。それゆえ、ひょっとしてこんなことが起こってもウソとは言えない」という程度のフィクションであると考えるべきだろう。

 それはそれとして、肺魚の「繭」の入った土のかたまりに水をかけると、本当に肺魚が飛び出してくるというのはなかなか見ものだった。それが見られただけで、十分に番組の価値があった。