じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] オステオスペルムム(通称、ディモルフォセカ)。昨年5/21の日記に記したように、連休前に、30〜40ポット100円(1ポット2〜3円)というタダ同然のケース売りを購入して根付かせたもの。


5月7日(水)

【ちょっと思ったこと】

プロジェクトXの主人公は男ばかり?

 一日前の話題になるが、夕食後にNHKプロジェクトX「ハレー彗星に突入せよ 76年に一度の大勝負」を視た。

 このプロジェクトにとっての「危機」は、強い圧力に耐え得る固形燃料タンクの成型、巨大アンテナの設置、それと、日本海中部地震による津波で秋田県能代のロケット実験場が被害を受けるという3点にあったようだが、これまでに放送された感動的な話題に比べると焦点がぼけているような印象が否めなかった。

 そもそもは、なぜ巨額の資金を投じてハレー彗星に突入しなければならないのかという必然性に関する疑問であった。米国に依存しない国産ロケットの開発が重要であることは分かるが、それ自体は、液体燃料を使ったH2ロケットとして別に開発されていたはずである。プロジェクトの成果という点でも、後の技術への応用として意味があったのか、200万年後に消滅し地球に衝突することはないとか、核が自転しているといった発見に意義があったのか、このあたりもよく分からなかった。もともと彗星研究者たちが推進したプロジェクトではない。「76年に一度の機会」をたまたま利用しただけというようにも見えてしまう。

 本当のところは、強力なロケットを開発する上での数々の困難、あるいは制御技術の難しさなどがあったと拝察するわけだが、映像ではなかなか描けないし、ヘタをすれば他国のミサイル開発を助けるような機密情報を流してしまう恐れがあるのだろう。といって、プロジェクトリーダーが赤ふんどしで水垢離をするというのは、技術面での努力の量と質の成果とは言い難い。ということで不完全燃焼に終わった番組であった。




 ところで、この番組が始まる時に、妻が、

プロジェクトXって、なんで男ばかり出てくるのよ!

と不満をもらした。そういえば、私の記憶に残っている数々のプロジェクトはすべて男性が主人公であった。念のため、これまでの放送内容をチェックしてみると、最新の第112回までのうちタイトルに
  • 「男たち」が使われた回数:12回
  • 「女」が使われた回数(「男女」は除く):3回
となっていた。中味までチェックしていないので正確なところは分からないが、おそらくそれ以外の番組の殆どは「男たち」が主人公になっていると思われる。いっぽう、タイトルに「女」が使われた3番組というのは
  • 第38回 2001年1月30日放送「女子ソフト銀 知られざる日々」〜不屈の闘い・リストラからの再起〜
  • 第35回 2001年1月9日放送 「エベレストへ熱き1400日」〜日本女子登山隊の闘い〜
  • 第34回 2000年12月19日放送 「女たちの10年戦争」〜「男女雇用機会均等法」誕生〜
という内訳であった(他にもあれば掲示板や日記才人メッセージなどでお教えいただければ幸いです)。

 こうしてみると、男女雇用機会均等とはいっても、企業のプロジェクトや研究開発において女性が活躍できる場はまだまだ少ないことが分かる。もっとも、その気になって発掘すれば、女性が社長をつとめるベンチャー企業だってたくさんあるだろう。フィールド心理学では、やまだようこ氏のようなカリスマ的リーダーもおられる(←こんなこと書いてエエかなあ)。番組の対象にはなりにくいだろうが、遠山文科相や川口外相の働きも見逃せない。そろそろ「プロジェクトX=男たちの闘い」という既成概念を打破していく必要があるのではないだろうか。