じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
農学部東西通りの銀杏並木。連日25度(4/17は24.9度)まで上がり、早くも初夏の雰囲気。 |
【ちょっと思ったこと】
長谷川ゼミの方針をホトトギスに例える 4月17日午後は、新3回生にゼミの説明会を行った。心理学講座は改組がらみの採用人事凍結と定削ローテーションのとばっちりを受けて、停年退職者の後任が補充できず、ここ数年は4名の教員で1学年15〜16名の学生の指導をすることになる。 「ゼミ」では週に1回2コマ分、各教員別に大学院生、卒論生、3回生を同じ教室に集めて演習が行われるほか、日常的に個別指導が行われる(←努力目標)。ところが、どういうわけか、今年の長谷川ゼミは大学院5名(うち修論提出予定者3名)、大学院研究生等2名、卒論生6名になっており、さらに秋以降には、外国人研究生2名を迎え入れる話もある。3回生が4名入ってくると、合計で19名という大所帯になる。そこで、今年は、趣を変えて、ゼミの方針をホトトギスに例えることにした。
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【思ったこと】 _30416(水)[心理]質的分析と行動分析(10)まとめ 10回にわたり連載「質的分析」について考えを述べてきたが、今回で最終回としたい。 『行動分析学から見た子どもの発達』の著者であるシュリンガー(1998、園山・根ヶ山・山根・大野[訳] 、『行動分析学から見た子どもの発達』、二瓶社)は、「【科学的】理論は基本的に,それ自体客観的変数間の再現可能な関数関係からなる多数の事実についての言語的ないしは数学的形式による要約である。」とした上で、その評価基準として、理論の一般性、テスト可能性、外的妥当性、有用性、簡潔性を挙げている。 これらの基準をまもり、かつ心的虚構を説明概念に使わないことに徹するという前提のもとで、行動分析における質的研究は、環境との関わりにおける外在的要因の検出や、それらの多様性の把握に重点を置いた方向をめざすことになるだろう。特に、ホリスティックな把握や、多様性の内実や個々の要因の連関をさぐる上では質的研究は大きな役割を果たすことになると思う。 なお、今回の連載では、参加観察やフィールド調査(尾見・伊藤, 2001参照)における質的研究についてはふれることができなかった。これらについては別の機会に論じることにしたい。 |