じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] プリムラ。2002年3月23日の日記にも書いたが、花が終わったポット苗を北向きの乾燥気味の花壇に植えておくと、夏越しをして翌年ふたたび花をつけるようになる。


4月11日(金)

【ちょっと思ったこと】

バグダッドでの略奪と敗戦直後の日本

 フセイン政権が崩壊したバグダッドでは略奪が横行しているという。TVニュースでは、政府機関から高級家具や電化製品を持ち出す人々の映像が流されていた。こういう行為を行っているのはごく一部の無法者たちであり、大部分の市民は、今なお続く銃声におびえ、じっと耐えているに違いないと思う。流された映像だけから全体を判断するのは間違いのもとであろうと思う。

 とはいえ、略奪が行われているのは事実だ。これは、イスラム教ではどのように正当化されるのだろうか。もともとこれらの高級家具や電化製品は税金や石油利権によってもたらされたものであり、彼らが敗者となった今、自分たちの手に取り戻すことは正当な権利であると考えるのだろうか。よく分からない。

 少なくとも敗戦直後の日本では、こうした大規模な略奪はなかった。イラクと違って政権が維持されていたところに大きな違いがある。それと、東京では空襲で住む家そのものが失われた人々が多かったが、イラクでは家が焼けるということはあまり無い。戦争が行われたという割に、若い男性が町に溢れているのも奇妙だ。

 奇妙と言えば、いちばん奇妙なのは、この戦争が何によって始められたのかということだ。イラク側によるクウェート侵攻の後半戦だとするのはあまりにも年月がかかりすぎている。イラク側が隠し持っている大量破壊兵器を廃棄するため、というならば一日も早い発見が待たれる。後世の世界史の教科書にはどのように記述されるのだろうか。




研究室の模様替えにあけくれる

 4/10締切の原稿を出し終えたところで、研究室の模様替え作業に入った。我ながら驚くほどの紙の山になった。停年まで15年、捨てられるものはどしどし捨てていきたいと思う。

 けっこうかさばっているのが、各種学会から届けられる学術雑誌、各種論文コピー、文学部内で贈呈される叢書類である。

 学術雑誌は直近2年分を残して、別の部屋の書庫に移動したが、図書館にもバックナンバーがあるので果たして保管しておく必要があるのか、だんだん疑問になってきた。前にも書いたが、学会費の大半は、学術誌の印刷と郵送に費やされる。電子ジャーナル化してしまえば、ずいぶんと節約になると思う。

 論文コピーは発行年別(同じ年の発行年の場合は著者のABC潤)に2つ穴のファイルバインダーに綴じてあるのだが、これも大型書庫1個分を埋め尽くしてしまう。これにしても、電子メディアで保管できれば検索や引用がすぐできて遥かに便利になると思う。私個人は、ここ数年に読んだ文献については必要な部分だけをOCRで読み込んで保存する方式に変えている。

 学部内で発行される叢書を教員全員に配布する慣行は止めたいものだ。研究分野が異なるものをいただいても理解できない。といって、こればかりは捨てるわけにもいかぬ。最近では、各教員のレターボックスのある部屋に段ボール箱を設置し、「叢書が御不要な方はこの箱の中に返却してください」と貼り紙をしている教員もいるが、よいことだと思う。というか、これもWeb化してしまえば済むことだ。

 余談だが、岡大の学生・教員FD検討会では、古い年度のシラバス冊子のリサイクル活動を始めたと聞いた。分厚いシラバス冊子も、学生側のアクセス環境が整えば、なるべく早くWeb化に切り替えたいところだ。