じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] フウセントウワタの袋が破れて、中から種が飛び出してきた。実生の株であるため、冬越しした2年物よりも成長が遅れたがなんとか種をつけた。99年11月28日の日記に「けさらんぱさらん」との関連が記されている。


12月19日(木)

【ちょっと思ったこと】

韓国新大統領はカタカナのみで表記すべきだ

 韓国の新大統領にノ・ムヒョン氏が決まったという。韓国や北朝鮮の人名が出されるたびにいつも思うのだが、原語読みに徹するのであればカタカナ表記だけで統一してほしいと思う。12/20の朝日新聞一面の大見出しは「韓国大統領に盧武鉉氏」とだけ書かれてあったが、これでは、なんと読むのか分からない。たぶん、日本語読みでは「ろ、ぶげん」氏となるのだろうが、「鉉」という漢字はあまり見たことがない(辞書では土瓶などの「つる」という意味らしい)。姓の「盧」のほうは、ATOKで元大統領の「ノテウ」氏を変換すると自動的に出てくるのでいくらか親しみがある。いずれにせよ、韓国で使われない読みをあてはめてもしようがないと思う。

 漢字文化圏の国の中では、英語を使わなくても漢字だけでコミュニケーションができるというメリットがある。中国を旅行していても、日本語と異なる表記(例えば「汽車」)さえ心得ておけば道に迷うことはない。できれば韓国でも漢字を残してほしかったとは思う。しかし韓国が現実に漢字を捨て去り、日本人の名前を原語(=日本語)に近い発音で呼んでくれている以上、もはや漢字を当てはめる必要は全く無いし、「の・むひょん」を「ろ・ぶげん」などと呼んだら失礼になるのではないかと思う。

 余談だが、新聞記事にあった地域別得票率(但し19日21時現在)を見ると、著しい地域差があることに気づく。たとえば、光州では、ノ氏が95%以上であるのに対して、大陸候補のイ氏は3%台となっている。同じことは、全羅北道や全羅南道についても言える(これらの地名も全部カタカナ表記にしてほしいものだ)。これじゃあまるで、関東人と関西人が対立しているようなものだ。

 このあたりの歴史的背景も勉強不足でよく分からないのだが、とにかく日本では考えられないことだ。異なる民族が住んでいるわけでもないし、都市vs農村という対立構造があるとも思えない。いくらなんでも、新羅と百済の対立が尾をひいているとも思われない。韓国のことをもっと勉強しなければ...。
【思ったこと】
_21219(木)[心理]卒論中間発表会

 19日は、卒業アルバム写真撮影のあと14時から19時頃まで卒論中間発表会が行われた。1月末の締切を前に、現在での達成内容を公開し、アドバイスを受けるという趣旨である。1人あたりの発表時間は12分、質疑3分という設定であったが、人数が多いので長時間に及んだ。

 発表内容は教室内のクローズドなものであり、アイデアの盗用もありうるので、あまり具体的な内容には触れられないが、いくつか気付いた点を備忘録代わりに残しておきたい。
  • 「色のイメージを浮かべる」という実験があったが、モノやコトから離れて純粋な色をイメージするということはできるもんかなあ。例えば「青のイメージ」という時に実際に浮かぶのは、空や海の色ではないかなあ。で、そういう「色」は独立ではなく常に、具体物と結びついて心理的な効果をもたらしているように思える。同じ赤でも「血の赤」と「ハイビスカスの赤」では全然違う。
  • 携帯メイルなどで使われる顔文字・絵文字の使用頻度が、男女間、女性どうし、男性どうしで異なるのではないかという仮説があったが、そもそも、メイルの交信目的や交信内容に違いがあるのでは。男性どうしのメイルのやりとりで絵文字がいっぱい使われていたらちょっと気味が悪い。
  • ボランティア活動をテーマにした研究があったが、Googleを用いて「ボランティア じぶん更新日記」というキーワードで検索すると170件あまりヒットすることが分かった。
  • BSEに対する意識の変遷を調べる研究があったが、単なる時間の流ればかりでなく、業界による安全広告、種々の事件がどういう影響を与えたのかをもっと考慮する必要があると思った。それと、BSEの場合には、「食べなくても生きていかれる」、「食べるかどうかは能動的行動」という特徴があるが、これらは、空気や昆虫を媒介として感染する病気(何も行動しなくても感染する恐れあり)とは質的に異なっている。これらを対比させたら面白いのでは、と思った。
  • 毎年見かける方法だが、身近な大学生を対象に「高不安群」と「低不安群」にグループ分けしても、どんぐりの背比べ程度の違いしか生じない可能性が高い。当然、結果も差が現れにくくなる。
  • 速読に関する研究があったが、文章の内容が時間的流れに乗って記述されている場合、カテゴライズされている場合、単なる羅列である場合では、スピードも理解度も大きく影響されるだろう。あと、日本語の文章では、まず全体を見渡し漢字熟語を拾い上げる、という読み方もあると思う。
  • 生協施設付近?で突撃アンケートでデータを集めたという学生が居たが、これじゃあますます、カルト宗教団体の勧誘アンケートの正体がつかみにくくなりますなあ。
  • 「おたく」ステレオタイプについての研究があったが、概念そのものが時代とともに変わる対象は、解釈が難しいと思う。これは「ケータイ」とか「TVゲーム」についても同様。
 全体として、かつて見られたような、「実験のための実験」、「モデルのためのモデル」といった、外国雑誌論文をネタにした追試実験が影をひそめ、身近な問題を対象に果敢にアプローチしようとしている研究ばかりになってきたのはたいへんよいことだと思った。