じぶん更新日記

1999年5月6日開設
Y.Hasegawa

[今日の写真] モミジと時計台前の紅葉。アメリカカエデの並木が半分ほど葉が落ちてしまった。画面右下、時計台右隣にあるのが昨日ご紹介した楷の木。

11月28日(日)

【思ったこと】
991128(日)[一般]感動は刷り込まれる?やはり一原作一感動主義に限る

 夕食時にチャンネルを変えると、NHKの大河ドラマ「元禄繚(←りょう。表示できるかいな)乱」で討ち入りを終えた場面をやっていた。実はこの番組を見るのは今日が初めて。後半の20分程度しか見ていないのでコメントできる立場には全くないが、私的にはどうしても違和感があった。

 今回に限らず、同じ原作が何度も映画化されたりTVドラマ化される場合、最初に見た時の感動と、別の俳優によって演じられた別の作品を見た時では感動の大きさは著しく違うように思う。よほどの駄作でない限りは最初に見た時の感動のほうがはるかに大きい。そして、最初に見た作品であまりにも感激してしまうと、別の人の作った作品など見たくもないということがよくあるように思う。

 上記の忠臣蔵関連のドラマに関しては、かれこれ20年近く前だったと思うが、三船敏郎が大石内蔵助を演じた「大忠臣蔵」(の再放送)を毎回のように見ていたことがある。比較的オーソドックスな展開。特に、討ち入りの前に浪士たちが兄弟や知人たちに別れを告げる場面の描写が良かった。毎週1回のペースで1年かけて見たため、討ち入り場面は涙が出るほど感激したものである。

 こうした感激が刷り込まれてしまうと、そのままそっと取っておきたい気持ちになるものだ。じっさい、それ以外の忠臣蔵ものには全く関心が無くなってしまった。

 新撰組を描いた「燃えよ剣」という作品もこれにあたる。これを見たあとは他の新撰組ものは全く見たくなくなってしまった。全く違うジャンルになるが、「ロミオとジュリエット」の映画も同様。感受性の高い高校時代にオリビア・ハッシー&レナード・ホワイティング主演(1968年)の作品に強く感動したため。

 私だけの狭い見方なのか、一般性があるのか分からないけれど、少なくとも私の場合、1つの原作について映画化(あるいはTVドラマ化)された作品が複数あったとしてもいろいろ比較してみたいとは思わない。最初に見た作品でそれなりに感動が得られればもうそれでよし。別の作品を見ることはかえって最初の感動を風化させてしまうような気がする。

 私の場合、作品至上主義というのだろうか。どの監督がどういうふうにオリジナリティを発揮したとか、どういう俳優が演じたかということにはあまり関心がもてない。同じ俳優があまりいろんなタイプの役を演じてしまうとかえってそれにつられて、作品を作品として独立して鑑賞することができなくなってしまう。そういう点ではほとんど寅さんだけを演じた渥美清の場合はスッキリしていた。上記の三船敏郎の場合は他の作品とややイメージが重なってしまうところに多少抵抗があった。必殺仕事人シリーズに出ていた藤田まことの場合も、子供のころ大人気だった「てなもんや三度笠」のイメージがどうしても出てきてしまう。

 初めの話に戻るが、最初に見た作品が原作と違っていた場合、むしろ原作のほうがつまらなく感じてしまう場合もある。例えばアニメの「銀河鉄道999」の場合、私は「TVアニメ→原作単行本→アニメ映画」いう順で見た。結果的にTVアニメで感動が刷り込まれ、原作単行本やアニメ映画ではあまり感動しなかった。似たようなものにメーテルリンクの「青い鳥」がある。こちらは幼稚園の時に読んだトッパンの絵本で刷り込まれている。

 要するに、感動に対して保守的ということなんだろうか。昨日の日記で各都道府県別に登った山をリストアップしてみたけれど、最高の気象条件のもとで登った山(例えば利尻山、羊蹄山など)にはもう一度登りたいとは思わない。彗星もヘールボップ彗星を超える大彗星でも現れない限りはもはや毎晩写真を撮ったりすることは無いだろう(皆既日食の場合はそのつど見え方がゼンゼン違うので、また見たいとは思っているけれど...)。

 人生の価値なんていうものは、「これでよし。」という自分なりに感激して別れを告げるという体験をどれだけ重ねられるかにかかっている、なんて思ってみたりする。
【ちょっと思ったこと】
  • 各地から雪の便りが届いているが、鳥取県の大山スキー場も11/28朝から雪化粧。こちらでセミライブ映像が見られる。
【生活記録】

[写真] フウセントウワタの実が熟して中から綿毛のタネが飛び出してきた。以前この実をココに掲載したところ、Takeda Kazunoriさんから「ケサランパサラン」みたいだと言われたことがあった。
岡山の気候の場合、春にタネを蒔いたのでは実が熟する前に霜にあたってしまう可能性が高い。この実は昨年の株。ギリギリでタネになった。「けさらんぱさらん」の情報はこちらにあります。
【本日の畑仕事】
小松菜とレタスを収穫。
【スクラップブック】