じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 大学構内・事務局前のヒガンバナ。最近では秋分の日は9月23日となることが多いが、現行のグレゴリオ暦が続く限りは、9月22日から24日のあいだで変動する。23日以外が秋分の日となる年は、次回は2012年、その後は5年に一度、4年に一度としだいに22日となる年が多くなり、2044年以降は22日となる年のほうが多くなっていく。秋分の日が9月24日となる年は、我々の存命中にはもはや無い。以上の理由は1998年4月29日の日記に記した。





9月22日(日)

【ちょっと思ったこと】

谷村志穂さんと「自立」

 朝食時、NHKホリデーインタビューを視た。今回は作家の谷村志穂さんが登場。母校の北大農学部でヒット作『結婚しないかもしれない症候群』や、昨年、ご結婚、出産されたあとの心境が淡々と語られた。

 今回の番組で初めて知ったのだが、谷村さんは在学中は、農学部屋上の飼育室で野ネズミの観察研究を行った。研究者を目ざしていたものの、指導教授から「論文に創作的部分が多いので作家のほうが向いている」と指摘されて断念。上京して出版社に勤務ののち独立し、ヒット作につながった。

 谷村さんの言う「自立」とは、「自分でお金を稼ぐことができる」とか身の回りの身辺自立というような小さな単位のものではなく、もっと人生全体に関わることを意味しており、「自分で立っていないと他人を愛することができない」という姿勢(←聞き取りのため不確か)や互助の基盤になるようなものとして位置づけられているようだ。

 そういう意味ならば「自立」よりは「自律」に近いような気もするのだが、谷村さんの作品は全く読んだことが無いので本当のところは分からない。私個人としては、「自立」というのは後から評価されるべき結果であって、目ざすべきはむしろ「能動」のほうにあるのではないかと考えている。「能動」の交換が互助であり、谷村さんの言われる「助けてもらいながら助ける」ことにつながると思う。

 ついでながら、オペラント行動における「自律」とは「他律」の排除ではない。行動随伴性はそれ自体は常に他律的である。人間のできることは、自分をとりまく他律的環境を整備したりデザインし、その中で能動的機会を保障し自らの身を置くことだけであると思っている。

9/23追記]谷村志穂さんのHPが見つかった。こちら




ひさしぶりに大相撲

 この秋場所は、3連休が2回あったことと、ひょっとして貴乃花の引退相撲があり得るかという予想から、大相撲の中継を何度か観戦した。結果的には、優勝した武蔵丸、敗れたが来場所に首をつないだ貴乃花、実力は両横綱以上と思われる魁皇の古豪3力士が健闘した。反面、投げの強さは千代富士以来と言われた朝青龍、綱取りをめざしながら10勝に終わった千代大海の活躍がいまいちであり、若手のパワー不足を感じさせた。ユニークなところでは、旭天鵬が「○○●●○●○●○●○●●○○」という左右対称型の星を残したこと。これってどのくらいの確率で起こりうるものなのだろうか。

 このほか、貴闘力、寺尾の引退が伝えられた。寺尾関(39歳)は、1985年開催のつくば科学博「ポストカプセル」企画で私が封入しておいた番付表に前頭2枚目として名を連ねているほどの大古豪であった[2001年1月11日の日記参照]。本名のままの四股名のように見えるが、本名は「福薗」であった。
【思ったこと】
_20922(日)[一般]動脈硬化防止は高地ツアーに限る? [グラフ]

 チベット旅行に出発する直前、職員の定期健康診断があった。9月になってからその結果が通知されたのだが、例によって、私の場合は「判定C」、すなわち、保健センターに出頭して健康管理について指導をうけなければならない結果となっていた。

 この「判定C」というのは、正常値を逸脱した結果がおおむね3個以上あると自動的に振られる仕組みになっているらしいが、私の場合は毎年のことながら、「コレステロール値」、「悪玉コレステロール値」の2点と、超音波検査で判定される「脂肪肝の傾向」が異常項目になっており、毎年呼び出しをくらい、医師と栄養士からお説教をくらうことになっている。

 今回は、運悪く、超音波検査担当の医師に指導を受けることになり、「揚げ物は食べるな」、「夕食後3時間は寝るな」、「もっと運動せよ」などと叱られた上、近くの病院で再検査を受けることになった。このままだと動脈硬化の恐れがあるので、もし再検査でも値が下がっていなかったら薬による治療を受けたらどうかというものであった。

 ところが、検査の結果は右のグラフの通り。血中総コレステロール値(正常範囲100〜220)は、過去3年間、251→276→257と推移していたものが217となってかろうじて正常範囲におさまる。悪玉コレステロール(LDL、正常範囲70〜139)のほうも、195→208→193と推移していたものが116に下がっており、医師をびっくりさせた。

 この大幅改善の原因はもちろん、8/3〜8/17のチベット旅行である。旅行中は3食ともすべて脂っこい中華料理であったが、高山病予防のため腹八分目を心がけていた。また、以前、クイズ番組で取り上げられていたことがあるが、標高3000m以上の高所で過ごすと体脂肪が燃焼され、短期間に改善が見られるということだった。今回の変化はこれを実証したものと言える。




 なお、先週水曜日のNHK「ためしてガッテン」によれば、動脈硬化は、白血球の一種、マクロファージに起因している。マクロファージは「正常な」コレステロールは攻撃しない。ところがコレステロールが「変性」するとマクロファージがそれを食べるようになる。しかしマクロファージはコレステロールを消化できないため、どんどん肥大して、死んでしまう。血管にもぐりこんだ状態で死んでしまったマクロファージが血管の壁を厚くして動脈硬化の原因になるということであった。

 番組によれば、コレステロール値や悪玉コレステロール値が正常範囲であっても、変性したコレステロールがあれば動脈硬化が起こりやすくなる。変性は、血糖値の高さ(126mg/dl)や喫煙によって起こるというこであった。そこでさっそく過去の健康診断記録をチェックしてみたところ、血糖値そのものは測定されていなかったが、過去1〜1.5ヶ月間の平均血糖値である「HbA1c」は4.6〜5の間であり、正常範囲におさまっていることが分かった。これでほぼ安泰だ。

 もっとも、今回の変化は、生活習慣の改善に基づくものではないので、数カ月のうちに元のレベルに戻る可能性が高い。ここはひとつ、日々の散歩と腹八分目をしっかり心がけたいものだ。ま、それでダメなら、動脈硬化防止のため、年に3回、高地ツアーという言い訳がたつんだが.....。

※番組で紹介された最新式チェック装置「血管壁細胞混合培養装置」は東大・先端科学技術センターで開発されたものであり、短期間に対象者の将来の動脈硬化の可能性をシミュレートすることができる。この技術水準は世界随一であるという。流出しないように願いたいものだ。

9/23追記]「ためしてガッテン」の番組書庫はこちら