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昨日の日記

4月29日(水)

【思ったこと】
980429(水)[天文]1997年の春分の日は何故3月20日であったのか
 昨日の日記で祝日の分布表を作っていて、春分の日や秋分の日が確定しないことが、ちょっと気になった。一般的には春分の日は3月21日、秋分の日は9月23日であり、閏年の日は、一日早められることがある(つまり春分の日が3月20日になる)と思われているようであるが、昨年のように、閏年でもないのに3月20日が春分の日になることもある。これはどういう法則によるものなのか。
 じつは春分の日にこだわるのにはもう1つ別の理由がある。それは、1年の始まりである元旦=1月1日の定義に関わってくるからである。元旦というのは天文学的には何の意味もない日である。私の記憶では、どこかの国際会議か何かで、「春分の日の80日前を元旦とする」というのが唯一の天文学的根拠であったはずである。ところが春分の日が3月20日になってしまうと、この定義が危うくなってしまう。謎はますます深まるばかりであった。
<4/30追記>「年の始まりはどうやって決めたのか?」については、「実は私も眠れません。」編の該当ページに解説があった。
 で、困ったときのgoo頼みということになるが、いくつか覗いてみたところでは、「C POP CLUB」内の「春分の日,秋分の日の計算式」のページと、天文なんでも相談室ホームページ(天文教育研究会インターネットWG)の該当ページに、分かりやすい解説が載っていた。
 結論から先に言えば、春分の日や秋分の日がずれるのは、1年の長さが365日あるいは365.25日ピッタリでないことに起因しており、春分の日の場合、「現行のグレゴリオ暦では、春分日は3月19日と21日の間。秋分日は、9月22日から24日の間で変化する。」(天文教育研究会インターネットWG)というのが正解である。

 上掲のページを直接御覧いただければその仕組みはじゅうぶん理解できるけれど、私自身の復習のつもりで、以下にその要点をまとめてみたいと思う。

 まず、そもそも春分の日、秋分の日の意味あるが、これは、「太陽が春分点、秋分点を通過する時刻を含む日のこと。」と定義されている。地動説的に言えば、地球の赤道上のどこかを太陽光が直角に降り注ぐ瞬間であると言ってもよいだろう。
 仮に、1年の長さが365日プラス0.25日であったとすると、上記の瞬間は毎年6時間ずつズレていくことになる。たとえばある閏年の春分が3/21の午前1時であったとすると、翌年は午前7時、2年後は午後1時、3年後は午後7時ということになる。となると、4年後の春分は3/22の午前1時というふうに丸1日ズレることになるが、ちょうど閏年が挿入されるので、もとの3/21の午前1時に引き戻される。これならば、春分の日は永遠に3/21のままということになるだろう。
 ところが1年の長さは、365.25日ではなく、365.24219日(365日5時間48分45.261秒)となっていて、四分の一日より約11分15秒ほど短い。そのため、4年に1度ずつきっちり閏年を入れていると、春分点は毎年11分15秒ほど早くなってしまい、128年たつと3/20、256年たつと3/19というように1日ずつ繰り上がってしまうことになる。
上記の1年の長さは「太陽年」のこと。太陽年は地球が太陽の周りを一周する恒星年(365.2564日)より多少短い。それは、地球の一周を一年と定めてしまうと、地軸の首振り運動(歳差)の影響で、同じ月日が真夏になったり真冬になったりして生活上不便を来すためである。このほか、近日点を基準とした近点年(365.2596日)というのもある。春分点通過の瞬間は、近日点との位置関係によって多少変わるので、太陽年ぴったりの値でズレていくわけではない。この説明はどこにもなかったが、おそらく、遠日点から近日点に春分点が近づくケースでは1日に移動する角度が次第に大きくなるために、翌年の春分点通過の到来が早められる。逆に春分点が近日点から遠日点に移動する場合には、到来がゆっくりになるということかと思う。ちなみに1998年に地球が近日点を通過したのは1月5日6時であった。
 さて、現行のグレゴリオ暦は、この約11分15秒のズレを修正するために、400年に3回だけ西暦が4の倍数であっても閏年でない年を定めている。11分15秒を400倍すると3.125日となるから、3日分の修正でだいたいOK。これで3000年分ぐらいの暦は安泰ということになるわけだ。
 ご存じの方も多いと思われるが、「400年に3回」という例外規定は、「西暦年が100の倍数であって400の倍数でない年」に適用される。したがって、西暦2000年は400で割れるから閏年のままである。
 しかし裏をかえせば、このことは、西暦1900年から2100年までの200年間、11分15秒のズレを無修正のまま放置することを意味するわけだから、春分の日は本来の3月21日より前のほうにズレていく度合いが大きくなることを意味する。

 上掲の「春分の日,秋分の日の計算式」のページには、春分の日がどのようにずれていくか一目で分かる表が掲載されている。何と2055年を最後に2099年までのあいだ、春分の日が3月21日になることは決してない。それどころか、2092年と2096年には3月19日が春分の日となるのであった。
 上掲の天文教育研究会インターネットWGの該当ページには、「春分・秋分日の簡易計算法」が紹介されていた。その式をもとに、簡単なプログラムを自作して算出したのが1980年から2099年までの春分の日と秋分の日の日付の早見表である。秋分の日のほうも2100年が近づくにつれて9/22の日付が多くなっていく。このズレは、「2100年を閏年としない」ことで、修正されることになる。

 余談だが、天文教育研究会インターネットWGのサイトの別のページには、一週間の曜日が、なぜ「日水金(地)火木土」ではなくて「月火水木金土日」となっているのかが解説されてあった。なるほどそういうことだったのか。ただ、この説明によると一週間の始まりは土曜日でなければならなくなる。
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  • 岡山県内の体験型テーマパーク二カ所が開園して一年。「ノースヴィレッジ」は30万人の予想に対して36万5千人。「サウスヴィレッジ」は50万人の予想に対して40万人。ノースは23ヘクタール、敷地面積は約10ヘクタール。[4/30 朝日岡山版]
  • 「平成の仕置き人」をなのる「報復代行業」のカードが電話ボックスなどに。[4/30 朝日『あなたの隣で』連載第一回記事]