じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
ヤエザキハンゴンソウ(八重咲反魂草)。昨年7月18日の日記で紹介した株は、駐車場新設に伴い移植したため、今年は少ししか花をつけなかった。今回の写真は、文学部のロータリー前。パキスタン・フンザのホーパル氷河近くの休憩所に植えられていた反魂草は、こちらのリストの中のこの写真をご覧下さい。 |
【ちょっと思ったこと】
園芸療法のネックは夏の暑さかも 土曜日から海外に行くので、朝方は大学構内の草取りと水まき。夕刻には借りている畑にもたっぷりと水をやった。この日の岡山は最高気温が36.6度まで上がる猛暑であり、立っているだけでも汗がタラタラ出てきた。 野菜や花苗を育てることで能動的な楽しみを獲得するという園芸療法(最近では「園芸福祉活動」と言うほうが一般的か)が高齢者の間で広められつつあるが、こういう暑さの中でお年寄りに体を動かしてもらうのはちょっと無理だろう。 こうして考えてみると、7月から9月までの3カ月間つまり1年の1/4は、屋外での活動は到底無理。せいぜい朝の涼しいうちに、朝顔の開花を楽しむか、キュウリ、トマト、ナスなどの夏野菜の収穫をするぐらいのことになるだろう。園芸福祉活動の年間スケジュールを立てるためにはまずは暑さ対策か。 |
【思ったこと】 _20728(日)[心理]仮説検証型ではなく「ツール」づくりの卒論のほうがオススメ(3) 7/21の続き。前回の日記で、ツールづくり型の研究というのは具体的には次のように進められることになると書いた。
とはいえ、具体的な課題のために準備を重ね、みごとにそれを達成したというだけではツールの開発にはならない。具体的な課題の場合には、複数のツールを組み合わせて使用するであろうが、それが最適であったのかどうかは実証されていない。また時として、運がよかった(=成功のために必要な諸条件の中で、無限に近い要因の相互作用の結果として変動するために確率的にしか期待できない諸条件が、たまたま成功レベルの境界値を越えていた)ために成功したという場合もあるが、成果さえ上がればそれでよしとして扱われる場合が多い。ツールの場合は、反復利用することを前提としているので、1回限りの成果でよしということにはならないし、何よりも、何がツールを構成しているのかを明確にしておく必要がある。 同じ旅行であっても、ガン闘病者がモンブラン登頂をめざすというプロジェクトをツールとして考えるならば、話は変わってくる。この場合には、そこで得られた体験が、同じような境遇で登頂をめざす人々のツールになりうるし、そのポジティブな面を拡張して、ガン闘病の精神的ケア再発率の低減に役立てる新たなツールを生み出せるかもしれないからである。 ここでスキナーの『科学と人間行動』の一節から、科学とツールの関係を示唆する記述を引用しておきたい[第2章、14頁。訳は長谷川・藤田による] Science sharpens and supplements this experience by demonstrating more and more relations among events and by demonstrating them more and more precisely. As Ernst Mach showed in tracing the history of the science of mechanics, the earliest laws of science were probably the rules used by craftsmen and artisans in training apprentices. The rules saved time because the experienced craftsman could teach an apprentice a variety of details in a single formula. By learning a rule the apprentice could deal with particular cases as they arose.ここでいうルールをセットにしたものと、この連載で想定している「ツール」はほぼ同一のものと考えていただいて差し支えない。次回に続く。 |