じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] パイナップル・リリー(ユーコミスEucomis)が今年も花をつけた。花が開くと昨年7月15日の写真のようになる。咲き始める前のほうがパイナップルの形に近い?





7月2日(火)

【ちょっと思ったこと】


サッカーW杯トロフィーの謎解けた?

 ワールドカップ・サッカーのトロフィーは、地球を描いたもののようだが、ずいぶん妙な形をしている。少し前、妻も「ねえ、あのトロフィーの形って変じゃない?」と言っていた。また大相撲の天皇賜杯などに比べれば遙かに小型である。

 歴史的には、第二次大戦中、当時FIFAの副会長だったバラシが、トロフィーを靴の箱に入れてベッドの下に隠し、征服軍の手から守ったこととも関係しているのかもしれない。大型であればとっくに破壊されていたかもしれない。

 それはそれとして、今回のブラジル優勝、その後の凱旋の映像を視ていると、なるほど、そういうための形をしていたのかと納得できた。トロフィーを手にしたブラジルの選手たちは、代わる代わる手にとって接吻をしたり、高く掲げたりしている。あの「手荒な」歓喜の渦に耐えうるには、とがった部分や切断しやすい装飾は禁物だ。結果的に、あのように持ち運びやすく壊れにくい形におさまったのではないかと勝手に推測してみたりする。

 それにしても、もし日本が優勝したらトロフィーをあのように扱うだろうか。たぶん、キャプテンが大事そうにそれを抱え、恭しく神棚にでも飾って、低いところからお互いの活躍を称え合うことになるのではないか。このあたりに、文化的な差違を感じるのは私だけだろうか。



デジタルカメラの栄光と将来

 NHKプロジェクトX第90回  「男たちの復活戦 デジタルカメラに賭ける」を視た。長引く不況をものともせず年間1600万台、世界シェアの8割を占めると言われるデジタルカメラ開発の話。

 番組サイトによれば、カシオのデジタルカメラが初めて世に出たのは1987年。12万8000円のカメラは、同時期に発売されたソニーの8mmビデオカメラに人気を奪われたこともあって、7割引でも全く売れず。プロジェクトは会社によって解散させられた。バブル崩壊後、液晶テレビの付録としてカメラ機能を取り付けたところで何とか復活、さらに米国ラスベガスの展示会への売り込みなどが功を奏して名機QV-10が売り出されるに至ったという話。

 カシオと言えば、私が学部・大学院の頃、「答え一発!カシオミニ」で初めてその名前を知る。その後、私自身は腕時計だけはカシオのものをずっと使っているが、家庭用デジカメの元祖がカシオであったとは、失礼ながらこの番組を視るまで知らなかった。

 番組ではもっぱら物作りの精神、技術者魂のようなものが称えられていたが、デジカメの場合は、単独の開発ではなかなか商品になりにくい背景があったと思う。専門的なことは分からないが、
  • 最低24ビット色が高速で表示できるだけのパソコンとディスプレイ
  • 画像を大量に保存するための記憶媒体(メモリースティック、スマートメディア、SDなどなど)
  • パソコンと簡単に接続するための端子(USBなど)
  • 乾電池でも長時間動くような電力低消費
  • プリント写真並みの高画質の印刷ができるプリンター
  • 以上をふまえた上で、妥当な価格であること
 こういう条件が揃ったのはここ数年ではなかったかと思う。開発のリーダーであった末高氏は、番組のゲストとして「1つ1つの(電子)部品というのはそれ自身ではある目的を達することはできないが、それがみんな寄り集まった時には思いもかけないようなものが実現できる」とモノづくりの楽しさを語っておられたが、集まることで機能するのは部品ばかりではない。いろいろな製品が揃って新しい文化を生まれた時に、新たな消費が生まれてくると言えるだろう。

 元の話に戻るがデジカメの利点としては
  • その場で写り具合を確認できる。
  • フィルムや現像代を気にせず何枚でも撮ることができる。
  • 現像液、定着液などを使わないので環境にやさしい(←使用済み電池のリサイクルなど、別の問題は残るが)。
  • 明るさの調整に失敗したような写真でも、画像処理を適切に行うことで復活可能。
  • 写真屋さんにプライバシーが漏れずに済む。
  • パソコンに取り込むことで画像の整理・保管が容易。
  • その気があれば、定期的にCD-ROMやその他の媒体に移し替えていくことで何百年でも当時のままの画像を残すことができる。
といったことが挙げられると思う。逆にデメリットとしては
  • 画像の合成や修正が容易になったため、証拠性が疑わしくなった。
  • 現時点では、天体写真には不向き。
などが挙げられるかと思う。

 私のようにパソコンでスナップ写真を保管したりネットで公開しているような場合は、カメラのほうはせいぜい200万画素、サイズ640×480もあれば十分。じゅうぶんに軽量化もはかられたし、これから先、これ以上の性能向上を望む要素はなくなってきた。そろそろ新たなプロジェクトが始まってもよい頃だと思うが、どういう方向を目ざすのだろうか。