じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

4月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る

[今日の写真] 文学部前の鬱金桜が、鬱金色からピンク色に色づいてきた。右は4/14撮影のもの。 [今日の写真]



4月19日(木)

【ちょっと思ったこと】
チボリの「憩いの都市公園化」

 倉敷チボリ公園を経営するチボリ・ジャパン社の臨時株主総会・取締役会が19日に行われ、新社長に玩具会社社長の高谷茂男氏が選任されたという。記者会見で高谷氏は「200万人が入園しても赤字になるのは収支に問題がある」、「花と緑が多くいやしを与える。日本にはほかにないいい公園だ。」とした上で、子どもから高齢者までの幅広い層を対象に、公園としての魅力アップを図る方向性を明確にしたという[以上、4/20朝日新聞岡山版からの要約]。

 たしかに、どんなに凝ったアトラクションでも2、3度遊べば飽きてしまう。あの狭い敷地の中に、TDLモドキの金喰いのアトラクションは要らない。四季折々の花に囲まれながらのんびりと散歩を楽しめる環境のほうが憩いの場になるのではないかと思う。

 チボリの遊具については、1/26の日記に書いたことがあった。その中で私は、
  • 強度の刺激に対する受身的な反応(=絶叫、安堵など)を引き出すタイプの遊具(=絶叫型マシンなど)はすぐに飽きられてしまう。
  • 刺激の物珍しさではなく行動の「物珍しさ」が強化されるような遊具でなければリピーターは呼び込めない。
  • 能動的な行動側の中には常に新鮮味が潜んでいる。その新鮮味は強化されることによってのみ引き出される。
というように考えを述べた。もっとも、単に能動的な行動を強化するだけであるならば、巨大なパチンコ屋やボーリング場を作ることと変わりない。テーマパークの魅力を保持するためには、環境全体と調和のとれた「オペラント強化の場」が求められる。つまり、パチンコ台やゲームマシンのように個別に機会を与えるのではなくて、その空間全体の環境刺激や文脈と連携させながら、そこで自発される行動が強化されるような工夫が無ければ、わざわざ金を出してまでその空間に足を運ぶ人は居ない。

 「環境全体と調和のとれたオペラント強化」と言っても何も難しいことはない。単に公園の中を散歩したり、恋人と会話をするのもオペラントである。レストランのメニューを充実するとともにテラスで公園の景色を楽しみながら食事ができるような場を増やすことも重要。高齢者施設の合同休養施設として利用することを考えてもよいのではないかと思う。



車の盗難保険500億円超過

 4/20の朝日新聞によれば、自動車盗難に伴う保険金支払いが急増し、2000年度には500億円を突破しそうだという。警察庁のまとめによれば、自動車の盗難はこれまで年間35000件程度で推移していたが、99年度には4万3千件、00年には5万6千件と急増。特に大阪府だけで6195件、計102億1073万円に達しているという。

 車の盗難については時たまTVニュースの特集などでその手口が紹介されることがあるが、高級車が特に狙われやすく、搭載している盗難防止システムを丸ごと入れ替えるなど巧妙な手口が横行していると聞く。

 盗難防止対策を強めることはもちろん必要だが、技術的に限界があるだろう。このさい、窃盗機会を物理的に阻止することにコストをかけるよりも、窃盗という行動が強化される機会を断ち切るための対策をとることのほうが有効ではないかと思う。

 「車を盗む」行動は、自分が使うため、犯罪に利用するためなどいろいろあるが、このところの急増の背景には国際的な窃盗団が暗躍しているとも言われる。つまり、窃盗行動は、盗んだ車を売って儲かる仕組みがあるから強化されているのである。となれば、国内での販売はもとより、中古車輸出段階でのチェック、車の修理や一時保管場所への監査を厳密に行えば、結果的に、車を盗んでも売ることができなくなる。貴金属類や現金と違って、盗んだ車はそう簡単には隠せない。これほどの証拠物件を摘発できないことのほうがむしろ問題ではないかと思う。