じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] ロウバイ。春一番に咲く花のひとつ。左の川は旭川から大学構内を通って笹ヶ瀬川に注ぐ座主川(用水)。



1月26日(金)

【思ったこと】
_10126(金)[心理]しごと、余暇、自由、生きがいの関係を考える(9)経営難にあえぐ第三セクター方式のテーマパーク/「レスポンデント型」より「オペラント型」の遊具を

 1/26の朝日新聞で、経営難にあえぐ第三セクター方式のテーマパークの話題が取り上げられていた。倉敷チボリ公園の場合、1999年度の赤字が11億5200万円となり長期収支計画見込みの赤字額7億9200万円を大きく超え、累積赤字は26億円以上になるとか。これまで年間200万人規模を維持していた入場者数も今年度は1/4現在で170万人となっており目標達成が危うい。それに加えて入園者一人あたりの出費額が、5306円の期待額に対して1999年度は約4500円。敷地の所有者のクラボウには県が毎月約5000万円で借り、約1000万円でチボリに転貸する形をとっているというが、この差額分の負担はわれわれ岡山県民にも跳ね返ってくる。

 記事には前経済企画庁長官の堺屋太一さんの「『非日常空間』売りに全国から集客めざせ」というコメントが載っていたが、テーマパーク経営維持のカギと言われるリピーター確保と両立できるかはやや疑問。リピーターとして訪れるということは非日常空間が日常空間化することを意味するからだ。

 日本国内のテーマパークでリピーターが多いところと言えばTDLぐらいのものだろうか。TDLの場合はいつ訪れても待たされてばかりで全部の遊具を楽しむことは物理的に不可能。このことが「次回には○○に乗ってみたい」というリピーターを呼び込む一因になっているようにも思える。

 それ以外のテーマパークの場合、単なる外国風景の模写では、新鮮味が失せるとともに訪れる気が無くなるのは当然のことだ。リピーターが呼び込むためには、新鮮味以外で勝負しなければならない。例えば、日本の古くからの街並みには、それなりの伝統や文化があり、生活感が漂う。何度も訪れたいと思うのは、新鮮味ではなく懐かしさで強化されるからである。その他、植物園には季節感、動物園は飼育されている個体とのふれあいといったように、我々の日常生活と共通した何らかの根っこがある。

 ところで記事では、チボリが絶叫マシンを設置していないことが経営難の一因になっているというようなコメントもあった。しかし、そもそも絶叫型マシンというのは、強度の刺激に対する受身的な反応(=絶叫、安堵など)を引き出すタイプの遊具にすぎない。行動分析の分類に従えば「レスポンデント型の快感をもたらす遊具」と言ってよいかと思う。都会の騒音も馴れてしまえば気にならなくなるのと同様、レスポンデント的な反応は馴化がおこりやすい。手を変え品を変えてもいずれは飽きられてしまうだろう。

 ではどうすればよいのか。リピーターを呼び込むのであれば、やはり「そこで遊ぶ」という能動的な行動を強化する必要が出てくる。行動分析の分類に従えば、それはオペラント型遊具と呼ぶことができるだろう。具体的には入園者が能動的に反応し、その量と質に応じて結果が変わってくるようなタイプの遊具。ちなみに既存のオペラント型の遊具の代表と言えばパチンコ、各種ビデオゲーム、自分で運転する乗り物、乗馬、フィールドアスレチックなど。ボーリング場、バッティングセンター、ミニゴルフ場なども同様だ。これらを、テーマパーク独特の非日常型の環境刺激や文脈と組み合わせて導入すれば、刺激の物珍しさではなく行動の「物珍しさ」が強化されることになるだろう。

 繰り返し言うが、刺激の非日常性などはすぐに飽きられる。これに対して、行動側、それも受身ではなくて能動的な行動側の中には常に新鮮味が潜んでいる。その新鮮味は強化されることによってのみ引き出されるのだ。能動的な行動自体に飽きてしまったり、何一つ強化されなくなってしまったら、もはや生きる意味が無くなってしまうだろう。
【ちょっと思ったこと】

エジプト足とギリシャ足

 夕食時に見た「クイズ赤恥青恥」で「エジプト足とギリシャ足の違いは何か?」という質問があった。扁平足のことかと思っていたが、正解は(手の指の呼称で言えば)親指と人差し指のどちらが長いのかという違いだった。私の場合も妻の場合も幾分、人差し指のほうが長かった(=ギリシア足)。とうぜん子どもたちにも遺伝していた。

 その後ネットで検索をかけてみたが、これといった解説サイトは見当たらず。これ以外に「アフリカ足」があるという情報があったが真偽不明。余談だが、この番組では、質問の解答者とゲーム参加者が別々になっている。1/20の日記で、16年前の人気番組「クイズダービー」のことを書いたが、こういう形で生き残っていたとは.....。