じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 春分の日。自転車置き場で一匹のバッタを見つけた。この冬の厳しい寒さに耐え抜いた模様だが、これから先どうするのだろう。



3月20日(火)

【ちょっと思ったこと】

伊東家の食卓の算数パズル

 3/6と同じく、夕食時に「伊東家の食卓」を見た。 食べ残しの天ぷらを水で洗ってから揚げると、揚げたての風味になるというのが役に立った。このほか例によって算数手品が1題。
  1. ジョーカーを抜いたトランプ52枚を使用。
  2. カードをめくって最初に出た数を一番上になるよう、13になるまでの枚数分で山をつくる(例えば「5」が出たときは、5を一番上にして5から13まで9枚を一山に重ねる」
  3. 上記2.と同じ操作を残りが足りなくなるまで繰り返す。
  4. 相手の人に三山だけ選んでもらい、残りを一山にまとめる。
  5. 三山が残っているので、「4、5、6、7、8、...」というように13になるまでの10枚分を一つの山に分ける。
  6. 三山のうち二山を相手に選んでもらい、山の一番上のカードの数と同じ枚数をその山に加える。
  7. 残りの山の一番上のカードの数は、手持ちの残りの枚数に等しい。
というような内容だった。文字で書いてしまうとタネもバレてしまいそうだが、手際よくやれば相手は不思議に思うだろう。

 この手品は結局のところ、相手が選んだ山の一番上のカードをそれぞれ、α、β、γとした場合、
(13-α+1)+(13-β+1)+(13-γ+1)+(13-3)+α+β+γ=52
という計算をしているのと同じことをやっているだけなのだが、相手に任意選択をさせる機会が2回あるため、「なんでそうなるの?」という驚きを与える効果があるのだろう。

[※3/21追記]上記の数式の右辺が「0」になっておりましたので「52」に訂正させていただきます。
この「手品」のしかけは、最後の山の枚数を「13-γ+1」とした場合、その山の一番上のカード「γ」が残りの枚数γに一致するという意外性を演出することにあります。実際には52枚のカードを分割しているだけで当たり前のことなんですが、いろいろ分割している間に、残りが何枚になるのか忘れてしまい、驚きが演出される仕組みになっています。


万物創世記・最終回

 上記の「伊東家」のあと、「たけしの万物創世記・最終回」を途中から見た。この番組は5年半続いたというから、娘の小学校在学とほぼ時期を重ねたことになる。この種の科学番組がこれだけ長く続いたのは、やはり北野たけし氏の個性的な司会の魅力によるところが大きいのではないかと思う。

 最終回は人間の誕生から死までがテーマということだったが、
  • 有性生殖なればこそ多様な種に進化し、環境の激変に耐えうる共生のシステムができあがった。
  • 細胞には分裂の際に1枚ずつ消えていく回数券のような部分があり、その回数券を使い果たすともはや分裂は行われなくなって死を迎える。この意味では死は必然。
  • 有性生殖により生まれる動物は、子孫を育て残すことを使命としている。
という説明は納得できる内容だった。進化というと自然淘汰で強者だけが生き残るように錯覚してしまうが、それと両輪となって地球生命の火をともし続けたのが有性生殖によっって生まれる多様性であった。つまり、地球上では最も強い種が一種だけ生き残るということは決してありえない。個別には弱肉強食が物を言う場合があっても全体としては多様性の中で影響しあいながら子孫を残し続けてきたのである。そういえば3/20はちょうど春分の日であった。「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」という発想は、「多様性を尊重し、共生の道をさぐる日」と言い換えてもよいのではないだろうか。

 人間社会の場合も、この視点は原則として当てはまるだろう。あくまでアナロジーにすぎないが、
  • 横並びの結果平等主義
  • 特定の価値観で支配する単色思想の世界
  • 強者だけが生き残るような競争原理一辺倒の社会
  • サービスばかりを求め、自己責任を果たすことのできない個体の寄せ集め
  • 周囲に無関心な、孤立した個体の寄せ集め
は、いずれも多様性と共生に基づく適応の道からは外れている。多様性と関係性の上にこそ個性は輝くと考えるべきであろう。
【スクラップブック】
  • ロシア政府は20日の省庁間会議でミールの落下最終段階の軌道や日時を決めた。日本時間で23日の15時半頃、ニュージーランド東沖の太平洋上に落下する見込み。その直前の14時半頃、高度170kmの高さで中国・四国地方上空を通過するという。