じぶん更新日記1997年5月6日開設Y.Hasegawa |
バレンタインデーということで、妻と娘は昨日からチョコレート菓子づくりに熱中。「○○にプレゼントしたい」という気持ちよりも、菓子を作ること自体に楽しみを感じているように思えた。写真は、この日のために妻が買ってきた「ナチュラル ハート」という商品名の多肉植物。正式には「サクララン」というホヤの一種のようだ。 |
【思ったこと】 _10214(水)[心理]今年の卒論・修論から(8)コンピューターを介したコミュニケーション(2)ネット上でのコミュニケーション不安 2/12の日記の続き。今回の卒論の中に、ネット上でのコミュニケーション不安をとりあげたものがあった。ここでいうコミュニケーション不安(Communication apprehension; 以下CA)は、狭義の意味での対人不安として捉えられたものであり、例えば、「初対面の人と会うとき」、「就職の面接」、「人前でのスピーチ」、「目上の人との会話」などで感じる不安が挙げられるという。執筆者の主たる関心は、CMC(コンピューターを介したコミュニケーション、Computer-Mediated Communication)のメディア的特性のどの部分がCMC上のコミュニケーション不安に影響を及ぼしているのかを探ることにあった。併せて、現在CMCというコミュニケーションが人々にどのように認識されているのか、そしてどのような利用がされているのかについても検討された。 具体的方法としては、200名を超える大学生(男性のほうがやや多い)を対象に
以上、方法と結果の概略を紹介させていただいたわけだが、当初の目的である、「ネット上でのコミュニケーションにおいて、どのようなメディア的特性が不安低減に関係しているか」という点に関しては、上記1.の結果に基づいて、「CMCは自己開示や自己演出が容易なコミュニケーションだ」とか、「新たな出会いの場だ」と認識することが、CMCでの不安の低下につながるかもしれないという可能性を示す」というレベルの結論を引き出すにとどまった。 今回紹介した卒論研究はきわめてボリュームのある内容であり、その努力は大いに評価するが、議論の展開に関してはいくつか疑問を呈せざるを得ない。
「現在、○○がどのように認識されているのか、そしてどのように利用されているのか」という問いかけは、現在を生きている我々の大きな関心事ではある。しかし、その背景には、
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【ちょっと思ったこと】
実習船沈没事故の「癒し」 愛媛県立宇和島水産高校の漁業実習船えひめ丸が、米原潜グリーンビルの急浮上のために沈没した事故をめぐって、救助された生徒たちや、行方不明者の家族に対して、カウンセラーを派遣する対策が検討されているという。事故にあった関係者が受けている心の傷は我々の想像を絶するものであり、そのような対策が早期にとられること自体は大いに結構なことだとは思う。ただし、「カウンセラーさえ派遣すれば何でも解決してくれる」というような過剰な期待は禁物であるし、「ちゃんとやっています。あとはお任せ」という行政側のアリバイに使われるのも問題。また、どういうセラピーが導入されるのかについても、第三者によってきっちりと評価されることが必要ではないかと思う。 このさいはっきりさせておいたほうがよいと思うのは、阪神淡路大震災の時に被害者が受けた心の傷と、沈没事故によって受けた心の傷では根本的に性格が異なっているという点だ。 大震災の場合は基本的には天災であって、人間ができることには限りがあった。いくら地震が起こったメカニズムを解明したところで癒しにはつながらない。これに対して、今回の事故はあくまで人災である。
森首相の言い訳の問題点その後 2/15の朝日新聞によれば、森首相が「実習船事故への対応に問題はなかった」とする姿勢を崩さない点について、宇和島の関係者から疑問の声が上がっているという。
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