【思ったこと】
_01202（土）[一般］「今世紀のうちに」の幻想と実績評価
20世紀もいよいよあと一カ月を残すだけとなった。昨年12月31日の日記で「西暦2000年は12月31日になって初めて祝うべきであるという無粋な話」を書いたことがあったが、いよいよその12月31日が間近にせまってきた。西洋の暦、しかも1つの通過点にすぎないとはいえ、やはり「世紀の変わり目」は社会的にも大きな意義があるように思う。
Googleで「今世紀のうちに」という語句の含まれているサイトを検索すると61件がヒット。目に留まったフレーズを拾ってみると
- 今世紀につくった核兵器は今世紀のうちに廃棄
- ２０世紀に発生した公害事件を今世紀のうちに判決を出す
- 今世紀のうちに日朝国交交渉を軌道にのせ.....
- 印度が今世紀のうちに克服したいハンセン氏病撲減.....
- 映画の著作物の問題は今世紀のうちに整理しておいてほしい。
- 前近代的な犯罪報道は今世紀のうちに改革したい
- 忘れ去られていたアイヌ隊員と南極に散った犬たちの霊を今世紀のうちに供養できてうれしい
- 人間の応答を模倣するコンピュータがおよそ50年もすれば、つまり今世紀のうちに、できるであろうという主張
- 沖縄県の悲願である過重な基地負担の是正は、「今世紀中に起きたことは今世紀のうちに清算したい」(野中広務官房長官)とする政府の大きな課題
- 核兵器保有国は、当面、包括的核実験禁止を同条約に並行させるとともに、少なくとも今世紀のうちに、すべての核兵器を完全に廃棄するよう、期限をつけた目標を世界に示すべきである。
- 「今世紀に起こったことは、今世紀のうちに」という、当時の橋本龍太郎首相の言葉
- 20世紀の医学史に人類が科学の名において行なった最大の誤りとして記載されるべき、むし歯予防へのフッ素の導入を、今世紀のうちに終わらせることはできないでしょうか。
- 今世紀の汚れ 今世紀のうちに
- 今世紀のうちに、国の戦争責任を明らかにしたい。
- 今世紀の脂肪は今世紀のうちに！♪
これらのフレーズは
- とにかく「今世紀のうちに」ムードにあやかって日々の努力に邁進しようというキャッチフレーズ
- 今世紀はまだだいぶ残りがあるのでそれまでには何とかなるだろうという、無責任かつ楽観的な見通し
というように大別できるかと思う。しかし、12月に入り、もはや「今世紀のうちに」イコール「今月のうちに」。そして12/31ともなれば「今世紀のうちに」イコール「本日のうちに」となってしまう。いまや見通しや展望を述べる時期ではなく、それに向けた努力がどこまで達成されたのかを評価する時期に来ているとも言える。上記にはないが、地球温暖化防止のためのCO2削減交渉、北方領土問題解決なども今世紀のうちに解決するはずだったと思うのだがどうなっているのだろうか。
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![[今日の写真]](_01202pic.jpg)
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