じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 岡大事務局近くにある楷の木。真っ赤に染まる農学部前の楷の木と異なり、こちらは黄色に変化する。



11月21日(火)

【思ったこと】
_01121(火)[心理]ゼミ掲示板書込み強化月間/「ゼミマネー」は成り立つか

 私の教室では数年前から、教員別に修論、卒論、学部3回生を集めて縦割りの指導をする「ゼミ」方式が導入された。実際に集まるのは毎週1回2コマ分だけだが、これだけではなかなか個別指導する時間が確保できない。しかも今年度は全学の委員を引き受けていることもあって、会議のために合計15時間以上拘束される週もある。教員と学生・院生との個別指導だけを行うのであればEメイルだけでも充分ではあるが、これでは、学生からの同じような質問に同じように答えなければならず、しかも年度が替わるたびに、毎年同じことが繰り返されるばかりで蓄積されない

 こうした不備を補うために、最近、各卒論生あるいは研究テーマ別の3回生のグループ別に、専用の非公式サイトと付設掲示板を設置した。これにより、ネット上で、卒論下書きについて論評したり、実験や調査の相談に応じられるようなった。「教員←→学生」ばかりでなく、学生がこれらの掲示板で相互にリビューをすれば、「教員→学生」という一対一型の指導ではカバーしきれない面を補い、また指導内容を共有し、後輩に伝承することが可能となるはずだ。

 しかし、実際にこういう掲示板を作ってみても、書き込んでくれる学生は2〜3名にとどまってしまう。その原因としては、
  • 他者の研究内容を批評することを好まない傾向
  • 他者の研究内容にはいっさい関心を示さず、ひたすら自分のことだけに専念する傾向
のいずれかが考えられる。どっちにしても、書き込みをいかに強化するかというのが大きな課題となっている。

 その方法としてすぐ思いつくのは
  1. 書き込み1件について成績を1点ずつ加点する(=点数という付加的好子を出現させる随伴性)
  2. 毎月20件以上の書き込みをしないと減点する(=点数という好子の消失を阻止する随伴性)
  3. 大学院生がTAとして書き込む(=給与をもらってTAをするという点では、金銭による好子出現の随伴性)
  4. 書き込み件数を棒グラフにして競争させる(=他者より優越、もしくは他者に劣るまいとする強化)
もちろん、いずれのケースでも、内容を伴った書き込みだけをカウントするものとする。

 しかし、成績の加点はいくら高得点になってもそれほどのメリットがあるわけではなく、効果はあまり期待できない。減点法をとった場合は、阻止の随伴性特有のノルマ的状況が発生し不評をかう。そこで、よりポジティブに強化するために考えたのが、「ゼミマネー」の導入だ。ゼミマネーというのは先日11/16の日記で肯定的にとらえたエコマネーをもじったものであり、ゼミの中で他の構成員に対して何らかの貢献をした時にこれをトークンで強化しようというアイデアである。

 ゼミマネーが成績加点・減点と最も異なるのは、そこに交換価値を持たせるという点である。どういう行動をゼミマネーの対象とするか、そして交換価値の範囲をどう定めるかということだろう。

 最も単純な「流通」は、他者からリビューを受けた場合にその内容に応じて1〜2「ゼミ」を支払うというもの。こうすればリビューをする側はその回数と内容の質に応じてゼミマネーを貯めることができる。ゼミマネーが貯まれば貯まるほど、他者からもたくさんのリビューを受けられるという利点がある。

 これ以外の交換価値としては、統計処理の際のデータの打ち込み、データ卒論清書時の校正、図版作成などの依頼なども考えられる。こうした交換価値をどこまで確保できるかが成否のカギとなるだろう。

 エコマネーの場合も、ホンモノの貨幣の場合も同様だが、交換価値は安定的に確保されなければならない。インフレやデフレが起こるようだと活気を失う。このあたりのコントロールをどうするかも今後の課題となりそうだ。
【ちょっと思ったこと】

動物の気持ちになって反省?

 11/20の朝日新聞記事によれば、熊本県玉名郡内の小学校で、写生大会の絵の題材が同じだったなどとして、クラス担任の男性教諭(33)が小3の女児7人を丸裸にさせていたことが19日、わかったという。記事によれば、この男性教諭は「自分で考えないのは動物と同じ。動物の気持ちになって反省しなさい」と言って服を脱ぐように指示したというが、「動物の気持ちになって反省する」という指示は「動物は自分で反省することができる」という仮定のもとになりたつので「動物は自分で考えることができない」という前提と自己矛盾を起こしているように思う。記事段階で脚色された可能性もあるが、要するに児童に対するセクハラに理屈を後付けしただけのことではなかろうか。



大リーグの長谷川投手

 昼食時、NHKの「スタジオパーク」の前半の部分を見た。この日のゲストは大リーグで活躍している長谷川滋利投手。子供のころテレビで大リーグの試合を見た時、打席からの距離を示すために外野フェンスに書かれている「300」とか「400」といった数字をメートルであると勘違いし、大リーグの選手はとてつもなく大きなホームランを打つものだと思いこんでいたという。このほか
  • 球を投げる時は相手しか見えない(=自分の小さい体は映っていないので比較できない)
  • 大リーグにあこがれたというよりも、アメリカでの生活にあこがれた。
  • ご飯とみそ汁と漬け物の日本食が一番好き。
などと語っていた点が面白かった。先日、タモリさんの番組でたまたま佐々木投手が出演されているのを見かけたが、何はともあれ、日本の野球選手が海外で活躍できるというのは喜ばしいことだ。もっとも、日本のプロ野球が大リーグ二軍みたいになるのはゴメンだけれど。余談だが、佐々木投手の話の中で、米国(シアトルだけ?)では、卵を生のまま食べることが法律で禁止されているとか言っていたが、これは衛生上の問題なのだろうか、それとも宗教上の問題?どなたか情報をいただければ幸いです。
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