じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 農学部南側の銀杏並木。南北通りに比べると黄葉が遅く、まだ黄緑色が混じっている。右の写真は、毎年、他の銀杏の葉が散った頃に黄葉を始める不思議な木。今年も同じ光景が見られそうだ。 [今日の写真]



11月9日(木)

【ちょっと思ったこと】

「いのちの交換日記」

 夕食時にNHKにんげんドキュメント「母と子・いのちの交換日記」を見た。登場したのは岡山県金光町に住む夫婦子ども二人の家庭。「母」はかつての森永砒素ミルク事件の被害者であり、幼少の頃よりさまざまな病苦を克服し、出産は無理という医師の警告をふりきって二人の子どもを出産。現在、長男は14歳、長女は12歳ということで、年齢的にも家族構成も我が家とよく似ていた。

 この母親は一年ほど前に医師から重い肝臓病の宣告を受け、これをきっかけに息子、娘それぞれとの間で交換日記をつけ始めた。日記といっても更新(←これはWeb日記用語?)は週1回程度。「日記」というタイトルの割には、交換日記それ自体の内容はあまり紹介されず、日記をつけることがどういう意味をもたらしたのかが今ひとつ伝わらなかった。もっともこれは、文字を大量に提示できないTV番組という特質、プライベートな内容を多く含む(筆記式)の日記という性質上やむを得ないことかもしれない。小6の娘さんはインタビューの中で「お母さんが死んだときのことなどは考えていない。そういうマイナス思考ではダメ。いまいかに充実した思い出をつくるかが大切」というようなことを言っておられたが、小6で自分の実践の中からこれだけの言葉が出てくるというのはスゴイと思った。

※[11/10追記]こちらに番組の紹介があった。

「発掘成果を疑う目」その後

 11/6の日記で取り上げた発掘捏造問題で、2年前に学術誌で藤村氏の「発見」への疑義を表明した竹岡俊樹氏が11/10の朝日新聞オピニオン欄に登場。
  1. 前期旧石器時代の遺跡や遺物の90%以上を一人の“超能力者”が発見することの奇妙さ。
  2. 原人は全身を筋肉に覆われた、私たちから見れば怪物のような存在。腕の力は強いが調整はできない。
  3. 自分にとってその石器がどう見えるかということではなく、制作した旧石器時代人がどのように分類したかを知るのが石器研究の本来のテーマ。そのためには対象(石器)と自分とを切り離して分析しなければならない。
  4. 二年前の論文で、藤村氏を“超能力者”と表現した部分は“個人攻撃になるから”と削られてしまった。
といった部分が大いに参考になった。特に3番目の点は、動物行動の研究でもあてはまることだ。つまり、
自分にとってその動物の行動がどう見えるかということではない。その行動がその動物においてどのように強化(あるいは解発、誘発...)され、その動物にとってどう機能しているかを知るのが動物行動研究の本来のテーマ。
と言い換えることができるだろう。例えば、カルガモの雛が親鳥の後を行列を作って行進する様子、キタキツネの子別れの「儀式」、忠犬ハチ公の行動などもこういう科学的な視点で分析することが必要。子ども向けの情操教育の一環としては、擬人的な表現で賛美することも大切であろうとは思うけれど。


今週はとうとう5日連続の会議

 相変わらず会議の多い毎日が続いている。
  • 月曜日:18時〜20時(全学、福利厚生関係)
  • 火曜日:14時〜17時(学部、FD関係)
  • 水曜日:13時半〜17時半(学部、教務関係)
  • 木曜日:17時半〜20時半(学科会議)
  • 金曜日:17時から??(全学、FD関係)
会議が多い一番の原因は、教務関係とFDの仕事を両方引き受けていることにあるようだ。来年度はもう少し負担を減らしてもらわなければ.....。



過激派最高幹部の逮捕

 ○信○子容疑者が逮捕されたという。このことでよく分からないことが3つほどある。
  • 今回の逮捕はハーグ事件の逮捕監禁容疑(その後、同事件における殺人未遂容疑追加)だというが、新聞記事によればこの事件はオランダのフランス大使館で起こったものだという。とすると、オランダもしくはフランスに引き渡され、その国の法律で裁かれないのだろうか。日本人だということで日本が逮捕や裁判を行うというのは一種の治外法権のほうにも思えるのだが、何故だろうか。
  • 同じく新聞記事によれば、逮捕監禁罪の公訴時効は5年だが、国外逃亡により時効は中断されているという。この場合の時効中断は警察側に立証義務があるのだろうか。それとも容疑者側が国内に5年以上居住していたことを立証しなければ時効成立とならないのだろうか。○信容疑者の場合は、最近では頻繁に北京との間を往復していたというが、それ以前のことはどちらに立証義務があるのだろうか。
  • 少し前に発掘捏造事件が話題になったが、今回逮捕された女性が本物の○信容疑者であるということはどうやって証明するのだろうか。指紋だけで決めるのだろうか。
 「○信○子逮捕」と聞いて、ああ、あの人かと思い浮かべることができるのは40歳代後半より上の世代だろう。いまや、大学構内での過激派の振る舞いは古典芸能に等しいという皮肉さえ口にされる時代。○信○子容疑者はともかくとして、不安定な逃亡生活よりも日本の刑務所で暮らすほうが老後は安泰という連中も多いに違いない。
【スクラップブック】