じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa


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[今日の写真] 一昨日の日記にアップした写真について、「サワトウガラシ」ではなくマツバウンラン(松葉海蘭)ではないかとのご指摘を複数の方からいただいた。マツバウンランという言葉は全く聞いたことが無かったが、幸いgooで検索するとこちらに解説があった。特徴からみて、間違い無さそうである。ということで、5/16朝に再度撮り直した写真をここにアップします。情報をどうもありがとうございました。学名が「Linaria canadensis」となっているとおり、花屋で売っている「リナリア(姫金魚草)」と花の形が似ている。同じような形の花にネメシアがあるが、ネメシアというのはギリシア語で金魚草を意味するそうなので、3者に共通性のあることが花の形からも、名前からも頷ける。



5月16日(火)

【思ったこと】
_00516(火)[心理]バスジャック事件についてもクリティカルな視点が必要(その4):一貫性と「規範意識」の普遍性

 5/12の日記の続き。前回の日記に関連して、ある読者から次のようなご意見をいただいたので御紹介させていただく。
「政治家が規範を守らないから子どもが規範をもてない」という意見が良くありますが、その意見はそれこそ「お上意識」の逆の現れなのではないかという気がします。

もし出来ることであれば、というか理想論を言えば、市民(国民でもいいが)ひとりひとりが自らの規範をきちんと持ち、子どもにそれを受け継がせる、というのが本来なのではないかと思います。どういう規範を持つべきなのか、それはもちろん社会的なものなのだから広く意見の交換があっていいとは思いますが、「政治家が悪いから」「官僚が悪いから」「警察がだらしないから」とうのは本末転倒であるような気がします。

そうなってしまっているのは、実際には国民、ないし市民のひとりひとりが、自分の持つ規範にほんとうには自信が持てないからではないかと思います。

アジアの伝統社会では、お上が下々に規範を与えるというのが基本的な文化のパターンであったと思います。それの良し悪しを云々してもしかたがないと思いますが、規範の崩れかけている社会で政策上お上が規範を提案するということはやむをえないことではないかと思います。でなければ英米社会のように一つの社会運動として新しい規範を提案するしかないのではないでしょうか。禁酒運動や、慈善運動のように。それが日本の風土でどのくらいの有効性をもつか、分かりかねますが。
いただいたご意見はまことにもっともであり、「少年の非行が多発するのは政治家や大企業のヘッドが平気で悪いことをするからだ」という理屈は、あまり生産的でないと思う。ただ、私が言いたかったのは、規範意識の内容やそれを守る、守らないという議論とはやや性格を異にしており、再掲すれば
  • 「規範を守る行動」自体が強化されるようなシステムを作らなければ、状況を超えた一貫性のある「規範意識」は形成されない。要するに、監視されている場所では守るが、監視の無いところでは平気でルールをやぶる行動が生じてしまう。
  • 規範意識の一貫性を高めるためには、一貫性を保つことの手本が示されていかなければならない。政治家が選挙のたびに所属政党を変わったり、与党の枠組みがころころ変わるようでは、状況依存型(よく言えば「臨機応変対処型」、悪く言えば、場当たり的に、その状況に依存し、その状況に限定された目先の最善策に合わせて行動すること)の行動のほうがお得という実例を示しているようなもの。
というもの。「規範意識を守ることで社会を改良していこうとするならば、その前提として、ルールに対する言動、態度、行動の一貫性が保障されるようなシステムを作ることが前提」ということを言いたかったのである。
  • 汚職をする政治家は規範意識を守らない人
  • 所属政党をコロコロ変わったり、言動を変える人は、一貫性が無い人(規範意識を守っているかどうかは別の問題)
という点で区別される。

 もし、その社会の多くの人々が周囲の状況に合わせてコロコロと言動や行動を変えてしまうようなら、規範意識は制御力を失う。その場合は、規範意識に頼らない形で望ましい行動を保障する別のシステムを構築する必要があるというのが私の主張内容である[関連記事がこちらにあり]。

 ここで「ルールを守る一貫性」という時の「ルール」は社会的に望ましくないと考えられているルールを含むものである。例えばヤクザが「任侠道」に基づいて殺傷事件を起こすこと、革命家がその思想に基づいてテロを起こすことなどは、ルールの内容自体には問題があっても、ルールを守る一貫性を示したという点では同様に扱われなければならない。

 それから、「規範意識」の元となるルール自体、適用範囲をめぐって階層構造をなすものであると考えていく必要がある。絶対的に正しいというようなルールは、たぶん存在しない。例えば「人を殺してはならない」はいっけん絶対的な真理であるように思えるが、戦争の時に敵を倒す行為、凶悪犯罪者を死刑に処する行為をどう扱うか、脳死による死を認めるかどうか、などによっては意見が分かれるところだろう。

 時間が無いので、この続きは次回以降とさせていただくが、例えば、一国の首相がが自分の信念に基づいて発言したことを、「誤解を招くようであれば取り消す」などという理由で撤回するようなことがあれば、これはルールに対する一貫性を欠いた行動と言わざるを得ない。今後の動向に注目したいと思っている。
【ちょっと思ったこと】
【今日の畑仕事】

ゴボウ種蒔き(最終)。エンドウ、小松菜、ブロッコリー、イチゴを収穫。
【執筆開始三周年記念クイズ正解(3)】

 三周年記念クイズ正解発表の最終回。3枚目の正解は、イラン・イスラム共和国のム(モ)バラケ公園であった。ヒントとしては昨日同様、いずれも私がこの一年以内に訪れた場所です。となっていること、3枚目の場合は、植生や山の形から外国であることを考慮し、この1年間のうちに私が訪れた唯一の外国であるイランの写真であることが推理される。同じツアーに参加された大沢さんの写真の中に、同じザーヤンデ川の風景、皆既食の写真などが掲載されている(よく見ると、食事風景の写真の後ろに私が写っている)。このほか、スカイウォッチャーの1999年11月号(だったと思う)に、この川を前景にした美しい皆既食の写真が掲載されている。

 このクイズの正解者はへたちゃん様お一人だけ。誤答としては、四万十川が2名おられました。

 ということで、今回の「じぶん更新日記執筆三周年クイズ」の最高点獲得者は、3問中2問正解されたへたちゃんに決定しました。ぱふぱふ。なお、明日以降は、アンケートの結果について少しずつ報告していく予定です。
【スクラップブック】