じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 洋梨の花と実。いわゆる「狂い咲き」により、梨の白い花がいくつか咲いていた。実と一緒に写っていることで秋の花であることが分かる。


10月25日(月)

【思ったこと】
991025(月)[教育]日本人が「日本型英語」を使えるようになるための「Japenglish」のすすめ(3)減点をせず自由な「英語」表現を自発させる英語教育のススメ

 昨日の日記の続き。本日は、中学でどう英語を教えるか、私なりの考えを述べたい。初めにお断りしておくが、私は英語教育の専門家ではない。ここに述べることは、シェイピングの原理からの提言。「これが正しい」という主張ではなく、「こういうことも検討してみたら」という思いつき程度のものであることにご理解いただきたい。

 まず、23日の日記で記した
少なくともシェイピングの初期の段階では「誤反応」であっても強化するということ。初めから、誤反応と正反応の区別をするのではなく、よく似た反応がたくさん起こるように強化し、反応が頻繁に生じるようになった段階で適切な部分だけを分化強化し、さらには手がかりとの対応関係(=弁別)を学習させていくということである。
をどう実現するか考えてみたい。このために必要なことは、教育場面において生徒が誤反応を自発しても決して弱化しないことだ。例えば英語の小テストで英作文問題を10題しか出さなかったとすると、10題中4題の解答に誤りがあれば最大40点分が減点されるが、これは誤反応を弱化したことになるので望ましいテストとは言えない。むしろ、100題とか200題というように制限時間内には決して全問解けないぐらいのたくさんの問題を出して、(ここではネイティブな英語文法からみて)正しくできた解答の数をそのまま点数とする。満点というような上限は設けない。もちろん減点もしない。こうすれば、英語で書く、話すという全般的な反応(誤反応を含む)の自発を弱化する恐れは小さくなるはずだ。

 次に、24日の日記で取り上げた
Japenglishを使う時は日本語は忘れてJapenglishで考えろ。
の実践。このためには、和文英訳直訳型の訓練を一切ヤメることだ。例えば、
次の日本語文を英語に直しなさい。「恋愛だけが人生じゃあないさ。他にも素敵な人がいっぱいいるはず。過去のことは忘れて前向きに生きていこう。」
という問題を出すのではなく。
あなたの親友が失恋してしまいました。あなたならどういう言葉をかけますか。英語で思ったとおりに答えなさい。
という問題を出せばよいのだ。あるいは、ある美しい風景写真を見せて
この写真を見てあなたが感じたことを、感じたままの英語で書きなさい。
でもよい。さらに創造性テストみたいになるが
「墓」、「コイン」、「船(舟)」という3つの言葉全体から連想される英語の単語または文をできるだけたくさん書きなさい。
なんていう問題でもよいだろう。

 このようなことを書くと、「それではどうやって採点すればよいのか」、「英語の先生に負担がかかるのではないか」といった疑問が出てくるかもしれない。しかしそれは(ネイティブな英語からみた)「誤反応は直さなければならない」という固定観念にとらわれているから疑問に思うだけのことである。誤反応を直さなくてよいとすれば、教師側も減点に気を遣う必要はない。得られた解答のなかで「これはすばらしい表現だ」と思ったところだけを褒めればよいのである。

 この連載はとりあえず本日で終了する予定であったが、時間が無くなったのでもう1回分だけ延長の予定。次回は、
  • 単数形とか複数形、不定冠詞、定冠詞なんて教える必要ない。
  • 動詞の不規則変化なんて教える必要ない。
  • 日本文で主語が要らないような表現だったら、主語を省略してしまえばよい。
  • 無生物主語で始まる能動形なんてクソ食らえだ。
  • 「日本人が共通して誤りやすい文法表現」なるものがあるならば、それは日本型英語Japenglishの特性として公認していけばよい。
といった過激な発言をする予定。
【ちょっと思ったこと】
【本日の畑仕事】
ミニトマト、小松菜、チンゲンサイ、大根菜を収穫。水まき。。
【スクラップブック】