じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] ハナミズキと新緑。岡大の東西通りのハナミズキが花を開き始めた。去年より1週間ほど遅いように思う。ハナミズキは写真に写すと意外にみすぼらしく見えることがある。下から撮るので明るい空に向かって逆光になってしまうこと、ハナミズキの赤っぽい花は、見た目に比べて本当は茶色っぽいことなどが一因ではないかと思う。ここでは鮮やかさを引き立たせるために新緑を背景に撮影してみた。


4月23日(金)

【思ったこと】
990423(金)[心理]選挙カーで大声を張り上げるのはなぜだろうか

 統一地方選挙後半戦もいよいよあと一日を残すだけになった。4月18日の日記でもとりあげたように、選挙カーによる宣伝はかえって逆効果、大声で名前を叫ぶことは不快感をもたらすだけで得票の増加には決してつながらないと私は思う。

 こういう話題がネット上でなぜ4年前にも取り上げられなかったのかとふと思ったが、考えてみれば4年前には、個人のHPやWeb日記はまだそんなにたくさんは無かった。ネット上で文句を言う人が増えたのは今度の地方選挙が最初であったとしても不思議ではない。

 さて、それではなぜあのようにボリュームをあげて「○○です、よろしくお願いします!」を連呼するのだろう。行動分析学的に見るならば、ある行動が活発に生じている場合、そのには必ず結果が伴って強化されているはずである。ところが現実には「宣伝カー → 当選」という行動随伴性の図式は必ずしも明確でない。選挙活動は、企業や労組を通じた組織票固め、電話、葉書、チラシ配布というように多様であり、宣伝カーによる連呼がどのていど得票に貢献したのか誰も確認できないからである。

 ここで実験箱のハトがボタンをつついて餌を出すという行動を考えてみる。仮にあるハトがボタンをつつく直前に、箱の中を左回りに一周し、首を上下に2回振り、クーッと鳴いてからボタンを押したとする。このばあい、餌は、それらすべての行動を強化する可能性がある(←行動随伴性は因果性とは必ずしも一致しないのだ)。そういう「無駄な」行動がボタンつつきにくっついて強化されてしまった場合、それらは「迷信行動」と呼ばれる。人間でもよく見られる迷信とかジンクスと何ら変わりがないしくみだ。 もっとも、大概のハトは、ボタンつつき以外の「無駄な」反応を止めてしまうだろう。それは、「ボタンつつき以外の行動をしなくても餌が出る機会」と、「それらの行動をしてもボタンをつつかない限り餌が出ないという機会」を繰り返し体験するからである。

 ところが、ふつう選挙活動は一体化して行われるので、選挙カーを走らせずに当選するケース、もしくは選挙カーを走らせたことによって落選したケースというのを単独で体験することができない。そのことが迷信化の原因となり、名前と「よろしく」だけの無意味な連呼をもたらしているように思う。

 ところで、ある行動が活発に生じているからといって、そこに常にポジティブな結果が伴っているとは限らないことにも留意する必要がある。昨年12月17日の日記に書いたように、競争社会ではしばしば「阻止の随伴性」が大きな影響を及ぼす。選挙について言えば、「自分だけ連呼を止めると落選してしまう」という、好子消失を阻止する随伴性が大きくはたらいている可能性がある。他の候補者が声を張り上げているのに自分だけ静かにしていたら、何となく不安になってくるに違いない。

 そういえば京都府野田川町では選挙最終日の24日に春祭りが行われるため、町議選の候補者が選挙カーやマイクを使った宣伝を自粛することになったという[4/24朝日]。ここでは「祭りの日に宣伝カーを走らせると逆に反発され落選する」という随伴性が浮かび上がってくるため、協定に加わらない候補者も結果的に自粛せざるをえない状況が生まれる。

 言論の自由を最大限に保障するためには宣伝活動の制限は極力避けるべきであろうとは思うけれども、とにかく、音声のように受信者側が拒否できない一方通行的な刺激をまき散らされるのは大迷惑だ。葉書やチラシの配布、地声で町中を練り歩く程度の宣伝の中で内容を伴った選挙活動を行ってもらいたいものであると思うのだが、残すところあと一日。「最後のお願いにあがりました。」や「あと、一息です」が押し寄せてくるのは必至だ。窓を閉め切って音楽でも聴きながら仕事をするしかないか。
【新しく知ったこと】

 岡山リビング新聞社・全国リビングネットワークが主婦を対象に実施した調査によれば、一家の財政管理を誰がしているかという問いに、自分一人(=妻)と答えた人が54.6%。これは全国平均49%を大きく上回り全国トップだという。もっとも、このアンケートは無作為抽出により集められたものではなくて、応募の葉書を集計したもの、人数も536人だというから、果たして岡山の特質なのか偶然的な変動の範囲なのか、今ひとつ分からない。いずれにせよ、この新聞を読んだ上で積極的に葉書で回答した人の比率ということらしいので、「妻優位」の比率が高めに出ることは確かだろう。
【新しく知ったこと(2)】 [銀杏] 昨年12月9日の日記で、農学部農場内に葉の落ちない銀杏が1つだけあると書いた(写真左)。不老不死のミュータントかとも思ったが、じつはその逆だったようだ。4/24の朝の時点で撮影した写真がこちら。よく見ると幹の下のほうの枝からはわずかながら新芽が出ているが、上部はどうやら枯れてしまった模様。となると、昨年12月の時点ですでに樹勢が衰えていて落下を促進する働きが機能しなかったために葉が残ったという可能性が高い。死ぬ前に一世一代の花を咲かせたといったほうが感動的ではあるけれど...。
【生活記録】
【5LDKKG作業】
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。)】