じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 洋梨の花。農学部農場にて。桜と同じく花期は短い。


4月15日(木)

【思ったこと】
990415(木)[心理]生きがい本の行動分析(3):人生の主目標をどこに置くか

 昨日の日記では、生きがい本の内容が本質的には大差ないという見通しを述べた。とはいえ、目標一途の人生をめざる本、多様な趣味をもつことを進める本、信仰に根ざした生きがいを説く本では、強調点が異なる。これらに記されている諸々の記述は、行動随伴性の視点からいくつかのパターンに分類することができる。今日のところは、行動の結果をどこに置くかという時間的・空間的なレベルでの分類を試みてみたいと思う。

 ここでいう行動随伴性とは、「〜すれば〜という結果が生じる」という形で記述されたものをいう。しかし現実の日常生活では、行動に対して直ちに結果が生じるものはきわめて少ない。農作業の楽しみを説いた本、いろいろな趣味の楽しさを紹介した本などを除けば、大部分の結果は、時間的、空間的に離れたところに想定される。ここでは空間的に3種類、時間的に3通り、合計3×3=9通りの分類を試みることにしよう。
  • 時間的分類 
    • A:結果が短日間のうちに生じているかどうか、
    • B:自分の生存中に結果を想定しているか、
    • C:自分の死後に結果を想定しているか。
  • 空間的分類 
    • X:直接的であれ累積的であれ自分の行動が確実に影響を及ぼしうる空間、
    • Y:集計的な効果は客観的に検証できるが、自分の行動の影響があまりにも小さく、直接的には結果を確認できない空間、
    • Z:自分の行動の影響が効果が直接的にも間接的にも、客観的に確認できない対象。
 このほか、現時点では当人に何の影響を及ぼしていないような結果の存在を強調することで、あらたなルール支配行動の形成をめざす場合もある。横軸に時間的スケール、縦軸に空間的なスケールをとって、具体例を掲げるとこちらの表のようになる。

 ここでは、「行動とその結果」という書き方をしているが、現実にはそれらの結果が直接随伴するわけではない。そういう意味では、「人生の目標」という言葉に置き換えても大きく意味が変わることはないだろう。

 これだけの分類ならば、わざわざ行動随伴性の概念を持ち出すまでもない。問題は、「〜すれば〜という結果が生じる」というルールに基づく行動を日常的に維持するために、どのような直接的強化が付随しているかということだ。そのプロセスを明らかにすることこそに、行動分析の本当の意義があるように思っている。次回以降に続く。
【ちょっと思ったこと】
  • 夕食後の夫婦の散歩のコースとして、ライトに照らされた八重桜見物を兼ねて久しぶりに大学構内を回った。ここを通るのは新学期開始後、初めてのことである。

     普通の大学で21時前後と言えば、理系の一部の実験室を除いて静まり返っているのが普通であろうが、岡大の場合は法学部・経済学部に二部(夜間)があるので、昼間以上に賑やかだ。

     昼間の大学構内は構内の交通規制が厳しく、車は指定の駐車場枠内にきっちりとめられている。夜間は、枠外の駐車禁止区域の道路にもたくさんの車が縦列駐車される。自転車やバイクも同様だ。それでも最小限のルールは守られているらしく、特段の混乱は見られない。時計台前の広場のベンチでは授業を終えた男女が談笑している。昼間はひっそりとしている二部の学生会のボックス前にもたくさんの学生が集まる。その顔ぶれの中には私が教えている学生は一人も居ない。昼間とは別の世界が誕生しているような錯覚に陥る。
【生活記録】
  • 夕刻、多数のコウモリを見る。
【5LDKKG作業】
  • 忙しくて立ち寄れず。
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。)】