じぶん更新日記1997年5月6日開設Y.Hasegawa |
文・法・経学部講義棟前に咲くスノーフレーク。和名の「鈴蘭水仙」もよく似合う名称だ。と言いつつ、花の付き方や形はスノードロップにも似ている。簡単な見分け方があったらぜひお教えいただきたい。 |
【思ったこと】
990318(木)[数学]「平均順位?」その後 3月18日の朝日新聞にノルディックスキーのW杯ジャンプの総合優勝争いの得点ルールが紹介されていた。それによれば、各大会で優勝すれば100点、2位80点、3位60点、4位50点、以下30位の1点まで傾斜配分で得点が与えられるという。これを読んで、先月2月24日の日記で、NHK教育の「秋山仁の数学タイムトラベル」に関連して、順位は平均できるかという問題について考えたことを思い出した。 統計の初歩的な事柄について復習しておくと、(算術)平均ができるのは間隔尺度以上(比率尺度を含む)に限られる。間隔尺度とは差(間隔)が意味をもつような数量であり、例えば、摂氏の温度のようなもの。この場合、「昼間と夜の温度差が20度である」というのは、マイナス10度からプラス10度までの差であっても、プラス10度から30度までの差であっても同じ意味をもつということだ。 ここで問題にする順位というのは文字通り順位(順序)尺度であって、差(間隔)は意味をなさない。10位の人が2位上がって8位になるのと、3位の人が2位上がって優勝するのとではゼンゼン意味が違う。 順位は相対的な比較にすぎないので、周りのレベルに大きく左右される。地方競馬の平均順位が2位の馬と中央競馬で平均順位が5位の馬のどちらが速いかは分からない。 では、順位は平均できないのか? これについては、前回の日記を書いたあと、お互いを更新する掲示板で四方ラムタさんからもご指摘をいただいた(2/26)ように、 順位そのものは平均しても意味がない。順位を平均するのではなく、順位を得点と見なして平均しているにすぎない。というのが正しい捉え方であると言えよう。 要するに、順位を平均するというのは、1位を1点、2位を2点、...というように点数化して、平均値の少ない者ほど上位であるという評価をするということにすぎない(ふつう得点というのは多いほど強いというように見えるので、1位を100点、2位を99点というように、101点から順位を引いた値を点数としても何ら構わない)。 上にも述べたように順位は周りのレベルによって大きく左右される。プロゴルフなどで競技大会のレベルが大きく異なる場合には、順位ではなく獲得賞金で総合ランキングを争うことがある。これは別段、誰が一番儲けたかを比較しているわけではない。賞金金額の多い大会ほど優秀な選手が集まるので、賞金を重みづけされた得点と見なすことにそれなりの合理性が出てくるためだ。 元に戻って、ノルディックスキーのW杯ジャンプの総合優勝争いの場合の配点方式だが、別段、何らかの統計的根拠によって決められたものではなかろう。上位獲得に一定の重みづけをした上で、単に、「1回優勝(100点)し、もう1回は棄権(0点)した選手は、2回とも4位(50点×2)をとった選手と同じぐらい強い」という素朴な了解に基づいて決められているにすぎない。 ここで念のため言っておくが、統計学的に平均ができることと、その平均値が絶対評価の上で有用であることとは意味が違う。例えば、プロ野球選手の本塁打数の毎シーズンあたりの平均値を計算することはできる。しかし、過去と現在、あるいは大リーグと日本国内では投手の投法、球場の広さなどが異なっており、平均本塁打をもってどちらが優秀なバッターであるかを比較することはできない。模擬試験の偏差値の平均値なども同様。受験者のレベルによって大きく左右される。それから、ノンパラメトリック検定で順位和などを出すのは、順位の無作為化という考えに基づくものであって、順位の平均に意味があるということを前提としているわけではない。これも念のため。 |
【ちょっと思ったこと】
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【生活記録】
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【5LDKKG作業】
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【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。)】
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