じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 前期入試の朝。センター試験と前期・後期試験に限って、岡山駅西口〜岡大直通の臨時バスが運行される。この日、最初にやってきたバス。


2月24日(水)

【思ったこと】
990224(水)[数学]家探し、お見合い、公募、..の「思い切り」について考える(3)面接採用の最適方略と「平均順位」について思ったこと

 23日の日記の続き。昨日とりあげたNHK教育の「秋山仁の数学タイムトラベル」(1995年夏休み放映)の第4回目「期待値と戦略」(テキストは日本放送出版協会発行、雑誌69321-12。関連書籍として、秋山仁著『数学流生き方の再発見』中公新書)には、もうひとつ、面接試験の最適戦略がとりあげられていた。長谷川が要約、箇条書きすると次のような内容になる。
  • 最大10人の応募者と面接する。
  • 1人ずつ面接し、その都度採否を決定。採用が決まった時点で、残りの応募者との面接をうち切る。
  • いったん不採用と決めた応募者をあとから採用に変更することはできない。
  • 必ず1人採用しなければならない。10人全員を面接した場合は10人目を必ず採用しなければならない。
このときの最適な採用戦略は
  • 最初の3人については点数をつけるだけで採用しない。
  • 4、5番目の面接では、そこまでの最高点をとった人がいれば採用。
  • 6、7番目の面接では、そこまでの2位以内の得点をとった人がいれば採用。
  • 8番目の面接では、そこまでの3位以内の得点をとった人がいれば採用。
  • 9番目の面接では、そこまでの5位以内の得点をとった人がいれば採用。
  • 10番目の面接では、点数にかかわらず採用。
上の方略を使うと、順位の期待値が2.55となり、平均してほぼ3位以内の人を採用することができるという。

 昨日の「お見合い」問題は、相手のレベルを1〜5の数値で個別に絶対評価できるという条件だった。この面接試験の問題では、各応募者が10人中何位であたるのかは途中では分からない。分かるのは、各応募者に対する絶対得点(例えば100点満点で80点というような点数)および、すでに面接を終わった人の中での順位である。そして、採用の基準は絶対得点ではなく、10人全員についての相対比較であり、10人の中でなるべく順位の高い人を採用するための方略が議論されるわけだ。

 さて、ここまでの説明で、あれっ?と思った方がおられたかもしれない。心理学関係の統計の入門には必ずと言ってよいほど尺度についての説明があり、そこでは、順番というものは平均できないとちゃんと書いてある。数学の大家の秋山先生が「平均してほぼ3位以内」とおっしゃると、どっちが正しいのか分からなくなってしまう。

 で、実際のところはどうか。ざっと考えたところ、
  • 代表値としての平均値(算術平均値)は、データが間隔尺度または比率尺度の場合に限られ、測定された値を足し合わせ個数で割った値として機械的に算出される。
  • 順位が平均できないと言っても、例えば「過去一年間に出場した競技の平均順位は1位だった」という言明は「すべての競技で優勝した」と同じ情報を与えているので問題ない。
  • ノンパラメトリックの推計学では、順位そのものを1つの変量として扱い、期待値や区間推定を行うことがある。
  • 代表値としてではなく、何かの強さや能力を表す指標値(GDPとか豊かさ指標と同じようなもの)として「平均順位」が有効である場合がある。
  • ある特性と「平均順位」が単調増加の形で一対一に対応しているのであれば、無意味とは言えない。
となってくる。とすると、平均順位がナンセンスというのは、あくまで代表値としての統計的意味を考えた場合の話であって、上記のケースを含めて、最適戦略の決定や何らかの指標値を求める場合には有効であるという可能性がある。どなたかお互いを更新する掲示板まで情報をいただければ幸いです。
【ちょっと思ったこと】
  • 娘が学校の宿題ということで、日本列島の山脈や山地の名前を覚えさせられているが、いまどき「飛騨山脈」とか「赤石山脈」などという呼び方をするだろうか。離れているせいか「手塩山地」もあんまり聞いたことがないなあ。暑寒別岳だったら知っている...と思ったがこれは増毛山地に属するらしい。そういや私が子供の頃は、「那須火山帯」とか「霧島火山帯」なんていうのも覚えさせられた記憶があるけれど、別段地下でマグマがつながっているわけでもなかろうし、噴火活動の周期は個々まちまちなのに、なんでそういうことに記憶を使わせるのか疑問だった。
【新しく知ったこと】
【生活記録】
【5LDKKG作業第2日目】
  • 昼休みに家主さんに挨拶。雨が降っていたので搬入は中止。夜、机、キャンプ用品、スキー用品などを車に積み込む。
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。)】