じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 農学部付属農場の梅。手前が白梅、後ろが八重の紅梅。さらに後ろは半田山。


2月22日(月)

【思ったこと】
990222(月)[数学]家探し、お見合い、公募、..の「思い切り」について考える(1)

 2/21の日記で貸家探しがほぼ完了したと書いた。今回は、貸家といっても倉庫がわりの古家探しであったのでそれほど思い悩むほどのことも無かったが、これが、何千万円もの家を買うとか自分の配偶者を選ぶというように一生に一度しかできない選択であったとすると、そう気軽には決断ができない。

 さてこの種の選択は、スーパーで今日のおかずを買う場合とは本質的に異なる側面をもっている。

 スーパーで買い物する場合は、選択肢がすべて同時に与えられていて、それらを比較しながら最良のものを選ぶことができるが、この種の選択行動には次のような条件がある。
  1. 選択肢は同時ではなく、継時的に与えられる。
  2. 選択肢に対してはそのつど「YESかNOか」の判断が求められる。YESと答えればそこで打ち切り。NOと答えれば次の選択肢が与えられる。
  3. いったんNOと判断した対象は二度と選ぶことができない。
  4. 選択可能な期間が限定されており、その中で提示される選択肢は有限かつ比較的少数。この期間を過ぎると、すべてのチャンスを失う。
具体的にあてはめると
  •  家探しの場合、候補を選ぶ段階では一覧表の物件を細かく比較するところからスタートするが、最終的には、一軒ずつ個別にそれを買うか買わないかの決断に迫られる。買った場合にはそこで打ち切り。いっぽう、買わなかった場合は新たな候補に接することになる。ただし、あまりモタモタしていると他の人に買われてしまう。選択可能期間は比較的長いが、歳をとりすぎてしまうと買ったものを活用しないうちに死んでしまう。

  •  お見合いは(残念ながら?)一度も経験をしたことが無いので実態は分からないけれど、ひと月に何十人もの相手と殆ど同時にお見合いして最適の相手を選ぶというのは、少なくとも古典的なお見合いルールには反するように思う。普通は、一人の相手とお見合いし、気に入れば多少は交際し、結婚するかどうかを決断する。もしYESと答え、相手も合意すればそれで完了。いっぽう、結婚しないと決めた場合には別の相手を探す。といっても、相手にあまり過大な基準をあてはめると、いつまでたっても相手が決まらない恐れが出てくる。(結婚に慎重な方の価値観を批判しているわけではない。念のため。)

  •  大学の教官公募の場合、ふつう同時に複数の大学には応募しない。少なくとも私がODだった頃は、大学院生総数よりもODの人数のほうが多かったこともあり、1つの公募に応募した場合は不採用の通知が来るまで次の公募には(教授の推薦を受けて)応募することはできなかった。また複数の大学への応募を認めている大学であっても、先に採用決定を受けたところに赴任するように厳格に指導している教室もあるようだ。この場合先に滑り止め、あとから本命という順で採用通知が来たら、本命を辞退して滑り止めのほうに赴任することになる。

    ※念のため言っておくが、個人として動く限りにおいては、同時に何本応募しても全く問題無い。割愛願いとか設置審審査絡みでない限りは、先着を蹴って後から採用通知を受けた大学に赴任しても何ら問題はない。競争原理を重視するいまの時代では倫理的にとやかく言われることもないだろう。但し、後任の補充が予定採用日までにできず、場合によっては再公募を余儀なくされるなど、蹴られた大学のほうは多大な迷惑を被ることになる。そういう意味では、「滑り止め」に赴任する気が無いのだったら最初から応募せず、本命のレベルの公募だけをじっくり待つという方略も考えられる。

 複数同時選択場面と異なり、こうした継時的選択場面では、適度な「思い切り」が肝要だ。いつまでも決断できないと、何もかも失ってしまう。しかしあまりせっかちに事を運ぶと、「もう少し待っていれば、もっとよいものが現れたのに...」と後悔することになる。

 こうした場面については数学でもちゃんと研究されているらしい。正確な分野は分からないけれど、だいぶまえにNHK教育の「秋山仁の数学タイムトラベル」という番組で「お見合い戦略」と「採用面接」についての事例が紹介されていた。時間が無いので明日以降に続く。
【ちょっと思ったこと】
  • 2/23は有名日記作家の誕生日(ほかに、現在日記猿人に参加されておられない別のお方の誕生日でもある)であるが、本年に限っては、金星と木星の見かけ上の接近、さらにアルデバラン食が起こる日となっている。アストロアーツの星空案内を参照されたい。
【新しく知ったこと】
【生活記録】
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。)】
  • 家庭用の灯油タンクの色は、東日本は赤、西日本は青が流通。全国規模の量販店からの情報によれば、愛知・静岡県境から富山・新潟県境をむすぶ線で二分されているらしい。但し北海道は青色中心。かつては着色に使う顔料は青のほうが1個あたり数円安かったという情報も。[2/23朝日]

  • 21日付の英日曜紙サンデー・タイムズによれば、ロンドン大学のロバート・ウィンストン教授が、男性の妊娠可能性を論じる。男の体外受精した胚を腹腔内に移植し、大腸などの内臓に「着床」させるという方法で、原理的には女性の子宮外妊娠と同じ。[2/23朝日]