じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] このところ西の空に明るい星が2つ見えるようになってきた。下の方が金星でマイナス3.9等、その上が木星でマイナス2.1等星。今日はその上に月齢3.2の月があった。この写真には写っていないが、さらにその上に0.5等星の土星。また日の入り後早い時期であれば金星の右下にマイナス1.2等の水星が見える。太陽系の惑星がこれだけ同じ方向に揃って見えるのは珍しいのではないだろうか。


2月19日(金)

【思ったこと】
990219(金)[心理]価値の起源と創出について思うこと(5)家を借りるのと買うのとどっちが得か

 昨日の日記の続き。昨日の日記でも述べたように、何かを所有するということは本質的な価値とは別の問題であると私は考えている。価値は対象そのものにあるのではなく対象との関わり、つまり行動と一体となって生み出されるものであると考えるならば、必ずしもそれを所有する必要はない。関わりが十分に保障されるのであれば、自然そのものであってもよいし、公共物でもよいし、誰かと共有してもよい。ただ、今回のところはもうすこし具体的で現実的な話として「家を借りる」という行為について考えてみることにしたい。

 このところ新聞に「3/13以降は金利上昇のきざしがあるので今がラストチャンス」とか、「新住宅減税で100万円もお得になる」、「家賃は消えるが、支払いは資産になる」などの宣伝文句を前面に出した新築住宅の折り込みチラシが大量に入っている。しかし2月10日の日記で述べたように、私は現時点では必ずしも持ち家が借家よりベターであるとは考えていない。


 2月10日の日記では、
夏と冬で違った服を着るように、「衣」ばかりでなく「住」のほうも、ライフスタイルに合わせて取り替えていくほうが合理的であろう
との視点から借家の合理性について述べたけれども、ここではさらに次の点をつけくわえておきたい。

 まず上記の「家賃は消えるが、支払いは資産になる」というキャッチフレーズは必ずしも真実でないように思う。いくら金利が安いと言っても支払い総額のかなり部分はローンの利息分の返済にあてられる。たまたまチラシにあった2390万円のマンションを自己資金ゼロ、35年ゆとり返済で購入したとすると、おおざっぱに計算して35年間の支払い総額は4060万円、つまり1670万円は利子として消えて無くなるのである。しかもその35年後(←私は71歳になってしまうから死んでますなあ)に、果たして購入したマンションにどれだけの資産的価値があるかは大いに疑問だ。借家ならばいつでも新しい家に住み替えができるのだが。

 金利が安いとか新住宅減税についてはよく分からないところもあるが、大部分はローン絡みのものであって、補助金を貰えるわけではない。

 いっぽう、家を借りる場合のメリットだが、これは勤務先によってかなり違うと思うけれど、いっぱんに住宅手当のようなものが別途支給されるはずだ。この分は、ローンと違って、丸々給料に上乗せされる。毎月2万7000円支給されたとすると1年間で324000円、20年間で648万円にも達する。

 残された問題は老後の不安であろうか。いま述べた住宅手当は退職後には貰えない。このとき、同じ条件で同じ家を借り続けることは難しいだろう。ただ、その時点で、子供を育てていた時と同じ広さの家が必要かどうかは疑問。二階の雨戸を閉め切ったままで広い家で細々と老後を送るよりは優良なホームに移り住んだほうが快適であるかもしれない。

 もうひとつ、子どもたちに何も資産を残さないことが「子不孝」になるかどうかという問題もある。確かに自分の代で土地を購入しておけば、ローンや家賃の負担から子供を解放することができるだろう。しかし、むしろ、家や土地を相続させるということは、子供の進路選択や住居の選択を制約することにもつながる。少子化のなかでますます家余りが生じる可能性を考えれば、そこまで親に頼らせなくても自立してやっていけるはずだと思う。

 以上、乏しい知識のままに私自身の個人的な事情を加味して「借家>持ち家」の視点を展開してみたが、これはもちろん、コストなど諸条件によって大きく変わるものだ。新築住宅を購入する気は全く無いけれど、中古住宅で借家以上のメリットのある物件が見つかればそれでもよいとは思っている。

 個人を離れて国全体の問題として独り言を言うならば、現在の景気対策は少々「持ち家」信仰に頼りすぎているような印象を受ける。持ち家信仰に基づく住宅政策は、地価の変動を大きく受け、場合によってはバブルやその崩壊を再び招く危険も秘めている。

 この代わりに、ライフスタイルにあった良質の借家が豊富に供給されるようになれば、狭い持ち家で遠距離通勤を強いられる場合に比べてもっと「豊かさを実感できる」生活が実現できるようになるのではないかとも思う。高齢者のための「住」の整備と併せて、もっと「貸す」、「借りる」が手軽で有利にできるような優遇策がとられれば、より多くの借り手が現れるようになり、資産家は空き地を活用して優良な貸家を作るようになる。このような形の景気対策は考えられていないのだろうか。
【思ったこと(2)】
990219(金)[生活]確定申告の勉強をした私

 金曜日の午後、今年度の確定申告のため近くの税務署に行って来た。私自身は給与所得生活者であるが、非常勤講師など2カ所以上から給与を受けていることもあって毎年申告を行っている。

 経理関係の仕事をしている方や自営業の方からみれば何でそんなことが?と思われるかもしれないが、実は私は、申告書の書き方が全く分からない。毎年、税務署内の相談所に源泉徴収票などを持参してその場で書類を作ってもらっている。しかし「申告書は自分で書いて郵送で」などという呼びかけがされていることでもあり、また一部の控除に限っては端末操作で申告ができるようになったという話もあったので、少々じぶんで覚えてみようと決意した。

 昨年は長時間待たされたことから、待ち時間に添削をしようと学生のリポートなど持参してみたが、時期が早かったことと夕刻であったせいか、全く待たずに税理士の相談カウンターに座ることができた。税理士の書込み内容を控え用紙に写しながらその手順を学ぶ。
  1. まずは、本務先と非常勤講師先の収入の総額と源泉徴収額を書き込み、すでに支払った税金の総額を計算する。これでまず「給与収入金額」とすでに支払った税額が分かる。
  2. ここから「給与所得の速算表」に基づいて「給与所得額」を算出するわけだが、言葉が似ていて紛らわしい。要するに660万円から1000万未満までは0.9倍して120万円を引く。1000万円以上だったが0.95倍して170万円を引くということらしい。何のためにするのか分からないが、とにかく少なくすることは結構なことである。
  3. 次に諸々の控除額を本務先の源泉徴収票に基づいて再度書き込む。この合計額を上記の給与所得額から差し引いたのが「課税される所得金額」になるらしい。
  4. 次に税額の計算だが、こんどは、「課税される所得金額」に応じて税率を乗じ、そこから控除額を差し引く。これで税額が算出された。私の場合は0.2倍して33万円を引くというランク。これは当分変わりそうにない。
  5. 最後に、上記の税額から、特別減税額とすでに徴収されている税の総額を差し引いたものが「納める税金」になるわけだが、むむ、3万数千円にも達するではないか。
ということで、その道の専門家からみれば小学校低学年の算数の復習みたいなことを書いているように思われそうだが、やっと仕組みを理解した。

 確定申告書が分かりにくい理由としては、
  • あまりにも共通性の高い様式に統一しているため、自分に該当しない項目が多すぎてどこに書き込んでよいのか迷うこと。
  • 所得、給与、控除の定義が難しく、しかも似たような言葉があるため、どの金額がどれにあたるのかよく分からない。
といったところだろうか。それにしてもこの時期に3万数千円の追加納付は堪えるなあ。
【新しく知ったこと】
【生活記録】
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。【 】部分は簡単なコメント。)】