じぶん更新日記1997年5月6日開設Y.Hasegawa |
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【思ったこと】
990113(水)[一般]わたしが「,.」から「、。」派になった意外な理由 1/11日記の続き。前回の日記に示したように、日本語を横書きする時の句読点は、大きく分けて「、。」、「,。」、「,.」の3通りの表記法がある。赤尾さんご指摘のように大学の公文書は「,。」を使用しているが(「文部省刊行物表記の基準」(1950) による。こちらにその経緯が説明されていた)、前回の日記に示したように、ネット上のHPでは、首相官邸、文部省、衆参両院などほとんどの官公庁が「、。」を使用しており、「,。」派は、最高裁判所と法務省ぐらいしか見あたらなかった。また、日記猿人登録のWeb日記も、大部分が「、。」派であり、「,。」派は「わかば日記」さんや「コンピュータ室運営日誌」さん、「,.」派は「ぢょしゅとほほ日記」さんや、前回うっかり書き忘れた「よろずや談義」さんや「日記文化人」さんなど(←堀内さんthanks)、私が拝見している限りではそれぞれ数名の方に限られているようだ。 じつは私自身は、もともと「,.」派であった。過去の文書ファイルをチェックしてみたところ、1986年12月下旬から今の「、。」に「転向」していることがわかった。 この「転向」の理由は実は意外なところにあった。それは、ちょうどその1986年頃、私が「日本語表現力チェックプログラム」を自作した時期と一致している。このプログラムは少し前に『自然』という雑誌に連載中の『何を書くか どう書くか−−理科系の作文技術』(木下是雄、のちに中公新書から刊行)の影響を受け、また、英語の文法・表現力チェックソフト(Right Writerなど)に触発されて自作したものであり、
このプログラムは、シフトJISのテキストファイルを1バイトずつ読み込み、2バイト系文字かどうかを判別した上で、上記のチェックを進めるものであった。その際、1文あたりの長さや、読点ごとの文字数をチェックするのに、「、。」または「,.」の数をカウントする必要があった。 そこで初めて気づいたのだが、「.」という文字(ここでは全角文字)は、「第1章2節...」などの見出しを「1.2.4.」のように数字とピリオドで表す場合、数式の引用、あるいはイニシアルによる略称など、文の終わり以外でも結構使われていることが分かった。コンマも同様であり、例えば統計の有意差を示す時に“(F (6,1344)=9.20,p<.01)”というような使い方をすることがある。そのために「,.」表記で文の長さや読点ごとの文字数をチェックするには手直しが必要となる場合があった。 また、同じような理由になるけれど、「、。」は通常、句読点以外の目的に使用されることが無い。「,.」は上記のように別のところでも用いられる。で、あらかじめストックしてあった文章を何かの雑誌の投稿規定(縦書きの場合もある)に合わせて句読点を置換するとき、「、。」から「,。」や「,.」は全置換一発でできるけれど、逆方向の置換は、“(F (6,1344)=9.20,p<.01)”が“(F (6、1344)=9.20、p<.01)”になってしまうなどの誤植が発生し、いちいち手直しをする必要が出てくる。 というように、私のばあい、「日本語の句読点表記はこうあるべきだ」という議論とは全く無関係に、「,.」から「、。」への切り替えを断行したのであった。 ※横書き日本語の句読点の使い方について、岡島先生からこちらの資料を御紹介いただきました。どうもありがとうございました。 |
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【生活記録】
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【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。【 】部分は簡単なコメント。)】
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