じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 岡大構内を流れる座主川ほとりの紅葉。

昨日から当日朝の日記

11月24日(火)

【思ったこと】
981124(火)[数学]ジャンケンの由来と数学的背景についてさらに考える(1)
 アメリカ横断ウルトラクイズの問題をきっかけに、ジャンケンのことをいろいろ考えている。11/22の日記の後半では、「グー」と「パー」だけでジャンケンをしたほうがアイコが少なくて効率的に勝者を決められるのではないかという話をした。

 これを含めて私がジャンケンに関して興味を持っている点は次のとおり。
  1. 最強のジャンケン・プログラムを作るには、相手の出す手についてどのような予測方略を用いたらよいか。
  2. ジャンケンのルーツは? ジャンケンが普及していない国では、代わりにどうやってくじ引きをするのか?
  3. 選択肢(手)が2つだけのジャンケンを可能にするためにはどのようなルールが必要か。
  4. 同じく、選択肢(手)が4つ以上のジャンケンを可能にするためにはどのようなルールが必要か。
  5. ジャンケンの数学的な背景はどうなっているのか。
 このうち、1.については、「オペラント条件づけによる可変的な選択行動の形成」などというテーマで少し前にいろんな実験をしたことがあるが、私がやったのは、直前2つの反応パターンからの推移頻度を算出して予測するというものだった。確か、「何たらマルコフモデル」とかでもっと精密な予測ができると思ったが、操作可能なシンプルな随伴性になりうるかどうかは不明。

 2.については掲示板書き込みやEメイルによりいくつかの貴重な情報が寄せられた。gooで検索したところでは、英語なぜなぜ110番【英語諸問題研究会(代表:大分工業高等専門学校・穴井孝義先生)の問答集をは岐阜高専の亀山先生が許可をいただいた上でネット上に転載しておられるもの】というサイトの中のジャンケンする時は英語でどういうのか?という記事に、ジャンケンの起源は中国であるとの記述があり、さらに英語圏ではコイン投げや「Counting-out Rhyme」という「ずいずいずっころばし、ごまみそずい……」風のゲームがあるとの説明があった。なお長谷川あてに寄せられた情報にはインド起源説もあり。また朝鮮半島では、ジャンケンそっくりの3すくみゲームがあるとの情報をいただいている。日本では大人でもジャンケンをするが、英語圏の人たちはその代わりに輪になって「ずいずいずっころばし」をするのだろうか。ジャンケンに代わる抽選法についてもう少し情報をいただけたらと思う。

 ひとつ面白いと思ったのは、離散数学と娯楽の数学というサイトに紹介されていたフランス式?ジャンケンというもの。これは、石、壺、鋏、紙の4択となっており、石>鋏、鋏>紙、紙>石、紙>壺、壺>石、および壺>鋏という強弱関係(不等号の左が強い)が決められているという。元サイトではあくまで「噂ではフランスには...」と断っており、実際にフランスでどの程度遊ばれているのかは、不明である。また、このサイトで指摘されているように、フランス式?ジャンケンでは石を出すなら壺を出したほうがゼッタイ有利であり、石という手は無意味であることが分かる。

 3.については11/22の日記で私なりの考えを述べた。このうち「sameかdifferentか」で勝ち負けを決めるゲームは、数学的にはコイン投げと同じ意味になるのだろう。但し、それはあくまで数学上の話。コイン投げでの場合、インチキさえしなければ、投げる人は純粋なランダム生成機となる一方、じぶんで手を考える必要は全くない。これに対して、「sameかdifferentか」ゲームは、相手のクセを読みとれば勝率を50%から上に上げることができる。そういう意味では心理学的には、「sameかdifferentか」ゲームはコイン投げとは本質的に異なるゲームであると言うことができるだろう。

 同じく、3人以上で行う時の「少ないほーうが、かーち」ゲームは、なかなか名案であろうと思うが、なぜこれまで行われてこなかったのだろう。嘉田 勝のリビングルームの中の気まぐれ数学談話室では「多いもの勝ちじゃんけん」というのが紹介されていたが、優勝者1人を決めるのであれば「少ないもの勝ち」のほうが早く決着がつくであろう。だいいち、「多いもの勝ち」では、いったん「これが多い」という手が知れ渡ってしまうと、参加者はいつも同じ手を出すようになるのでアイコばかりで永久に決着がつかなくなると予想される。またわざわざ3通りの選択肢を用意しなくても「ぐー」と「パー」だけで十分であるように思う。

 2.および、4.と5.についてはgooで関連サイトを検索してみたのだが、それぞれの検索語について非常に多くのサイトがマッチしたため、すべてのチェックは困難であった。以下に11/24夜の時点での各検索語とマッチした数を示す。
  • 「じゃんけん」:4444。
  • 「じゃんけん」AND「数学」:168。
  • 「じゃんけん」AND「外国」:228。
  • 「ジャンケン」:4164。
  • 「ジャンケン」AND「数学」:135。
  • 「ジャンケン」AND「外国」:219。


 いくつかアクセスした中では、上にもご紹介した2サイト:
離散数学と娯楽の数学(豊橋技術科学大学 情報工学系・伊藤大雄さん)および、「嘉田 勝のリビングルーム」の中の気まぐれ数学談話室が、懇切丁寧な解説をしてくださっていた。
 まだ十分には拝見できていないが、要するに、それぞれの手の間の強弱関係を方向の定まった線で結ぶという「有向グラフ」理論の応用として考えておられるようだ。
 伊藤さんの頁の終わりのほうに紹介されていた“手の数5の面白さ最大の(しかも唯一の)ジャンケン”というのは、私が子供の頃遊んだ「軍人将棋(「ミサイル行軍」とも呼ばれていた)」というゲームを思い出させる。あのゲームは、元帥、大将、ミサイル、工兵、砲兵、スパイ...などの間に強弱関係が定められていて、たとえば大将はたいがいの駒には勝てるがスパイだけには負けるというルールになっていた。駒の中には「原爆」とか「地雷」というのもあって、何となく戦争賛美の雰囲気があるのはあまり好きではなかったが、純粋なゲームとしてはなかなか面白いルールであったと思う。もっとも、こうやって考えていくと、いまふうのRPGにおける武器や防具の強弱関係なんかも、質的な強弱関係を数量的なものに置き換えただけであるような気がしてくる。

 なお4.および5.については、素人ながら、私も独自に考えたことがある。上記の2サイトとはちょっと違うモデルであったので、次回以降に披露させていただくことにしたい。
【ちょっと思ったこと】
【新しく知ったこと】
[写真] きれいな模様の蛾がアパートの階段にとまっていた。図鑑でしらみつぶしに種名を探したが見つからず。どなたかお教えいただければ幸いです。大きさは親指の頭ぐらいだったと思う。
【生活記録】
【夕食後の夫婦の散歩】------66日目(妻は64日)。ピカチュウ万歩計で2744歩。----
 岡大アパート群〜農学部。プレアデスは6個見えた。
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。【 】部分は簡単なコメント。)】
  • 気象庁の3カ月予報によれば、12月から来年2月までの平均気温は、平年並みになる確率が50%。東日本と西日本が低くなる確率が30%。