じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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10月4日(日)

【思ったこと】
981004(日)[一般]「怒りの鉄拳」生命保険編

 和歌山で大手生命保険会社の元外交員が、殺人未遂と詐欺容疑で逮捕された。この事件はまだ全貌が明らかにされていないが、これまでにも、ロス疑惑とかマニラでの殺人事件など、生命保険との関係が取りざたされている重大事件は枚挙に遑が無い。

 こういう事件が起こるたびにいつも疑問に思うのだが、生命保険というのは、病気になったり死んだりした時に、何でお金が儲かるような仕組みになっているのだろうか。車の保険であれば、ぶつけた時に出るお金は修理にかかる経費のみ。対人無制限とか言ったって、相手の人の収入に応じて賠償額が決まってくるわけで、相手の欲しい分だけお金が出るわけではない。生命保険の場合も、本来の保障という趣旨から言えば、本人が健康な時に得ていた収入分と当座の臨時費用を保障すれば十分なはずで、それを超える莫大な額が契約できる仕組みになっているから、殺人事件が起こったりするのである。

 保険会社が本来の互助精神から外れて、無節操に契約額を増やし、それを株などに投資して莫大な得ようとしたことが、他人名義の契約や、多額の給付金を受け取れるような仕組みを許容してしまったのであろう。そもそも保険会社が集めた金で株価が上下したり、日本経済が影響を受けること自体がおかしい。保険会社肥大化の背景にはそれで得をする政治家もいるに違いない。民放もCM収入のお得意様として批判できない事情があるのだろう(そういえば、10/4の18時台にやっていた夫婦逮捕関連の特別番組では、まことにタイミング悪く、キョウヂュが何たらとかいう某大手保険会社のCMが流れていたなあ)。

 一時期、サラ金の存在と種々の強盗事件との関連が取りざたされたことがあった。生命保険においても、「殺せば儲かる」という仕組みが世の中に存在している以上、同種の事件は今後もかならず起きるに違いない。

 生命保険に関しては、このほか、外交員によるしつこい勧誘にも腹が立つことがある。私の研究室には、稀に、ノックもせずに勝手に入ってきて「転入された先生は居られませんか」などとズウズウしく聞きに来る外交員の老人が居る。サービスより、とにかく自分の成績向上しか考えていないような外交員も多い。

 もっとも、こうした外交員の態度も、必ずしも当人たちが悪いというわけではないように思う。人間の行動は「行動に対する結果」、つまり行動随伴性によって強化されていくのであって、その随伴性を変えない限り、行動は変わるわけがない。
 10/4の朝日新聞によれば、成績向上のために外交員が本人に無断の生保契約を行い、国民生活センターに昨年度200件もの相談が寄せられているという。これに対して、生命保険協会(45社加盟)は「外交員の教育を徹底するしかない」と答えたそうだが、そんなもので変わるわけがないだろう。金集め最優先の保険会社があり、それを達成する最も有効な手段として「契約を増やせば給料が増える」という随伴性が外交員に課せられている以上、いくら教育したって行動が変わる訳がないだろうが。
【ちょっと思ったこと】
【新しく知ったこと】
[Image]きのう名前をお尋ねした蝶の名前であるが、いつもお世話になっているTakeda Kazunoriさんから「フリッシェホウジャク」ではないかとの情報をいただいた。「ホウジャク」というのを図鑑で調べてみると、確かに似たような写真があった。図鑑掲載のなかでいちばん似ているのは「ヒメクロホウジャク」という種類。
ちなみに、蝶というのは鱗翅類の中でアゲハチョウ上科とセセリチョウ上科の仲間を蝶と呼び、それ以外は蛾と呼ばれるそうだ。オオスカシバやこの写真のホウジャクの仲間のように花の蜜を吸いに来る種類まで蛾と呼ぶのはちょっとイメージが合わないように思える。
【夕食後の夫婦の散歩】26日目。妻の歩数で5397歩。
  • 農学部・薬学部〜津島新野内をまわる。月と木星が見かけ上の大接近。
【生活記録】
  • 妻が田んぼの稲穂が一面に垂れ下がった景色を見たいというので、午後から家族(娘は別行動)で吉備路に行った。
    まず、息子の勉強を兼ねて、造山(つくりやま)古墳に。ここは全国でも4番目の規模というが、皇室と無関係(というか反朝廷勢力)であったということで、好き勝手に登ることもできる。「前方後円」の「前方」の部分には神社があり、その脇に石棺が無造作に放置されていた。シルクロードのイスラム勢力の強い地域にある仏教遺跡を見たような印象だった。
    ついで、五重塔で有名な備中国分寺へ。
    帰りがけに180号線の「曙の家」の看板の写真を撮る。
    夜は月と木星の大接近を眺める。
    こちらにアルバムがあります。よろしかったらどうぞ。
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。【 】部分は簡単なコメント。)】