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じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 備前富士(芥子山)の頂上から太陽が昇る『ダイヤモンド備前富士』現象を3日連続で観察。但し3日目の2月23日は太陽の上半分が薄雲に隠されたためお椀型の日の出となった。

2026年2月23日(月)




【連載】サイエンスZERO『体の秩序を守る!“細胞競合”研究最前線』(2)

 昨日の続き。NHK『サイエンスZERO』で2月15日に初回放送された、

体の秩序を守る!“細胞競合”研究最前線

についてのメモと感想。

 まず昨日のところで、細胞競合は、

●同一の特徴を備えた細胞が多数派を形成していると、その中で発生した少数派の「異常な」細胞は多数派によって排除される

というような働きであると理解した。ここで問題となるのは、
  • 周りの細胞が自分と同じか違うかということはどうやって認識されるのか?
  • なぜ自分と違う細胞を排除する働きがあるのか?
といった点である。
 このうち一番目については、昨日引用の中に
**藤田恭之** らの研究プロジェクトは、「**細胞競合を誘発する細胞間認識機構**」および「**普遍的な分子制御メカニズム**」の同定を目指し、網羅的解析を実施しています。
正常細胞と変異細胞との相互作用や「どの違いを細胞が検出して競合を起こすのか」を構造的に理解することが進められています。
といった研究があり、日々進展しているものと拝察される。
 いっぽう二番目については、思考実験からの説明も可能。すなわち、ある細胞が隣接する細胞に対して行う働きかけは論理的に考えて以下の3通りのいずれかになる。
  1. 自分と同じでも違っていても何もしない
  2. 自分と同じなら排除
  3. 自分と違うなら排除

 このうち1.は何の変化も起こらない。2.は同じ細胞は離れようとするので単細胞生物のようにバラバラになる。なのでそういう働きを備えた多細胞生物は存在し得ない。ということで、3.しか存在し得ないことになる。これを人間社会に喩えるなら、
  • 2.は自分の所属する集団から自分と同じ人を排除しようとする←近親相姦回避など特殊なケースではありうる。
  • 3.は人類の歴史の中では大いにありうることで、自分とは異なる人種や宗教を排除する動き。
ということになるかと思う。

 要するに多細胞生物として存在する上で、自分と違う細胞を排除する機能は有用である。といっても高等生物はさまざまな種類の細胞から成り立っており、自分と違うというだけで排除してしまったら体がバラバラになってしまう。なのですぐ隣にあるような密着したエリアの中だけで違うものを見つけ、かつ、「多数であれば正常、少数であれば異常」という多数決原理で少数派を排除しているのであろう。




 放送では『細胞競合』がうまくいっている例として若さを保つ機能が紹介された。皮膚の表面には『表皮幹細胞』があるが、衰えた表皮幹細胞は周囲の新しい細胞たちの細胞競合により排除されている。

 いっぽう細胞競合がうまくいかないケースもあるという。昆さんが見つけたのは小腸の細胞で異常細胞が集団で固まっているような場合。異常な細胞が1つの時は周りの正常細胞の数の力で追い出せるが、異常な細胞が増えてしまうともはや排除できない。

 さらに紹介されたのは細胞競合が筋肉づくりに役立つという話題。石谷太さん(大阪大学)のゼブラフィッシュの研究は以下の通り。
  1. 孵化する前のゼブラフィッシュで筋肉が作られる過程を調べると「変な細胞」が現れることがある。
  2. 魚の筋肉には表面の『遅筋』と中心部の『速筋』から構成されており、それらが綺麗に分かれることで泳ぐことができる。しかし速筋になる場所で遅筋になろうとするエラーが起こり「変な細胞」が残ると泳げなくなってしまう。
  3. 一般の筋肉細胞は表面のカドヘリンという物質で接着しているが、エラー細胞ではカドヘリンの量が異なるので一般の細胞による検知が可能。これを細胞競合で排除。

細胞競合ができないと筋肉繊維が欠けたような場所ができてしまいうまく泳ぐことができなくなる。

 次回に続く。