じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 【インドネシアその37】バリ島のヒンズー教

 フェリーでジャワ島からバリ島に移動して最初に目についたのはヒンズー教に関連した様々な石像であった。偶像が禁止されているイスラム社会と異なり、こちらは偶像だらけであった(但しイスラム教のモスクもあることはあった)。
 写真はバリ島到着後に最初に見えていた3体で、Googleレンズによる解説は以下の通り。
  • 写真上:ヒンドゥー教の主要な神の一柱であるシヴァ神の像です。シヴァはヒンドゥー教の三大主神(ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァ)の一人で、特にシヴァ派では最高神とされています。「破壊と創造の神」として知られており、宇宙を再創造するために「破壊」を司るとされています。
    【別の説】この画像は、インドネシアのバリ島にあるガルーダ・ウィシュヌ・クンチャナ(GWK)像です。この像はヒンドゥー教の神ヴィシュヌが神鳥ガルーダに乗っている姿を描いており、バリ島の文化と精神性を象徴しています。?
  • 写真中:翼を持つ象の像を示しています。これらは、インドネシアのバリ島などで見られる、神話上の生き物である「ガジャ・ミナ(Gajah Mina)」と呼ばれる像である可能性があります。
    ガジャ・ミナ(Gajah Mina):は、象の頭と魚の体を持つ神話上の生き物ですが、画像では象の頭と翼、そしてライオンのような体を持つ像が描かれているため、別の神話上の生き物、あるいは創造的な表現である可能性があります
  • 写真下:判別不能。


 なおバリ島にヒンズー教信者が多い理由をChatGPTに尋ねたところ以下のような回答をいただいた。
バリ島にヒンズー教信者が多いのは、歴史的にインドネシアでヒンズー教が衰退する中、バリ島だけが文化と宗教を守り抜いたからです。 順を追って説明すると次のような経緯があります。
  1. ヒンズー教の伝来**
    紀元4?5世紀ごろ、インドからの商人や僧侶によってヒンズー教や仏教がジャワ島やバリ島に伝わりました。
    中世(10?14世紀)には、ジャワ島にマジャパヒト王国が栄え、ヒンズー文化が政治・芸術・建築の基盤になっていました。
  2. イスラム教の拡大**
    * 13世紀末ごろからイスラム教がスマトラやジャワ沿岸部に広がり、15?16世紀にはジャワ島のヒンズー王国が次々とイスラム勢力に併合されました。
    * 1510年代には、ジャワ島東部のヒンズー勢力もほぼ消滅します。
  3. バリ島への移住**
    * マジャパヒト王国の崩壊(1520年前後)後、多くの王族・僧侶・芸術家・兵士がバリ島へ移住。
    * バリ島は山が多く天然の防壁となり、また地理的にジャワ島よりやや離れていたため、イスラム勢力の侵入が制限されました。
    * この結果、ヒンズー文化(特にバリ・ヒンドゥーと呼ばれる独自形態)が島全体に根づきます。
  4. 植民地時代の保存**
    * オランダ統治時代(19?20世紀初頭)、バリ島は「伝統文化の島」として保護・観光資源化され、ヒンズー信仰と祭礼が途絶えずに継承されました。
  5. **まとめると**
    バリ島は、ジャワ島などでヒンズー教が衰退したあとも、地理的隔離と難攻不落な地形に守られ、マジャパヒト王国からの移住民が宗教と文化を維持したことで、今日でも島民の約9割がヒンズー教徒となっています。


 さらに、「バリ・ヒンドゥー」とインド本来のヒンズー教との違いを尋ねたところ以下のような回答をいただいた。

 はい、バリ・ヒンドゥー(正式には「アガマ・ヒンドゥー・ダルマ」)は、インド本来のヒンズー教を基礎にしつつも、バリの土着信仰や仏教の要素を強く取り入れた独自の宗教体系です。
 大きな違いを順に説明しますね。
  1. 信仰の混成性**
    • **インドのヒンズー教**
      ヴェーダやウパニシャッドの思想、ブラフマー・ヴィシュヌ・シヴァなどの神々への信仰が中心。
    • **バリ・ヒンドゥー**
      古来のバリのアニミズム(山・川・森・祖霊を敬う)や、ジャワ時代に入った仏教の要素が融合。
      たとえば寺院では仏像が安置されることもあります。
  2. 神の構造**
    • * インド:多数の神々が存在し、それぞれ独立した信仰対象。
    • * バリ:基本は**サン・ヒャン・ウィディ・ワサ**(唯一神)が全ての神の源であり、ブラフマ・ウィシュヌ・シヴァはその現れ(化身)とみなします。
      → 一神教的要素が強いのが特徴。
  3. 儀礼と祭礼の頻度**
    • * バリ:日々の供物(チャナン・サリ)を家や道端、店先に捧げるのが義務のように行われる。
      年間数百回の大小さまざまな儀礼(寺院祭り、先祖供養、自然霊への祈り)がある。
    • * インド:宗派や地域によって異なるが、毎日の供物よりも特定の祭日や礼拝が中心。
  4. 死生観と祖霊崇拝**
    • * バリ:死後は魂が輪廻転生すると考えるが、同時に祖先が家族を守る存在として家の祭壇に祀られる。
    • * インド:輪廻転生思想は共通だが、祖霊祭壇を日常的に持つのは必ずしも一般的ではない。
  5. 社会組織との結びつき**
    • * バリ:宗教は**バンジャール**(地域共同体)と密接。寺院祭りや葬儀もバンジャール単位で行う。
    • * インド:寺院は地域コミュニティの中心になるが、共同体運営は宗教儀礼とは別に行われることが多い。
  6. ### **まとめ**
    バリ・ヒンドゥーは、インドのヒンズー教がそのまま残ったのではなく、バリの自然崇拝・祖霊信仰・仏教思想と融合して、日常生活の隅々にまで儀礼が組み込まれた「生活密着型の宗教」になっています。


2025年08月12日(火)



【連載】あしたが変わるトリセツショー「軽度難聴・突発性難聴」(1)

 2025年7月10日に初回放送された、NHK『あしたが変わるトリセツショー

改訂版・耳のトリセツ「軽度難聴・突発性難聴」

についてのメモと感想。

 ちなみに私自身も加齢とともに少しずつ難聴が進んでいる。思い当たるのは以下の通り、
  1. テレビの音量を上げないと聞き取りにくいことがある。特にドラマのセリフでは聞き取れない言葉があったりして、いっそのこと常時字幕放送の設定にしようかと思うほどだ。
  2. 10年ほど前に、寝床から起き上がる時にめまいを生じ、体を動かすたびに吐き戻す(←胃の中が空なので実際は胃液のみ)という状態が続いたことがあった。同じ症状は1997年春にも起こったが、いずれも『突発性難聴』であると診断され確かステロイド系の薬を処方された。もっとも、2021年4月28日に記したように、私の場合、どうやら起床時の目まいは耳石に由来するものであることが分かってきた。なので耳鳴りや難聴は起こらず、「めまいによって生じる吐き気は船酔いと同じものだ【なので、めまいと吐き気を分離し、めまいだけを感じるようにすることができる】」と自己暗示をかけるだけで殆ど解消できるようになった。また起床時にしばらく頭を傾ける体操を続けたところ、めまいそのものが起こらなくなった。ここ数年は、起床時にいきなり腹筋運動を始めてもめまいは生じていない。

 もっとも聴力の衰えは視力の衰えほどには不便を感じないことが多い、上記のテレビの字幕もその1つだが、音声の聞き取りが難しくても、字幕さえ読み取れれば支障はない。また、私の日常生活では聞こえてくる音の90%は騒音やどうでもいい雑音となっている。だからこそ、深刻な耳の病気があっても早期発見ができないという問題がある。

 ということで放送内容に戻るが、放送の冒頭では、
  1. 高齢者ばかりでなく、若者にも難聴リスクがある。WHOは、12〜35歳の若者はある行動を続けることで将来難聴になり、その数は11億人にのぼるとると警告している。
  2. 難聴は、記憶力や集中力を低下させ、疲れやすさを加速する。
といった最近の知見が紹介された。

 最近特に問題視されているのは「潜み難聴」と呼ばれている現象。放送で行われたのは、日本語単語と無意味音声を聞き取って再生する実験であり、音を聞かせる際に日常雑音が無い条件と、ザワザワという日常雑音を加えた条件が比較された。その結果、日常雑音が無い条件では15単語中平均して13単語が正解したのに対して、雑音ありの条件では正解率は半分程度に低下した。50歳代〜60歳代の20人の参加者のうち6人が「潜み難聴」であると判定された。

同様の実験は放送でも例示されたが、日常雑音ありの条件で提示された「おにぎり」と「おれつむ」は、私にはそれぞれ「おに」と「おれ」にしか聞こえなかった。

 日常雑音ありの条件での聞き間違いと言えば、国際線の機内で飲物や機内食を選ぶ場面が思い浮かぶ。もっともこれは、私が発した単語をCAが聞き間違えるというもので、私自身の発音の悪さに原因があるようだ。

 次回に続く。