じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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NHKオンラインニュースによれば、セキュリティーソフトなどの開発・販売を手がけるIT企業のソースネクストは、自社のウェブサイトが不正アクセスを受け、製品を購入した人のクレジットカード情報など、合わせて12万人余りの個人情報が漏えいしたおそれがあると、発表した。さっそくソースネクストのWebサイトを閲覧したところ、
  1. 2022年11月15日〜2023年1月17日の期間中に当サイトにおいてクレジットカード情報を登録されたお客様112,132名【カード名義人名、クレジットカード番号、有効期限、セキュリティコードが漏洩】
  2. 2022年11月15日〜2023年1月17日の期間中に当サイトにおいて購入されたお客様120,982名【氏名、メールアドレス、郵便番号、住所、電話番号が漏洩】
が漏洩の可能性があると記されており、私はいずれにも該当していたためさっそくカード会社の緊急対応窓口に電話したが、ソースネクストからカード会社に送られた「漏洩の可能性のあるカードリスト」には私が使用したカードは含まれていないことが確認できた。
 なお私は、この種の漏洩に備えて、使用するカード番号等は常時登録しておらず、購入のたびに登録し決済直後にその情報を抹消するという手続を繰り返してきたが、今回の漏洩事象を見ると、「カード情報を登録する」という行為自体が漏洩に繋がっており、同じカードを固定して登録しておいたほうが安全であるように推測できる【以前からカード情報を登録している人は、この期間に購入してもカード情報は漏洩しなかったように読み取れる】。購入のつどカード情報の登録・抹消を繰り返したほうがよいのか、特定のカード番号を固定的に登録しておいたほうがよいのか、悩ましいところだ。


2023年2月15日(水)



【連載】ChatGPTの親近感とデタラメ度(14)数学の理解度は私より劣っているようだ(1)無理数談義

 昨日に続いて、ChatGPTの話題。今回は、数学の理解度を探るためのやりとり。結論から先に言うと、どうやらそのレベルは、高校理系の数学までしか学んだことのない私より劣っており、しかもしばしば誤答を出す傾向のあることがわかってきた。なお、数学関係の話題としては、すでにありえない直角三角形のクイズを取り上げたことがあった。

 さて、今回のやりとりではまず、無理数に関する質問を重ねた。無理数も有理数も無限に存在しているが、私は、有理数の中に素数が存在するのと同様、無理数の中にも素数のような特殊な数が存在するのではないかという素人的な構想を持っている(但し、素数は乗法の中で定義されるが、「素数的無理数」なるものは加法の中で定義できるのではないかと考えている)。

π+eは無理数でしょうか?
【AI】いいえ、πとeは常数であり、無理数ではありません。πは円周率と呼ばれ、円の周囲長さと円の中心から半径までの距離の比を表します。eは自然対数の底として使用される数字です。自然対数は、常用対数とは異なる対数を指します。πとeは両方とも定義から導出された数字であり、小数表現で続く無限小数を持つ実数です。しかし、これらの数字は無理数ではありません。
π・eは無理数でしょうか?/π+eとπ・eのいずれかは無理数であることはどうやって証明できますか?
【AI】いいえ、πとeは両方とも定義から導出された数字であり、小数表現で続く無限小数を持つ実数です。しかし、これらの数字は無理数ではありません。π・eはπとeを掛け合わせた数字であり、実数です。この数字も無理数ではありません。しかし、πとeは無理数であることを証明することはできません。これらの数字は不完全な数字であり、無限小数で表されます。不完全な数字については、完全に証明することはできないと考えられています。同様に、π + eやπ・eも実数であり、無理数であることを証明することはできません。

 以上のやりとりは、ウィキペディアに記されている内容と大きく異なっており、いくつか重大なミスをおかしている。いずれにせよ、AIは、未解決問題を自ら解くほどの意欲は無さそうであった。

 そこで、もう少し簡単なレベルでのやりとりを行った。
無理数と無理数の和が有理数になる例を挙げてください。
【AI】無理数と無理数の和が有理数になることはありません。有理数とは、分数形式で表すことができる数字です。つまり、有理数は分子と分母がともに整数である分数と同等です。一方、無理数は分数形式で表すことができない数字であり、無限小数で表されます。 無理数同士を足すことは、無限小数同士を足すことになります。そのため、無理数と無理数の和も無理数になります。有理数になることはありません。
(1+√2)と(2-√2)の和は3、という例が挙げられますが。
【AI】そうです、あなたが挙げられた例は正しいです。(1 + √2)と(2 - √2)の和は3となります。これは、無理数と無理数の和が有理数になる例の一つです。このように、特殊な条件下では無理数と無理数の和が有理数になることがあります。しかし、一般的には無理数と無理数の和は無理数になります。

 なお、無理数と無理数の和や積については、「無理数の和や積が有理数にも無理数にもなる」というのが正解であり、こちら【←なぜニッセイ?】に分かりやすく解説されている。まとめると、
  • 有理数+有理数は、有理数
  • 有理数+無理数は、無理数
  • 無理数+無理数は、有理数または無理数となる。但し無理数と無理数の和と差の少なくとも一方は無理数
  • 有理数×無理数は、有理数が0である場合を除いて無理数
  • 無理数×無理数は、有理数または無理数


 次に、
a、b、c、dはすべて異なる自然数であるとします。このとき、
√a+√b=√c+√d
が成り立つようなa、b、c、dは存在するでしょうか?

【AI】はい、このようなa、b、c、dは存在します。例えば、a=2, b=3, c=2, d=3 とすると、√a + √b = √c + √dが成り立ちます。
いま挙げられた例は「a、b、c、dはすべて異なる自然数であるとします」という条件に反していますが。
【AI】ご指摘ありがとうございます。申し訳ございます。「a、b、c、dはすべて異なる自然数であるとします」という条件に反していました。の条件の下では、√a + √b = √c + √dが成り立つようなa、b、c、dは存在しません。これは数学的に証明できますが、非常に複雑なのでここでは説明しません。
その証明はどのようなWebサイトに掲載されていますか?
【AI】この問題の証明に関しては、数学の専門サイトや教科書などに詳細な説明が掲載されています。例えば、数学の教科書や学術論文などを検索することで、詳細な証明を見つけることができます。また、オンラインで数学に関連するコミュニティに参加することで、解答を求めることもできます。

 おやおや、これでは回答放棄ではないか。入試問題で「○○について証明しなさい」と出題された時に「この問題の証明に関しては、数学の専門サイトや教科書などに詳細な説明が掲載されています。」と解答したら0点になるのは間違い無い。しかし、そもそもこれは証明できない。以下のような反例が存在するからである。

「a、b、c、dはすべて異なる自然数という条件の下では、√a + √b = √c + √dが成り立つようなa、b、c、dは存在しません」、という回答をいただきましたが、a=1、b=25、C=4、d=16の時、あるいはa=3、b=75、C=12、d=48の時は、√a + √b = √c + √dが成り立つのではないでしょうか?
【AI】いいえ、それらの場合でも√a + √b ≠ √c + √dです。

a=1, b=25, c=4, d=16 の場合、
√a + √b = √1 + √25 = 2 + 5 = 7
√c + √d = √4 + √16 = 2 + 4 = 6

a=3, b=75, c=12, d=48 の場合、
√a + √b = √3 + √75 = 2 + 8.7 = 10.7
√c + √d = √12 + √48 = 3 + 6.9 = 9.9
となり、√a + √b ≠ √c + √dです。
申し訳ございますが、前回の答えに誤りがありました。ありがとうございました。


 上掲では「いいえ」とか「申し訳ございますが」という日本語の誤りがあり、また計算もなぜかミスをしているが、私の指摘には同意してもらうことができた。

 もう1つ、
a、b、c、dはすべて異なる素数という条件の下では、、√a + √b = √c + √dは成り立たないと言ってよいでしょうか?
【AI】はい、a、b、c、dがすべて異なる素数であるという条件の下では、√a + √b = √c + √dは成り立たないと言ってよいです。
証明は非常に複雑ですが、このような数学的な問題は一般的に数学の専門家によって証明されます。このような証明は通常数学の論文や学術書などに掲載されています。


という回答があったが、証明されているのかどうかは未確認。どうせ分からないだろうと思い、あえて出典は尋ねなかった。

不定期ながら次回に続く。